日本の祝祭日の一つに秋分の日がありますが、この秋分とはいったいどのような日なのかきちんと説明できる人は少ないでしょう。
そこで、今回はこの秋分の日にはどのような意味が込められており、どんな決め方をされているのか、2022年はいつなのかについて解説いたします。
年によって秋分の日が異なる理由やその日が休みになっている理由といった気になる部分もスッキリ解決できる仕上がりなので、ぜひご覧ください。
2022年の秋分はいつ?
秋分とは2022年だと9月23日から10月7日までのことであり、秋分の日ならば9月23日が該当します。
詳しくは後述しますが、この秋分や春分は古代中国の洛陽が発祥である二十四節気からきているもので、これが太陽の位置や角度がどうなっているのかで節気を定めるものとなっているのです。
地球から見た空を一つの球体として考えると太陽はこの球体を一年かけて一周する軌道を描くので、この道を黄道として、その黄道を360度に分割した黄経の起点が春分点でありその日が春分の日となり、そこから90度進むごとに夏至⇒秋分⇒冬至と変わってきます。
ものすごいざっくりとした覚え方としては昼と夜の長さが同じになるのが春分と秋分、昼の長さが最も長くなるのが夏至、昼の長さが最も短くなるのが冬至といった、昼と夜の長さで覚えるといいでしょう。
秋分の意味や由来は?
秋分の日の意味は「秋の中間となる日」となっているので、「春の中間となる日」となる春分と意味は非常に似ています。
仏教が浸透してすることで秋のお彼岸に該当する期間という認識も持たれています。
基本的な意味や由来はシンプルで朝と昼の時間が同じになり太陽の経路を360度分割して角度で表した黄経が180度に来た場所という意味にもなるでしょう。
秋を表す節気は「立秋⇒処暑⇒白露⇒秋分⇒寒露⇒霜降」と6個ありますが、ちょうど秋分になった瞬間がこの秋の節気の中間点となるのです。
また、二十四節気をより細かく3分割したものに七十二候というものがあるのですが、こちらに日本向けの解釈を付け加えたものがあるので、そちらを見るとイメージもしやすくなるでしょう。
それぞれ初候・次候・末候の3つに分けられ、初候が「雷乃収声(らい すなわち こえを おさむ)」、次候が「蟄虫坏戸(ちっちゅう こを はいす)」、末候が「水始涸(みず はじめて かる)」と記載されています。
簡潔に書くと「秋分とは雷が鳴り響かなくなって、虫が土中に掘った穴をふさぎ、田畑の水を干し始め季節」となります。
秋分の日の決め方は?
秋分の日の決め方は、参考としているWikipediaにも記載されているように「太陽が秋分点を通過した瞬間の太陽黄経が180度になったとき」です。
地球は太陽の周りを公転しているのですが、地球が動いていないという考え方で太陽を見ると、天球を1年かけて1周しているように見えるのです。
このように太陽が1周しているときの動くルートを黄道として、春分点を起点にして黄道を360度に分けたものが黄経となります。
先ほどの「太陽が秋分点を通過した瞬間の太陽黄経が180度になったとき」というお話もこの考え方からきているのです。
太陽の位置が非常に重要となってくるのが二十四節気なので、日本でも最も信頼できる星を観測している機関に発表してもらうことが当たり前となっているのです。
秋分の日はなぜ年によって変わるの?
わかりやすく答えから記載すると、地球が太陽を回る日数が1年の365日としているけど、正確には約365.24219日となっているので、端数分だけずれが発生してしまうからとなります。
このずれを修正するために4年に1回うるう年を設定し、2月29日が発生するようになっているのですが、そこで1日分巻き戻されるので秋分の日も22日と23日を行ったり来たりするのです。
ざっくりとして説明をすると20○○年9月22日20時が秋分になった瞬間だったが翌年は約6時間ほどずれるので20○○年9月23日2時が秋分になった瞬間となり、さらに翌年は8時、その次は14時となっていきます。
そこでうるう年が来ることで1日巻き戻されてまた9月22日20時が秋分になった瞬間となります。
ただし、この1年間のずれは正式には6時間ではなく5時間48分といった値になりますので、ずれが発生するようになっています。
秋分の日にはなぜお墓参りや先祖供養をするの?
秋分や春分の期間というのは日本ではお彼岸という考え方が浸透しています。
いくつかの理由がありますが、最大の理由は歴代の天皇や皇后を祭る儀式となっている秋季皇霊祭という名前で祭日になっていたからでしょう。
もともとはこのお彼岸の風習はあったのですが、秋分の日がこのような祭日をするための休日となったことで、全国レベルでその名前が広まって同じように祖先を敬って亡くなった人たちをしのぶ日という考え方が一気に浸透しました。
もともと太陽信仰があった日本では太陽が真東から登って真西に沈む春分や秋分は特別な日という考え方があったのですが、そこに仏教が伝来して仏教的な考え方である「彼岸は西で此岸は東」という考え方が合わさり、太陽が真東から登って真西に沈む春分や秋分はあの世である彼岸とこの世である此岸が通じやすくなる特別な日という考え方が誕生します。
秋分の日に対するこの考え方は日本独自の考え方と仏教の考え方が結び付いた独特なものだったのです。
秋分の日はなぜ国民の祝日で休みなの?
こちらもざっくりと最初に記載すると、もともと秋分の日は特別なお祭りである歴代の天皇や皇后を祭る儀式となっている秋季皇霊祭が開かれて祭日とされている日だったからとなるでしょう。
この皇霊祭がお休みに設定されたのは1879年から1948年だったのですが、戦後の制度改革によってこのような祭日は廃止されてしまったのです。
この祭日がそのまま消されるのではなく「先祖を敬って亡くなった人々をしのぶ日」という考え方で改められた法律の「国民の祝日に関する法律」において祝日という扱いに変わりました。
秋分の日に食べる代表的な「食べ物」は?
秋分の日はお彼岸に該当するので、無駄な殺生を禁ずるという考え方を持っている方々もたくさんいます。
今ではだいぶ薄れてきましたが、お彼岸の期間は精進料理しか食べないという人も多いのです。
それ以外には小豆の赤い色に魔よけ効果があるとか邪気を払う力があるという考え方から誕生したおはぎや牡丹餅を食べるという風習もあります。
また、昔は砂糖がかなりの高級品だったのでその砂糖を使って感謝の気持ちを込めてご先祖様をお祈りするという考え方もあったようです。
秋分以外の二十四節気はこちらを参考に!
今回は秋分の意味や由来や風習などについて詳しく解説してきましたが、二十四節気にはあと23個存在しているのはご存知でしょうか?
ここでは秋分以外の二十四節気をまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。
それぞれ意味や由来や風習が異なりますので、面白い内容になっていますよ。
立春
雨水
啓蟄
春分
清明
穀雨
立夏
小満
芒種
夏至
小暑
大暑
立秋
処暑
白露
寒露
霜降
立冬
小雪
大雪
冬至
小寒
大寒
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は秋分の日とはいったい何なのかを記載しました。
もともとは秋季皇霊祭を行う祭日という扱いだったのですが、戦後は祭日がなくなってしまったので今では別の名前となっているのです。
このように祝日の由来を探ってみるとまた一つ賢くなれますので、人にちょっとした知識の疲労ができるようになります。
知識をひけらかすとそれはそれで悪いイメージを与えてしまいますので、小話程度に活用するのが正解でしょう。
コメント