1年間の国民の祝日は一覧こちら!
日本にはいくつもの国民の祝日がありますが、それぞれの国民の祝日の趣旨を100%理解している人は少ないでしょう。
そこで、今回は国民の祝日とはいったい何なのかを解説し、祭日と祝日の違いといま日本にある国民の祝日とはいったい何なのかをわかりやすく解説してまいります。
国民の祝日の意味と由来
国民の祝日とは日本の法律である「国民の祝日に関する法律」通称祝日法において、決められた祝日のことです。
戦前の祝日法は「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」および「休日ニ関スル件」と呼ばれるものなのですが、現在の祝日法では過去に使えなくなってしまったものをいろいろと変えていたり新規に追加されたものが混じっていますので、ほぼすべてが祝日に該当して祭日は存在しません。
もちろん、祭日由来のものもありますが全部が祝日扱いなのです。
現代でも「祝祭日」という言葉を使いますが、祭日はないので祝日という言葉だけで今のお休みをすべて表すことができるのです。
祝日を法律上の解釈で記載すると祝日法の第1条に「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」と記載してあり、国民がこぞってお祝いして感謝して記念する日が国民の祝日とのことです(参照URL:https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html)。
祭日と祝日の違い
現代の祝日の中に祭日はないといわれても良くわからない人もいるでしょう。
それは祭日と祝日の違いが良くわからないからです。
まず、祭日とは「宗教儀礼的に重要な祭祀を行う日」となります。
具体的には新嘗祭や春季皇霊祭、秋季皇霊祭や先帝祭などが該当します。
祝日法の前の法律ではこの祭日はお休みという扱いだったのですが、第二次世界大戦で負けて敗戦国となった日本は天皇の影響力を出来る限り薄くするためにこのような天皇が行う祭日によるお休みはNGとしたのです。
その結果、名前を秋分の日や勤労感謝の日と変えて残すことになりました。
つまり祭日は消滅したのです。
話をまとめると、祭日は天皇を中心とした重要な祭祀を行う日で祝日は国民がこぞってお祝いして感謝して記念する日となっております。
ただし、祭日は今は存在せずすべて祝日となっているのです。
国民の祝日一覧!
それでは具体的に国民の祝日をすべて見ていきましょう。
ちなみに、前後が祝日である平日は国民の休日となってお休みとなります。
それ以外にも即位礼正殿の儀のような「天皇の即位に際し国民こぞって祝意を表す日」のような特別な日も国民の休日となるので、覚えておきましょう。
現代では敬老の日が9月第3月曜日なので9月20日か21日になる可能性があり、秋分の日が9月22日か23日になるので、ちょうど挟まれるように平日が誕生すると国民の休日が出るようになっています。
元日、元旦
いわゆる元日や元旦も国民の祝日の一つです。
ちなみに、元旦というのは元日の午前中は太陽が昇るタイミングを指す言葉なので、1月1日を表したいときは元日と表現したほうがいいでしょう。
初日の出や餅つきなどのイベントで忙しい時期となっております。



成人の日
成人の日はハッピーマンデー法で移動させられた祝日の一つで、今は1月第2月曜日が該当します。
一昔前までは1月15日だったので、今でもその日がなんとなく成人の日と思ってしまう人も多いでしょう。
祝日法では、この成人の日の趣旨は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」となっており、成人式をするにはぴったりな日となっております。
この成人の日の移動というのは各市町村の成人式をするタイミングに大きく影響しており、成人の日に成人式をしないところもあるようです。

建国記念の日
建国記念の日は2月11日にある祝日で、趣旨は「建国をしのび、国を愛する心を養う」というものとなっております。
いわゆる日本という国が建国された日を祝福する日なのですが、これは日本神話となっている建国神話が情報源となっているので本当にこの日が建国した日なのか怪しんでいる人も多く制定にはかなりもめた祝日といわれております。
結局はっきりとこの日が建国された日であるという証明ができなかったので「建国記念日」ではなく「建国記念の日」とワンクッション置いた表現となっております。

天皇誕生日
天皇誕生日は今生天皇の誕生日が該当するので、令和だと2月23日が該当します。
趣旨もシンプルで「天皇の誕生日を祝う」というもので、最もわかりやすいといえるでしょう。
平成天皇の誕生日は12月23日でしたが、この12月23日の扱いがどうなるのかがポイントとなります。
退位した形になっておりますので、この日が特別な日になるというのはしばらくないでしょう。

春分の日
春分の日はいわゆる昼と夜の長さが一緒になる日で、3月20日か21日が該当します。
祝日法では「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という趣旨がありますが、春季皇霊祭があった日でもあるので昔は祭日だったのです。

昭和の日
4月29日の昭和の日は昭和天皇の誕生日であり、趣旨は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」とされています。
ゴールデンウィークを構成する祝日でもあるので、この日からお休みという人もいるでしょう。

憲法記念日
5月3日の憲法記念日は「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」という趣旨がある日です。
ゴールデンウィークを構成する祝日の一つで長期休暇中の人もいるでしょう。
憲法改正論議が高まっているのでこの日に憲法にまつわる討論会や世論調査が行われることがあります。

みどりの日
5月4日のみどりの日はゴールデンウィークを構成する休日の一つで、「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」という趣旨があります。
もともとは4月29日の昭和天皇誕生日だったのですが、それが5月4日に移動した形となります。
昭和天皇は植物に造詣が深かったので、みどりの日という名前になったといわれております。
それが祝日法改正によって2007年以降はみどりの日が5月4日になって4月29日が昭和の日となりました。

こどもの日
いわゆる5月5日がこどもの日ですが、趣旨は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」となっております。
いわゆる端午の節句が由来の祝日です。

海の日
7月第3月曜日に該当する海の日は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨がある日で、明治天皇が東北地方を巡幸して横浜港に入港して横浜御用邸伊勢山離宮へ帰着した日が7月20日だったことが由来となっています。

山の日
8月11日の山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨がある日です。

敬老の日
敬老の日はハッピーマンデー法で移動する前までは9月15日ですが、今は9月の第3月曜日となっている「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。

秋分の日
秋分の日は秋季皇霊祭があった日で今は昼と夜の長さが等しくなる秋分日が指定された祝日です。
趣旨は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」というもので、お彼岸を強く意識しています。

体育の日
10月10日にあった体育の日はハッピーマンデー法で10月第2月曜日となり、2020年はオリンピックに合わせて7月24日に移動となります。
ただし、2021年以降はいつも通り10月第2月曜日になるようです。

文化の日
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨がある文化の日は11月3日のお休みで、実は日本国憲法を公布した日でもあり天皇誕生日でもあります。
明治節という祭日だったのですが、名前が変わって文化の日となったのです。

勤労感謝の日
勤労感謝の日は11月23日にある祝日で「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨があります。
もともとは収穫を感謝する新嘗祭があった日で、祭日でした。

まとめ
以上いかがだったでしょうか。
今回は国民の祝日についての情報をまとめました。
国民の祝日はこのようにいろいろとありますが、祭日はゼロで今は祝日しか存在しないのです。
なので、祝祭日という表現はあまり適切ではなくお休みは祝日という言葉でまとめることができてしまいます。
特に2020年は祝日の移動がいくつかあるので、注意してきましょう。
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