季節を表す言葉や時候の挨拶に「芒種」という言葉がありますが、日本では馴染みがかなり薄いのでよくわからないという人もいるでしょう。
そこで、今回はこの「芒種」の意味や由来、時期としては具体的にいつになるのか、そもそもの読み方やこの時期の風習やイベント、旬な食べ物は一体何なのかを記載いたします。
丸暗記が苦手という方でも、そのときにあるインパクトのあるイベントとつなぎ合わせることができれば簡単に覚えられるようになるでしょう。
芒種の意味や由来は?
二十四節気の芒種の意味や由来について考えて行きましょう。
「種」の部分はそのままの意味で、植物の種を意味しますが、問題は「芒」の部分です。
この「芒」という漢字は、漢字一字だと「のぎ」と読み、稲や麦といったイネ科の植物がある程度育った後に見ることができる細い毛に該当するのです。
この二つの意味を組み合わせると、「芒種」とは「芒を持っている稲や麦などの植物の種まきに最適なシーズン」という意味になります。
由来もこのように種まきをするシーズンからきていますが、今ではこの時期も早稲の誕生でずれているので必ずしも種まきをするというわけではないので、注意してください。
ちなみに「芒」という漢字は実は「禾」と書くこともできて、こちらはいわゆる部首の「のぎへん」を表す単語となります。
様々な草木を表す単語で使われる「のぎへん」なので、この「のぎへん」と同じような意味を持つ言葉と捉えると覚えやすいでしょう。
2022年の芒種はいつ?正しい読み方は?
「芒種」という単語はまず読み方がよくわからないという人も多いでしょう。
これは「ぼうしゅ」と読みます。
スマートフォンやパソコンで「ぼうしゅ」と入力するときちんと変換されますので試してみましょう。
また、この芒種は、2022年ならば国立天文台発表の歴要項を見ると6月6日から6月20日となっております。
この芒種は二十四節季において夏の節季に該当しており、その夏の節季とは立夏⇒小満⇒芒種⇒夏至⇒小暑⇒大暑となっているのです。
つまり、芒種は夏の節季の3番目であり夏至の一個前の節季となっております。
芒種という言葉に全く馴染みが無い人でも、夏至の前の節季という認識を持つことができれば、具体的にいつなのか簡単にイメージできるようになるでしょう。
芒種とはどんな季節なの?
日本における芒種とは「芒を持っている稲や麦などの植物の種まきに最適なシーズン」というイメージよりも、「夏場に向けて気温が上昇しつつ歩けど、梅雨に入る可能性があるのでじめじめしてきて嫌な時期」というイメージの方が圧倒的に強いでしょう。
二十四節季をより細かく3分割した七十二項には日本向けの改良した物があるので、そちらのほうが季節をイメージしやすくなるでしょう。
それぞれ初候・次候・末候に別れていますが、それぞれ初候「螳螂生」、次候「腐草為蛍」、末候「梅子黄」と表記されています。
もう少しわかりやすく記載すると、初候でカマキリが生まれ、次候で腐った草が蒸れ蛍になり、末候で梅の実が黄ばんで熟すとなるようです。
なかなか意味不明で、特に次候がよくわからないのでもっとわかりやすく解説します。
これは水辺の湿った草むらから蛍が出てくる様子を見て、腐った草が蒸れると蛍になると信じられていたことから、蛍が発生する瞬間をこのように表現していると考えられているのです。
これらの意味をわかりやすく繋ぐと、芒種とは「カマキリや蛍が誕生して梅が黄色くなるシーズン」と昔から考えられてきたことがわかります。
また、中国では芒種のタイミングで田植えをすることがしばしばあったようですが、日本では台風をよけるという名目で一ヶ月ほど早く田植えをすることが多くあまり参考になりません。
ただし、昔はこの芒種の考え方に則って行動していた節もあるので、その名残として豊作を祝うためのお祭りや田んぼの神様へのお祈りの儀式といった風習が地方ごとに残っているようです。
芒種に食べる食べ物は?
この時期に旬な食べ物を簡単に紹介すると野菜や海産物が非常に豊富なシーズンとなります。
野菜の場合はサヤエンドウやいんげんや枝豆や空豆といった豆類を始め、キュウリ・キクラゲ・オクラ・アスパラガス・アシタバ・しそ・ズッキーニ・トマト・パプリカ・ピーマン・レタスなどが該当します。
魚だと鮎を筆頭に、穴子やいわしやかつおやカジキマグロといったお魚やお寿司が大好きな人にとってたまらない物が旬になりますし、アオリイカやスルメイカといったイカ類やサザエやウニや車エビ等の海産物も旬なシーズンになりますので、海産物が大好きな人たちにとっては非常に元気になるシーズンでもあります。
果物ならばメロンを筆頭に、アンズやサクランボやパイナップルやびわが美味しい時期なので果物好きでも楽しめます。
特にサクランボ狩りができる場所が家のそばにある人は美味しいサクランボをしっかりと堪能することができるでしょう。
ただし、現代の梅雨入りがだいたい6月上旬となっており見事に芒種と被っているので動きにくい状態になってしまうのが非常にネックです。
車での移動と雨の日が重なると億劫になってしまいます。
数少ない晴れている時期を見計らって美味しい旬の物を食べに行くか、ドライバーさんには雨の中の運転をさせると言うことで非常に迷惑をかけてしまうでしょうが通販サイトを使って取り寄せるようにしましょう。
芒種の時期にある風習は?
芒種の時期にあるイベントとして最も有名なのは6月の第三日曜日にある父の日でしょう。
それ以外には埼玉県久喜市で行われる「あやめ・ラベンダーのブルーフェスティバル」がかなり有名です。
あとは芒種に入って直ぐのイベントで「YOSAKOIソーラン祭り」という札幌の大通公園を中心に行われる一大イベントもあります。
まさに芒種に移ったタイミングで行われるイベントと言えるでしょう。
芒種の季節の花は何?
芒種のタイミングで綺麗に咲く花は色々とありますが、その中でも有名なのが紫陽花でしょう。
それ以外に有名どころでは花菖蒲・百合・ラベンダー・睡蓮・バラ・ダリア・ポピー・マーガレット・ハイビスカス・桔梗あたりが該当します。
特に、季節を代表する花として紫陽花やバラあたりは高頻度で登場するので覚えておくと良いでしょう。
芒種以外の二十四節気はこちら!
今回は芒種について詳しく解説してきましたが、他にも23個の二十四節気が存在していることは知っていますか?
ここでは芒種以外の二十四節気についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
立春
雨水
啓蟄
春分
清明
穀雨
立夏
小満
夏至
小暑
大暑
立秋
処暑
白露
秋分
寒露
霜降
立冬
小雪
大雪
冬至
小寒
大寒
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は芒種についての知りたい情報を色々とまとめて参りました。
梅雨の時期なのでどうしても嫌なイメージがついてしまいがちですが、このタイミングでもいろんなイベントは行われていますし、旬な食べ物も大量にありますので、楽しむことは間違いなくできます。
雨が億劫で出かけにくいというのは非常にわかるのですが、気分転換のためにイベントや食べ歩きに赴くという気持ちも大切になるでしょう。
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