季節を表す単語に「白露」というものがありますが、具体的な意味や由来は何なのか、いつが該当するのかまでは詳しく知らないという人も多いでしょう。
今回は覚えやすくするためにその時期の食べ物や季節の花は何なのかを記載し、初歩的な読み方についても記載いたします。
言葉の意味や由来と季節感が合わなくてもその時の食べ物や花がわかれば結び付けやすくなるでしょう。
白露の意味や由来
国立国会図書館デジタルコレクションから閲覧することも可能になっている日本の暦の勉強に使える「暦便覧」は白露の意味についてこのように記載されています。
「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也」
これは要するに「草木に白い露がみられるようになった時期」ということで、暑さもおさまって気温が下がってきて、朝露が見られる様子を表しています。
日本ではこの時期に朝露がみられることは稀ですが、高原地帯といった朝と夜の温度差が激しい地域ではみられる光景なのであながち間違いではないでしょう。
二十四節気をより細かくした七十二候を日本風にアレンジしたものがあるのでそちらも確認しておきましょう。
この七十二候は初候・次候・末候の3つに分かれておりますが、それぞれ初候が「草露白(そうろ しろし)」、次候が「鶺鴒鳴(せきれい なく)」、末候が「玄鳥去(げんちょう さる)」となっております。
わかりやすくまとめると「草に降りた露が白く光り、鶺鴒が鳴き始めて、燕が南へ帰って行く季節」という表現です。
2024年の白露はいつ?正しい読み方は?
2024年における白露は国立天文台の発表によると9月7日から21日です。
基本的にこの白露は9月7日か8日スタートなのでとても覚えやすいでしょう。
読み方は「はくろ」ですので、併せて覚えておきましょう。
二十四節気は春夏秋冬という4つに分けられますが、そのうち秋に属する節気は立秋⇒処暑⇒白露⇒秋分⇒寒露⇒霜降、となっております。
白露の候とはどんな意味?いつからいつまで使えるの?
「白露の候」とはざっくりとした意味を記載すると「白露の季節でございます」といった丁寧な表現です。
使えるタイミングはもちろん二十四節気における「白露」の季節のみとなっていますので、時候の挨拶として二十四節気を使う場合は必ず今は二十四節気における何の節気に該当しているのかを調べてから使うようにしましょう。
特に、到着するまで多少のずれが発生する手紙といった郵送物に使う場合は到着したときに二十四節気が変わってしまう可能性がありますので、注意して用いてください。
白露に食べる食べ物は?
白露に食べる食べ物に決まりはありません。
旬な食べ物はいろいろとありますが、代表的なものはサンマ・カボチャ・梨・サツマイモでしょう。
特にサツマイモのシーズンに突入するので、おいしい焼き芋が他方で売られるようになるのがうれしい季節です。
果物でもイチジク・カボス・スダチ・ブドウ・マスカットあたりが旬になるので、ブドウが好きな人にはたまらないでしょう。
それ以外には椎茸・マイタケ・シメジ・松茸といったキノコ類が多数旬となる季節なので、秋の味覚をいろいろと堪能できる時期にもなっています。
白露の時期にある風習は?
白露の時期の風習はそこまで多くはありませんが、最も日本に馴染んでいるものだと十五夜が該当するでしょう。
もともとこの十五夜に月をめでるという文化は中国にもありましたし、日本でも平安時代から美しい月をめでるという文化が流行しておりました。
今ではその後にお供えをすることで豊作祈願や収穫への感謝を示すお祭りとして残っております。
五穀豊穣を感謝するという意味を込めたお月見団子をさりげなくこの時期になると食べているという人も多いでしょう。
あとは多少マイナーですが、9月9日に五節句のひとつである「重陽の節句」がありますので、こちらをイベントとして楽しんでいる人もいます。
日本では3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、そして7月7日の七夕の節句のイメージが圧倒的に強いのですが9月9日の重陽の節句はなじみが非常に薄いのです。
この節句は菊の節句と呼ばれており、菊のお酒や菊の花に綿をかぶせる被せ綿(きせわた)を飾って楽しむ風習があります。
他にも、菊を持ち寄って優劣を競う菊合わせや菊を詰めた枕で眠って邪気を払う菊枕、菊を浮かべたお風呂に入る菊湯というものもあります。
この9月9日に栗ご飯を食べる風習もあったので栗の節句という表現をする人もいます。
また、この時期になると重陽の節句ということで菊にちなんだ和菓子を売る老舗も増えてくるので、意識して和菓子を扱っているお店を見てみるといいでしょう。
白露の季節の花は何?
白露は9月の中旬に該当する二十四節気なので、その時期に咲く花がこの節気の花と言えるでしょう。
有名どころを具体的に記載すると、ヒガンバナ・コスモス・バラ・ハス・スイレン・ダリア・朝顔・ガーベラ・サルビア・百日紅・つゆ草あたりが白露の季節に咲く花となっています。
もちろん、その場所の気候と環境によって咲くタイミングは変わってきますが、どの場所でもここで記載した有名どころのお花のどれかは咲くでしょう。
ただし、9月は台風シーズンでもあるので花が一気に散ってしまう可能性もあります。
白露に関するよくある質問まとめ
「白露」とは、具体的にどのような時期を指すのですか?
「白露」は二十四節気の一つで、毎年9月7日から9月9日頃に訪れるとされています。
この時期は、朝夕に露が白く濃くなることからこの名がつけられました。
日中の暑さは和らぎ、朝夕は涼しさを増してきます。
白露の時期には、自然界でどのような変化が見られますか?
白露の頃には、夏の終わりと秋の始まりを感じる時期となります。
多くの地域で稲穂が実り、黄色く熟してきます。
また、植物の葉が少しずつ色づき始め、秋の到来を予感させる風景が広がります。
この時期に適した行事や活動はありますか?
白露の時期は、穏やかな気候となるため、アウトドア活動やハイキングに適しています。
また、新米の収穫が始まるため、収穫体験や新米を味わうことができる食事を楽しむのもおすすめです。
「白露」は、どのような風物詩や俳句の季語として使われますか?
「白露」の頃は、稲穂、早秋、草の実などが俳句の季語として詠まれます。
例えば、「白露や稲の実りの早さを」というように、この時期の自然や風景を表現するのに使われることが多いです。
白露の次の節気は何ですか?また、その特徴は?
白露の次に訪れる節気は「秋分」です。
秋分は、昼と夜の長さがほぼ等しい日を指します。
これ以降、日が短くなり、夜が長くなっていくことを示し、本格的な秋の深まりを感じることができる時期となります。
「白露」という名前の由来は何ですか?
「白露」の名前の由来は、この時期に地面や草木につく露が白く見えることからきています。
夜間の気温が下がり、朝方にはしっかりとした露が形成されることが多くなり、それが「白露」という名前の背景となっています。
白露の頃に食べたい旬の食材は何がありますか?
白露の時期は、サンマや栗、シイタケなどが旬を迎えます。
特にサンマは秋の代表的な味覚として多くの人々に親しまれており、焼き魚や寿司のネタとして楽しまれます。
また、栗は甘いデザートや和菓子の材料としても使用されます。
白露に関連した伝統的な行事や風習は存在しますか?
白露に特定の行事や風習があるわけではありませんが、収穫の時期と重なるため、地域によっては収穫祭や感謝の儀式が行われることがあります。
自然の恵みに感謝する心が育まれる時期とも言えるでしょう。
白露の時期に気をつけたい健康管理のポイントは何ですか?
白露の時期は日中と夜の気温差が大きくなるため、体調を崩しやすい時期とも言えます。
特に朝晩の冷え対策は重要で、暖かい服装や食事を心がけることがおすすめです。
また、乾燥しやすくなるため、水分補給や保湿ケアも欠かせません。
白露の頃の風景や自然を感じることができるスポットはどこになりますか?
白露の頃の風景は、稲穂が実る田んぼや、少しずつ色づき始める山々が特徴的です。
日本国内では、北海道の大雪山や、関東の筑波山、九州の阿蘇山など、自然豊かな地域で秋の始まりを感じることができるでしょう。
白露以外の二十四節気一覧を紹介!
今回は白露の意味や由来、旬の食べ物などについて詳しく紹介しましたが、白露以外にも残り23個の二十四節気があることはご存知でしょうか?
この記事を読んだきっかけに、白露以外の二十四節気についても理解を深めてみませんか?
ぜひ参考にしてみてください。
立春
雨水
啓蟄
春分
清明
穀雨
立夏
小満
芒種
夏至
小暑
大暑
立秋
処暑
秋分
寒露
霜降
立冬
小雪
大雪
冬至
小寒
大寒
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は白露について詳しく記載しました。
9月の中旬に該当する白露は秋の味覚を楽しめる時期ですが、台風シーズンと見事にかぶってしまう時期でもありますので、お出かけするタイミングと台風の襲来が一致しないことを祈る時期ともなっております。
中秋の名月や重陽の節句といったちょっとしたイベントもありますので、何気に飽きない時期なのです。
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