二十四節気における「寒露」は日本ではちょっとなじみが薄く、手紙やメールの挨拶で「寒露の候」と言われても良くわからないという人も多いでしょう。
そこで、今回はこの寒露の読み方や意味や由来、2023年の寒露の時期はいつのことなのか、その時期の旬な食べ物は何なのかもお伝えいたします。
この時期に咲く花や風習やイベントといった情報も交えますので、結び付けながら覚えたらわかりやすくなるでしょう。
寒露の意味や由来は?
二十四節気の「寒露」は1787年に江戸で出版された暦の解説書である暦便覧には「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也」という表現をされています。
これは簡単に表現すると「霧や露が冷気によって凍ってしまいそうな時期」で、寒さを実感できる時期という表現もできるでしょう。
「寒露」の漢字の意味は「草木に降りた露が寒さで凍ってしまう」というもので、由来も意味も文字そのままとなりそうです。
昔の人たちの「草木に降りた露が寒さで凍ってしまう」という表現がいまいちピンとこないという方は、今の寒露の時期のほうが多少温かく過ごしやすい状況になっているのが原因かもしれません。
2023年の寒露はいつ?正しい読み方は?
2023年における寒露は国立天文台の発表によると10月8日から23日までです。
基本的に寒露は10月8日か9日のどちらかからのスタートとなります。
「寒露」の読み方は「かんろ」です。
この寒露は二十四節気における太陽黄経が195度から210度までの節気に該当し、日本でも一気に寒くなってくる季節でもあります。
二十四節気における秋を表す節気は「立秋⇒処暑⇒白露⇒秋分⇒寒露⇒霜降」の6つですので、秋分の次の節気が寒露だと覚えればわかりやすいでしょう。
秋分の日からだいたい15日経過したら寒露になると考えれば非常にわかりやすくなります。
寒露の時期の季節感は?
気温が日本全国で下がり始めているタイミングであり、本格的な秋が来るタイミングでもあります。
各地で紅葉がみられたりと見た目的には美しくなる季節ですが、学生ならば学芸会があったり運動会があったりと忙しい時期ですが、社会人だと作物の収穫も迎えたりと忙しい時期でもあります。
ちなみに、運動会は春か秋のどちらかで開催されているのですがほぼ二分しておりますので、地域や学校によって異なると考えたほうがいいでしょう。
昔は秋の運動会がほとんどだったので、今の40代以降の親世代に聞いてみると高確率で「運動会は秋だった」という回答が返ってくるでしょう。
ちなみに、寒い地域ほど秋にやる運動会は危険ということで春に実行することが多く、東北地方や北海道地方の多くは春に運動会を行います。
甲信越や東海近畿地方、そして沖縄では秋に運動会を行うことが多いので住んでいる地域でも異なった答えが返ってくるようです。
昔の運動会は地域ぐるみの一大イベントだったので、繁忙期は外して秋に運動会が行われていたのですが、今では運動会が一大イベントというカテゴリーから降ろされているので子供優先の日程に変わっているようです。
特に、他人とのかかわりが非常に薄い都市部では運動会に地域の人たちが参加するケースが激減しているので、学校側の日程と子供たちの健康を考えた日程を最優先にしたものが組まれるようになりつつあります。
寒露に食べる食べ物は?
寒露に決まった何かを食べるという風習はほとんど残っておりませんが、しいて言うならば、十三夜(栗名月)にあやかった栗商品が食べられています。
甘栗ギフトなどがこの時期はちょっとした売れ筋商品となるのです。
それ以外にこの時期が旬となる食べ物はマイタケ・松茸・マッシュルーム・シイタケ・シメジ・エリンギ・エノキといったキノコ類や、ジャガイモやサツマイモといった芋類も該当しますので、これらが好きな人にはうれしいシーズンでしょう。
果物ならば柿・リンゴ・ゆず・スダチ・栗・カボスあたりが旬となります。
魚ならいわし・ウナギ・鰆・ハタハタ・ボラ・ニシン・サンマ・サバ・サケ・鰹あたりが旬なので海産物好きにも楽しめるシーズンと言えるでしょう。
寒露の時期にある風習は?
寒露の時期にある風習は、先ほども記載した十三夜でしょう。
それ以外にも体育の日前後で行われる運動会もイベントとして残っていますし、伊勢神宮で「神嘗祭(かんなめさい)」というかなり大規模なお祭りがありますので、そこそこにぎやかな節気なのです。
この神嘗祭は収穫された新穀を日本の神様の1柱である天照大御神に捧げることで、収穫を感謝するというお祭りで、1908年9月19日に制定された「皇室祭祀令」では大祭に認定されていましたし、1947年までは特別な祭りを行う日として祝祭日の一つでした。
「皇室祭祀令」そのものは戦後に廃止されましたが宮中および神宮では従来通りの神嘗祭が行われており、非常に格式高い祭事となっております。
この神嘗祭は日本全国で行われるお祭りなので興味がある方は下記をご覧ください。
寒露の季節の花は何?
寒露の季節の花は10月中旬の時期に咲いている花となりますので、代表的なものはシクラメン・ヒイラギ・牡丹・サフラン・コスモス・ダリア・フジバカマあたりが該当するでしょう。
花というわけではありませんが、秋のこの季節は紅葉が美しく見える季節ですので、風景を楽しむにはうってつけの季節となります。
寒露以外の二十四節気はこちら!
今回は寒露の意味や由来について詳しく解説してきました。
しかし、寒露以外の二十四節気はあと23個もあることはご存知でしょうか?
それぞれの二十四節気について調べることで日々の生活に役立てることができます。
ここでは寒露以外の二十四節気について学んでみましょう。
立春
雨水
啓蟄
春分
清明
穀雨
立夏
小満
芒種
夏至
小暑
大暑
立秋
処暑
白露
秋分
霜降
立冬
小雪
大雪
冬至
小寒
大寒
寒露に関するよくある質問まとめ
「寒露」とは具体的にどのような意味を持つのですか?
「寒露」とは、直訳すると「冷たい露」を意味します。
これは、この時期になると夜間や早朝に地面や草木につく露が冷たくなることを示しています。
また、これが名前の由来となり、秋の深まりと共に、日中と夜間の気温差が大きくなることを示唆しています。
「寒露」は毎年同じ日に訪れるのですか?
「寒露」は太陽の黄経が195度になる日に訪れるため、毎年同じ日には訪れませんが、大体10月8日頃から10月15日頃の間になります。
具体的な日付は毎年の天文データを元に決まります。
「寒露」の時期の特徴や行事はありますか?
「寒露」の時期は、秋の深まりを感じる時期となり、稲の収穫が行われる地域も増えます。
また、紅葉が進行し、多くの地域で紅葉狩りが楽しまれるようになります。
日本の伝統的な行事で直接「寒露」に関連するものは少ないですが、この時期には新米のおいしさを楽しむ風習があります。
「寒露」の後に訪れる二十四節気は何ですか?
「寒露」の後に訪れる二十四節気は「霜降」です。
「霜降」は、その名の通り、霜が降り始めることが多い時期を指し、さらに寒さが増してくることを示しています。
「寒露」は他の国や文化でも意識されていますか?
二十四節気は、もともと中国の農業カレンダーに起源を持つため、中国やその周辺の国々、特に東アジア圏でも「寒露」は意識されています。
しかし、具体的な行事や風習は各地で異なるため、日本と同じように捉えられるわけではありません。
「寒露」の時期に適した服装はありますか?
「寒露」の時期は日中と夜の気温差が大きくなることが特徴的です。
そのため、レイヤードスタイルやカーディガン、薄手のアウターを持参することで、寒暖の変化に柔軟に対応できる服装がおすすめです。
寒露の期間中、体調管理に気をつけるポイントはありますか?
「寒露」の頃には乾燥が進行し始め、風邪を引きやすい時期ともなります。
こまめな水分補給や、手洗い・うがいの徹底、そして保湿ケアをすることで、体調を整えるのが良いでしょう。
日本の「寒露」は、海外のどの季節と似ていますか?
「寒露」は秋の中盤を示す二十四節気で、多くの北半球の国々の秋と似た気候を持っています。
例えば、アメリカやヨーロッパの秋の初めから中盤にかけての気候と似ています。
「寒露」に特有の食材や旬のものはありますか?
「寒露」の時期は、栗や柿、新米などが旬を迎えます。
また、魚介ではサンマやイワシが美味しい時期となり、これらの食材を使った料理を楽しむことができます。
「寒露」の名称の由来や歴史的背景を教えてください。
「寒露」は、二十四節気の一つとして古くからの農業カレンダーに含まれています。
名称の「寒露」は、この時期になると、夜間や早朝の露が冷たくなることから名付けられました。
この二十四節気は、もともと中国で生まれ、農作物の生育や季節の変化を示す目安として利用されてきました。
後に日本へも伝わり、日本独自の風習や生活に結びついていきました。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は寒露についての情報を詳しくまとめました。
寒露の時期は肌寒さを感じる時期であり、衣替えが終わったばかりの節気でもありますので、お洋服選びにも困ってくる段階でしょう。
北陸や北海道という地方は本格的な雪に備えて冬用のグッズをそろえ始める時期でもありますので、何かと忙しい期間でもあります。
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