昨今ではあまり重用されなくなった六曜ですが、それでも冠婚葬祭では意識されることが多く、冠婚葬祭が近づくと六曜がどのような意味や由来を持っているのかが気になってきます。
そこで、今回は六曜の意味や由来、読み方や順番の法則について詳しく解説して参ります。
一つ一つの意味や由来もわかりやすく解説いたしますので、そちらもご確認ください。
六曜の意味や由来は?
六曜の意味を簡単に記載すると「有名な暦注の一つで縁起の良い日や縁起の悪い日、及び縁起の良い日や縁起の悪い時間を指し示すもの」となるでしょう。
それぞれ行うと吉とされることや避けるべき時間帯を指し示しているので、吉凶を大切にしている人にとっては気になる情報の一つになるのです。
由来は諸説ありますが、辞書などで調べてみると「古代中国において時刻の吉凶占いに用いられ、日本に伝わり変化したもの」といったニュアンスで出てくるでしょう。
ここで出てくる古代中国とは何をさすのか、いくつか指摘されていますが一応有力と言われているのが六壬時課または小六壬と呼ばれる時刻の吉凶占いです。
ただし、この時刻占いは三国志にも登場する諸葛孔明が発祥とか、唐代の李淳風が作成したという説もあるのでまだまだわからないところだらけなのです。
考え方の元となっているのが陰陽五行説なので後に日本に入って日本の陰陽道とミックスされても違和感がなかったのでしょう。
室町時代や鎌倉時代にこの時刻占いが伝わり日本で独自進化していた陰陽道とミックスされ、当時の風習や語呂合わせとミックスされてできたのが今の六曜です。
漢字に仏滅とか葬式にはNGとされている友引などが使われていることから、仏教が発祥と思われることが多いのですが、仏教とは全く何の関係もありません。
むしろ日本で非常に広まっている浄土真宗の宗祖親鸞が「日の吉凶を選ぶことはよくない」と説いているので、仏教徒からは関係ないものとして距離を置かれている可能性すらあります。
それゆえに、仏教式のお葬式と六曜を絡めることが間違っているという指摘も多数あり、議論されることもたびたびあります。
ちなみに暦に記載されるその日の運勢などを表す六曜は暦注の一つなのですが、江戸時代には六曜以外に干支・九星・八宿・十二直などの様々な暦注が使われるようになり、とっても混沌とした状態になったようです。
これらの混沌とした様子があまりにもひどかったので江戸時代には度々禁止令が出されました。
明治に入り新しい政治が始まって太陰暦を太陽暦に変えるタイミングでもこの六曜は禁止令が出されていたので、幕府や政府からは嫌われる要素の一つだったとも言えるでしょう。
六曜の正しい読み方
六曜の読み方は一部ちょっと難しいので覚えておきましょう。
まず、六曜は「ろくよう」と呼ぶことが多いのですが「りくよう」とも読むことができます。
後者は変換できないことが多いので、基本的には前者の「ろくよう」です。
大安は「たいあん」と呼ぶのが基本ですが「だいあん」と呼ぶこともあります。
一般的には前者です。
友引は「ともびき」が基本ですが、昔は「ゆういん」と呼んでいたという情報もあったので、そちらも使える可能性があります。
先勝は「せんしょう」か「さきがち」の二択ですが、漢字変換では前者が登録されているけど後者は登録されていないケースが多いので前者を使った方が良いでしょう。
先負は「せんぶ」と読むのが一般的ですが「さきまけ」や「せんまけ」と読むこともあります。
赤口は「しゃっこう」か「しゃっく」が一般的ですが、「じゃっこう」と読む人もいます。
仏滅は「ぶつめつ」と読みます。
この中で読み間違えが発生しやすいのやはり赤口でしょう。
あまり有名ではないという部分も相まって読み間違いが発生しやすい六曜の一つです。
六曜の順番の法則は?
六曜の順番は「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」となっているので、これを簡易的にも覚えていると六曜の吉凶を先んじて知ることも可能となってくるでしょう。
ただし、六曜は旧暦の各月1日に担当が決められているので旧暦の1日がくるとずれてしまいます。
具体的に記載すると、先勝は旧暦の1月1日と7月1日、友引は旧暦の2月1日と8月1日、先負は旧暦の3月1日と9月1日、仏滅は旧暦の4月1日と10月1日、大安は旧暦の5月1日と11月1日、赤口は旧暦の6月1日と12月1日が該当しているのです。
旧暦と新暦にはだいたい1カ月から2カ月程度のずれが発生しているので、注意しましょう。
旧暦は太陰暦なので、新月になるタイミングが月の切り替わるタイミングとなっています。
それぞれの六曜の意味や由来
それでは六曜のそれぞれの意味や由来を一つずつ解説していきましょう。
ここではどのような意味があるのか、吉凶はどうなっているのか、由来はどうなっているのかを学んでいってもらいたいです。
まず、前提条件として知ってもらいたいのが六曜で吉とされている順番は大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅という順番だということです。
大安が最も吉であり仏滅は最も凶とされています。
また、大安は1日吉ですが仏滅は1日凶というのも覚えておきましょう。
それ以外の4日は時間帯により吉凶が変わります。
ちなみに、六曜における時間の吉凶は大きく分けて2つあるのでそちらも注意してください。
それは「吉の時間帯にスタートした物事は、終わるまでずっと吉」という考え方や「吉凶の時間帯はその時間に活動しているかどうかとなるので、吉の時間帯に行動している間は吉となり凶の時間帯に活動していたらその間は凶となる」という考え方です。
これはどちらかの考え方が100%正しいというものはありませんので、自分にとって都合の良い解釈はどちらなのかで考えてください。
大安
「大いに安し」と書いて大安となりますが、意味は「万事に良し」とか「1日中吉」となってきます。
何事にも良いとされている日がこの大安なので、結婚式にも人気のある日となっています。
基本的に六曜において吉とされているものは慶事との相性が抜群であり、この大安も慶事との相性が最良とされている日となっています。
由来は六曜なので古代中国から伝わって日本の陰陽道や風習とミックスして誕生したと共通していますが、昔と今では使われている漢字が異なっていたり読み方が違うケースもあるのです。
大安は「泰安」が元になっています。
とりあえず、縁起や風習を大切にしたいという人はこの大安を選ぶというスタイルの人も非常に多いので、あえて選択する人と会えて選ばない人と量極端な日とも言えます。
納車や結婚式会場や引っ越しに大安を利用すると予約で一杯だったり料金が上がっている可能性もありますので、六曜を全く信じていないという人は避けた方が良い日とも言えるでしょう。
結婚式会場や引っ越しというのは混んでいる時期胃は料金がかなり高めに設定されていますが、空いている時は逆にかなり料金控えめとなっているので、さけることも重要になってくるのです。
六曜を迷信として放置している人でも、このように役立つ知識となりますので知ることは無駄ではないのです。
友引
友引は大安に続く2番目についている日です。
ただし、11時から13時までは凶と言われているので注意してください。
意味は「何事も決着がつかない日」とか「朝と夕は吉だが昼頃は凶で葬儀には適さない日」と出てくるでしょう。
それ以外にも「慶事には吉をお裾分けして凶事には凶をお裾分けしてしまう日」という意味もありますので、慶事との相性が抜群に良くて凶事との相性が抜群に悪い日となっています。
特にお葬式は「友を冥府に引っ張られてしまう日」となってしまうので、六曜が広まっている界隈では絶対にNGとなっているのです。
六曜は一昔前に浸透しきっているので「友引にお葬式をするのは絶対にNG」という風習が残っているところが多数あります。
葬儀屋や火葬場もこの昔の風習のせいで、友引の日はお休みとしているところも多いのです。
ただし、昨今では火葬場不足や六曜を信じていない人の増加によって友引にも関係なく葬式をするところも増えています。
それでも火葬場や葬儀屋がストップしているところはまだまだありますので、葬式をするときは注意してください。
その時は友引人形のような友の代わりに冥府に引っ張ってもらうものを用意する必要も出てきますので、そちらも調べておくと良いでしょう。
このお人形は地域ごとの違いが出るとも言われていますので、興味がある方は比較してみると面白い題材となります。
元々は「共引」という漢字が当てはめられていた日で「何事も勝負がつかない日」という意味があったのですが、陰陽道における「友引日」
と同じと考えられるようになりこちらの「友引」が使われるようになりました。
また、語呂合わせとなってしまいますが「友引」は「友を轢く」に繋がってしまうので慶事である納車とも相性が悪いという説もあります。
お昼の時間帯だけ凶となりますので、1日がかりのイベントとは相性が悪いかもしれません。
ただし、吉の時間帯からスタートしているのならば問題ないとい考え方もありますので、そちらの意識が強い方ならば問題なく活用できるでしょう。
先勝
先勝は「先んずれば即ち勝つ」という意味があり、急ぎ事や勝負事との相性が良い日とされています。
それ以外にも「午前中は吉で午後から凶となる日」という意味もありますので、午前中から活動する人にとっては使いやすい六曜と言えるでしょう。
また、一説には午後ではなく14時から18時までが凶というのもあります。
かつては「速喜」や「即吉」とも呼ばれていた日であり、昔から急げば吉となる日という認識だったようです。
友引や大安が結婚式においてとっても人気のある日なので予約が取れないことが多々あり、それ以外の吉日としてこの先勝を利用しているという人も多いのでしょう。
六曜の中では大安や友引に次いで吉とされている日なので、大安と友引が活用できない場合はこの先勝を使うのが基本となりつつあります。
ただし、午前中だけ吉となる日なので、何かイベントを開催するという人は午前中スタートになるよう調整した方が良いでしょう。
先負
先負は先ほど解説した先勝とは正反対な六曜で、午前中が今日で午後が吉とされています。
また、急ぐ事柄とは相性が悪く「先んずれば即ち負ける」という意味すらあります。
急ぎ事との相性が悪く平穏に過ごすのが良いとされている日なので、結婚式などのイベントなども起こさない方が良いと考える人もいるのでイベントで用いるならあまり有効活用できない日でもあるでしょう。
単純な吉凶ならば午後から吉となりますので、午後からスタートできるイベントならば相性が良いということになります。
古くは「小吉」や「周吉」と呼ばれていた日ですが、変化していまの形になっています。
意味を調べてみるとイベントとの相性が全般的に悪くなってしまう六曜ですが、仏滅や赤口と比べるとかなりマシな部類に入りますので、消去法で選んだ人もいるでしょう。
赤口
赤口はお祝い事との相性が悪い日とされており赤から「血液」や「炎」を連想させてしまうので、それらがNGに繋がる物との相性も最悪です。
意味を調べてみると「正午のみが吉でそれ以外が凶となる日」とか「牛の刻のみが吉となる日」と出てきます。
もともとこの赤口は陰陽道における羅刹神の赤舌神が支配する日と言われておりこの神様は錯乱させる神とか極悪な神とされ凶日と考えられているのです。
一応11時から13時は吉とされていますが、吉とされている時間帯が短すぎるので活用するのは難しいでしょう。
また、炎を連想させるということで引っ越しや転居との相性も最悪で、新築の際の地鎮祭や上棟式に赤口を選ぶとかなり毛嫌いされます。
おそらく日にちを変えるように指摘されてしまうでしょう。
そして車を運転すると血を見るとも考えられているので、納車日としても不適切という意見が多数あります。
このように色んなイベントや行事との相性が最悪となる日ですので、有効活用するのは難しいでしょう。
しいて言えば、凶事であるお葬式との関係性は悪くないとのことなので、安心してお葬式やお通夜をすることが可能となっています。
仏滅
基本的に1日凶日とされるのがこの仏滅で、「万事に凶で慶事との相性は最悪の日」という意味があります。
由来は諸説ありますが、この仏滅はもともと「空亡」や「虚亡」という表記であり「あらゆるものが滅びる日」とされていました。
そのため仏滅になる前は「物滅」という表記で「仏様も滅んでしまう凶日」という意味ではなく「あらゆる物が滅びる凶日」として用いられてきました。
ちなみに、人によっては「あらゆる物が滅びるということはリセットされる日ということで、新たなスタート地点としては最適な日」という解釈もされているようで、結婚式や引っ越しとは相性が良い日としているケースもあるようです。
ただし、一般的には結婚式も引っ越しも慶事であり慶事との相性が最悪なのが仏滅なのでそれらの慶事を行うときには気をつけましょう。
六曜を気にする人がいる時にこの仏滅と慶事をセットにしてしまうと確実にお小言をもらってしまいます。
逆に六曜を気にすることがほとんどないという方は、あえて利用すると予約も取りやすいですし料金も比較的な空く利用できることが多々あります。
六曜に関するよくある質問
六曜を参考にすることが一般的な行事は何ですか?
六曜は結婚式、葬儀、引っ越し、開業などの重要な行事の日取りを決める際に参考にされることが多いです。
特に大安は結婚式や新しい事業の開始に選ばれ、仏滅は避けられる傾向があります。
また、友引は葬儀を避ける日とされ、先勝や先負は行動する時間帯に注意が必要です。
これらの行事において六曜を考慮することで、吉日を選び、幸運を呼び込むとされています。
現代における六曜の役割は何ですか?
現代においても六曜は、多くの人々にとって重要な指標として利用されています。
結婚式の日取りを決める際、カレンダーや手帳に六曜が記載されていることが多く、日常生活で意識する人も少なくありません。
また、葬儀や引っ越しなどの重要な行事の際に参考にされることが一般的です。
六曜は古代の占いに由来するものでありながら、現代でも伝統や文化の一部として根強く残っています。
六曜は毎年同じ日付に当たりますか?
六曜は毎年同じ日付に当たるわけではありません。
六曜は旧暦に基づいており、現在使われている新暦(グレゴリオ暦)とはズレが生じます。
そのため、六曜の日付は毎年変動します。
カレンダーや手帳で確認するか、六曜カレンダーを参照することで、特定の年の日付に対する六曜を確認することができます。
六曜はどのように日常生活で使われていますか?
六曜は日常生活において、特に重要なイベントや行事の日取りを決める際に参考にされています。
結婚式、葬儀、引っ越し、開業などが代表的な例です。
また、商談や旅行の出発日、契約の締結日などにも六曜を考慮する人がいます。
カレンダーや手帳に記載されている六曜を見て、吉凶を判断することで安心感を得ることができます。
六曜を信じるべきかどうか迷っていますが、どうすればいいですか?
六曜を信じるかどうかは個人の価値観によります。
六曜は古代の占いに基づいており、科学的な根拠はありませんが、伝統や文化の一部として尊重されています。
重要なイベントの日取りを決める際に六曜を参考にすることで、心の安心を得ることができるかもしれません。
自分自身や家族の意向を考慮して判断するのが良いでしょう。
六曜以外に日取りを決める際に参考にするものはありますか?
六曜以外にも、日取りを決める際に参考にされる暦法や占いがあります。
例えば、干支、九星気学、二十四節気などが挙げられます。
これらは、日々の生活や重要なイベントの吉凶を判断するために使われています。
また、神社や占い師のアドバイスを参考にする人もいます。
複数の暦法や占いを組み合わせて、より良い日取りを選ぶこともできます。
六曜のまとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は六曜について詳しく解説しました。
六曜は迷信であると断言している人も多く、今では信じていない人も本当に多いのですが、冠婚葬祭などの人が集まる場所では信じている人もいるかもしれないと考えて行動しないといけないので、「信じていないけど情報としては知っている」という人も増えています。
また、六曜によって冠婚葬祭や納車やお引っ越しといったイベントの混み具合や利用者数が変わってくるので、あえて空いている日を選んで行動しやすくすることも重要でしょう。
今でも決して無駄にはならない知識になっていますので、迷信として信じていないという人でも知識として用いて有効活用してください。
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