寒の入りにまつわることとは?おすすめの過ごし方は?
「寒の入り」という言葉がありますが、その意味や由来をご存知ですか?
今回は知っているようで意外と知らない寒の入りについてご紹介します。
日本ならではの表現で季節の変わり目を表している寒の入り。
季節を感じることができる様々な行事や習わしがあるのでぜひチェックしてみてください。
改めて季節を大切にする日本の良さを感じることができますよ。
寒の入りの意味や由来
よく天気予報で「明日は寒の入りです」のように言われることがありますが、なんとなくそろそろ本格的に寒くなるんだなあと思っていませんか?
実はこの寒の入り、気温には全く関係のない言葉なんです。
寒くなるから寒の入り、というわけではありません。
ではいったい寒の入りの意味や由来はなんなのでしょうか。
寒の入りは日本が太陰暦を使っていた時代に季節を生み出すために考えられた「二十四節気」というものから由来しています。
1年を24個に分け、「小寒」の始めから「大寒」の終わりまでの約30日間を「寒」といいます。
この寒の始めの日、つまり小寒の始めの日を寒の入りと呼ぶのです。
寒の入りは年によって日が変わります。
2018年は1月5日、2019年は1月6日、2020年も1月6日となっています。
寒の入りに行う行事
寒の入りの時期に行われる行事が各地にあります。
代表的なものとしては「寒稽古」や「寒中水泳」です。
よくニュースで寒そうな中で上半身裸で稽古をしたり、子供や男性が水に入って悲鳴を上げている場面が放送されますよね。
最も寒い時期にあえて寒稽古や寒中水泳を行うことで、己の精神を鍛錬するという意味が持たれています。
また、寒の入りではありませんが、寒の時期には年神様をお見送りする「どんど焼き」や、正月も働いた人が休みを取れる「藪入り」さらに正月も頑張った女性が休む「小正月」などがあります。
さらに成人式も寒の時期に行われますね。
その他にもそれぞれの地方独自の行事が残っていることがあり、多くが自らを鍛えるために行われるものが多いのが特徴です。
寒の入りにまつわることとは?
また、寒の入りにまつわることとして「寒中見舞い」があります。
寒中見舞いは基本的に「松の内」が終了してから送ります。
松の内とは正月を意味し、関東と関西で日が異なります。
関東では1月7日、関西では1月15日までを松の内とします。
これは寒の入りのように毎年日が変わるものではなく、日は固定です。
そして、基本的に寒の入り周辺の日であるため、寒の入りにまつわることとして寒中見舞いを出すということが行われています。
寒中見舞いは松の内が終了してから寒の間に送ります。
立春を過ぎてしまうと「余寒見舞い」を出すのがマナーです。
また、寒中見舞いを出すだけでなく、季節の挨拶にも「寒の入りを迎え、ますます寒くなりますが~」などと使えるのも寒の入りにまつわることですね。
寒の入りの過ごし方
寒の入りの時期には寒さが本格化します。
そのため、家で暖かくのんびり過ごすのがオススメです。
また、大晦日から年越しまで何かと忙しく過ごした体を労わるのもこの時期のオススメの過ごし方です。
疲れた体を癒し、一年間の無病息災を祈る意味で「七草がゆ」を食べるのもこの時期ならではです。
七草がゆは1月7日に食べます。
優しい味付けの七草がゆは、豪華なおせち料理やお餅などを食べていて疲れた胃腸を休めることができます。
春の七草は芹(せり)薺(なずな)御形(ごぎょう)縷(はこべら)仏の座(ほとけのざ)鈴菜(すずな)清白(すずしろ)の7つです。
今はスーパーなどでも七草がゆのセットが売っているので簡単に七草がゆを味わえるのも魅力ですよね。
また、地域によっては1月15日の小正月に「あずき粥」を食べる風習もあります。
あずき粥は1年の邪気を払い、万病を防ぐと言われています。
温かな部屋の中で1年の平穏を祈り、日本ならではの優しい味付けの食事をいただくのも寒の入りの時期の素敵な過ごし方になります。
大寒と小寒の違いは?
寒の入りは小寒の始めの日を指し、寒は小寒から大寒の日までとお伝えしましたが、そもそも小寒と大寒とはどんな違いがあるのでしょうか。
二十四節気では小寒、大寒、立春の流れで季節を表します。
小寒は最も寒さが厳しくなる頃を表し、大寒は最も寒さが厳しい頃を表します。
小寒は基本的に1月6日周辺なのでもっと前の12月ごろから冬は本格化していますが、小寒の頃に本格的な冬の寒さを感じ出し、大寒の頃が最も寒いということになります。
そして大寒を過ぎ、立春になると「寒の明け」になり、春の訪れを意味します。
小寒の時期には七草がゆを食べて過ごすことが多いですが、大寒にも「大寒卵」という縁起の良い食べ物があります。
大寒の日に生まれた卵を食べると子供は体が強くなり、大人は金運が上がるとされています。
昔はニワトリが冬に卵を産むのは貴重なこととされており、その寒さに耐えて生まれた卵は縁起物として扱われていました。
1年中毎日卵が食べられる現在でもその風習が残っており、縁起物とされています。
まとめ
寒の入りについてご紹介しましたがいかがでしたか?
四季がある日本だからこそ感じることができる寒の入り。
古くから伝えられてきた風習を楽しみながら、厳しい冬を乗り切っていきたいですね。
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