「松の内」という言葉をご存知ですか?
松の内は私たち日本人にとってとても大切な意味や由来がある言葉です。
ですがあまり知られていない言葉であるのも事実です。
今回はそんな松の内についてご紹介します。
幸せで厳かな正月を迎えるために知っておくべき松の内。
ぜひ覚えておくべき言葉、風習としてチェックしてみてください。
松の内の意味や由来は?
松の内とは門松が飾られている期間を意味します。
門松が飾られている期間、つまりは正月のことを指します。
松の内の期間の中に、正月や三が日が含まれていることになります。
昔の日本人にとって松はとても神聖な物でした。
常に緑であり、厳しい環境でも育つ松はとても強い生命力を持っています。
また、松は神を祀るものとされ、しめ縄や鏡餅などと共に正月飾りなどに使われてきました。
門松などの松飾りは正月にやってくる年神様への目印となり、また降りてきてくださった年神様の依り代となるものとされています。
その門松が飾られている期間が正月といわれていたのです。
現在では正月や三が日という言葉は残っていますが、松の内とはあまり言われなくなってきました。
とてもきれいな言葉なのに、なんだか残念ですね。
松の内にしてはいけないこと
松の内の期間にすべきことがありますが、反対にすべきでないこともあります。
まず、正月飾りを片付けることです。
正月飾りは松の内が終了してから片付けるのがふさわしいです。
さらに寒中見舞いを出すことも松の内の期間にはよくありません。
必ずしも出してはいけないわけではありませんが、出さないほうがマナーが良いことになります。
寒中見舞いは松の内が終わってから2月頭にある立春の期間までに出すのがふさわしい期間です。
ちなみに立春を過ぎると余寒見舞いになります。
さらに喪中の場合、松の内の期間であっても新年の挨拶やおせち料理は食べるべきでないと言われています。
これは松の内の期間というよりも喪中で心が晴れない中、お祝い事をすべきでないという考え方からきています。
松の内の時期はいつからいつまで?
松の内の期間は12月13日からスタートします。
12月13日は大掃除の由来である「すす払い」の日に当たります。
これは正月の年神様を迎える準備として家を掃除することを意味しました。
そして、正月の準備の開始だったため、松の内の最初の日とされました。
松の内になると正月飾りを飾ってよい期間になりますが、現在の日本では多くの家庭でクリスマスを祝うので、クリスマスが終了してから正月飾りを飾る家庭が多くなっています。
そして松の内の最後の日は1月7日か1月15日です。
松の内の最後の日が2日間あるのは地域差があることを意味します。
関東と関西で異なるとされており、関東は1月7日、関西は1月15日までを松の内とする場合が多くなっています。
その他、1月3日までを松の内とする地域もあるのでご自身の地域がいつまで松の内とするかを調べておくと安心です。
調べ方がわからない場合は、昔からこの地域に住まわれている方に確認したり、正月に近所の家の様子を確認するなどしてみるのがおすすめです。
関東と関西で時期が違う理由
では松の内の期間としてなぜ関東と関西で違いがあるのかをご説明します。
松の内が終わると鏡開きが待っています。
正月飾りである鏡餅を下げて食する日本の行事ですが、松の内の期間を説明するのにはこの鏡開きがとても重要です。
そして大きく関わってくるのが徳川家光です。
かつては関東でも関西でも松の内は1月15日、鏡開きは1月20日とされていました。
しかし、徳川家光が4月20日に亡くなってしまいます。
そのため、20日に鏡開きをするのが好ましくないとされ、鏡開きの日を1月11日に変更することにしました。
そして1月11日に鏡開きをするのに1月15日まで正月飾りが飾られているのはおかしいとされ、松の内も1月7日にずれていきます。
このことは関東に広く広まっていきますが、関西にはうまく伝わらなかったため、昔からの風習である松の内は1月15日、鏡開きは1月20日という時期が残っているのです。
松の内や鏡開きの時期まで変えてしまうなんて、徳川家光の与える影響というのはすごかったんですね。
松の内の期間にすること
松の内の期間にするべき大きなことは正月飾りを飾ることです。
とはいえ、松の内であればいつでも正月飾りを飾っていいわけではありません。
二重苦を表す29日、大晦日である31日は正月飾りを飾るにふさわしくありません。
大晦日は新年まで1日しかないため、1日しか飾らない飾りで年神様を迎えるのは不適切であるという「一夜飾り」になってしまいます。
さらに旧正月の大晦日である30日も避けるべき日です。
また、松の内の初日である12月13日はすす払いの日なので、大掃除もすべきことの中に入ります。
今では12月13日に大掃除をする人は少ないですが、年末にばたつかないためにも13日頃から始めると安心ですね。
さらに年賀状を出すのも松の内の期間になります。
そして新年のご挨拶も年が明けてから松の内の期間に行います。
松の内に関するよくある質問まとめ
松の内とは何ですか、その期間はいつまでを指しますか?
松の内は、日本における新年のお祝い期間を指す言葉で、この期間中は正月飾りを飾り、新年を祝います。
松の内の期間は地域によって異なり、一般的には1月7日までを指すことが多いですが、関東地方などでは1月15日までを松の内とすることもあります。
この期間は、新しい年の安全と繁栄を祈り、家族や友人との団欒を楽しむ時期とされています。
松の内の期間中に行うべき伝統的な行事は何ですか?
松の内の期間中に行う伝統的な行事には、初詣、正月飾りの設置、お年玉の交換、おせち料理やお餅の食べることなどがあります。
また、家族や親戚が集まり、新年を祝う宴会を開くことも一般的です。
この時期には、各家庭で特別な料理を作ったり、新年の抱負を語り合ったりすることが多くあります。
松の内に飾る正月飾りの種類と意味は何ですか?
松の内に飾る正月飾りとしては、門松、しめ縄、鏡餅などがあります。
門松は家の入口に設置され、神様を迎える目印とされ、しめ縄は神聖な場所を区切るために飾られます。
鏡餅は神様への供え物として用いられ、家族の結束や豊かな収穫を象徴しています。
これらの飾りは、新年の福を家庭に招き入れるための重要な役割を果たします。
松の内が終わった後の正月飾りの処分方法はどうすれば良いですか?
松の内が終わった後の正月飾りの処分方法としては、地域によって異なりますが、一般的にはどんど焼きや神社での焚き上げが行われます。
これらは正月飾りを清める儀式であり、新しい年を清らかに迎えるために行われます。
自宅で焼くことは避け、地域の慣習に従った方法で処理するのが適切です。
松の内の期間におすすめの過ごし方やアクティビティはありますか?
松の内の期間におすすめの過ごし方としては、家族や友人と新年を祝う集まりを開く、初詣に行く、伝統的な遊びやゲームを楽しむ、特別な料理を作って味わうなどがあります。
また、この時期に新年の抱負を立てたり、過去一年を振り返るのも良いでしょう。
松の内は家族の絆を深め、新しい年の始まりを祝う大切な期間です。
松の内の期間中に飾るしめ縄の意味や起源は何ですか?
しめ縄は、松の内の期間中に家の入口に飾られる伝統的な正月飾りです。
その起源は古代の日本にさかのぼり、神聖な場所や神様を迎える場所を示す目印として使われました。
しめ縄は、新しい年に家庭や事業所に福をもたらし、悪霊を払うという意味が込められています。
しめ縄に使用される白い紙の紐(しで)は、清浄を象徴し、縁起の良い飾りとされています。
松の内におけるおせち料理の役割と意味は何ですか?
松の内におけるおせち料理は、新年を祝うための特別な料理であり、各料理にはそれぞれ独特の意味が込められています。
例えば、黒豆は健康、伊達巻は知恵の象徴、海老は長寿、数の子は子孫繁栄を意味します。
おせち料理は、一年の始まりに家族が集まって食べることで、繁栄や幸運を願う役割を果たします。
松の内の期間中に行われる伝統的なゲームや遊びにはどのようなものがありますか?
松の内の期間中に行われる伝統的なゲームや遊びには、凧揚げ、羽根突き、福笑い、かるた取りなどがあります。
これらの遊びは家族や友人と一緒に楽しむことができ、新年の楽しい思い出作りに貢献します。
特に子供たちにとっては、新年の伝統的な遊びを通じて日本の文化を体験する貴重な機会となります。
松の内の期間中に避けるべきことはありますか?
松の内の期間中に避けるべきこととしては、大掃除や洗濯などの大きな家事を控えるという習慣があります。
これは、新年の神様を迎えるために家を清潔に保ち、新年の初めの数日間は静かに過ごすという意味があります。
また、新年の祝いの雰囲気を大切にし、穏やかで明るい気持ちで過ごすことが望ましいとされています。
松の内の期間中に特別に覚えておくべきマナーや礼儀はありますか?
松の内の期間中に覚えておくべきマナーや礼儀としては、新年の挨拶を適切に行うことが重要です。
例えば、初詣や新年の集まりの際には、年賀状やお年玉を準備する、敬意を持って挨拶を交わすなどの心遣いが求められます。
また、この期間中は家族や親戚、近所の人々とのコミュニケーションを大切にし、和やかな新年の雰囲気を作ることが重要です。
まとめ
松の内についてご紹介してきましたがいかがでしたか?
松の内に入ったら年神様を迎える準備をします。
そして年が明けたら松の内が明けるまで、年神様がいらっしゃいます。
そう思うと松の内の期間も丁寧に暮らしたくなりますね。
ぜひ素敵な松の内をお過ごしください。
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