正月に飾られる松飾りをご存知ですか?
松を使用した正月飾りになりますが、しっかりとした意味や由来を持っています。
今回はこの松飾りについてご紹介します。
松飾りとは一体何なのか、どう飾ればよいのか、飾った後はどうすればよいのか。
ぜひ確認して一つ知恵を増やしてみてくださいね。
松飾りの意味や由来
松飾りとはその名の通り、「松を使った飾り」です。
松に水引きをつけたものもありますが、門松もこの松飾りに含まれます。
どちらも正月の年神様を迎える目印となります。
そして年神様の依り代となります。
また、松飾りの由来は平安時代に行われていた宮廷儀礼の「小松引き」です。
これは一年の最初の子の日である「初子(はつね)」に子供が松を抜いて、その松を飾るという儀式が行われていたことから松飾りが始まったと言われています。
そもそも松とは「祀る」につながり、神が宿る縁起がよい木とされています。
さらに松の木は常緑樹であるため、どんな環境でも育つことができる強い生命力を持っています。
このため、古来より非常に縁起が良いとされていました。
飾る時期はいつからいつまで?
松飾りは「松の内」と呼ばれる期間に飾ります。
松の内とは大掃除のルーツといわれている「すす払い」が行われた12月13日から始まります。
そして松の内が終わるのが1月7日か1月15日です。
2パターン説があるのは地域差があるからです。
関東は1月7日、関西は1月15日までを松の内とする地域が多くなっています。
松の内とはそもそも門松を飾っている期間、つまり正月を意味します。
この松の内が終われば年神様は空へお帰りになるので松飾りも外すということになります。
また、松飾りは飾ってはいけない日があります。
それが12月29日です。
29は「二重苦」を表してしまうため、松飾りのみならず正月飾り全般を飾るのにふさわしくない日とされています。
また、旧暦の大晦日である12月30日と大晦日に当たる12月31日も「一夜飾り」と言われ一晩しか年神様を迎える準備ができていないことを意味します。
そのため、松飾りを飾るには不適切な日と言われます。
できるだけ、12月28日までに飾るのが良いということになりますね。
松飾りを飾る正しい場所は?
では松飾りはどこに飾るのが良いのでしょうか。
答えは門や玄関です。
松飾りは年神様をお迎えする目印です。
そのため、この家にいらしてくださいということを最もわかりやすく表現する門や玄関に飾ります。
現在は門がある家は少なくなってきているので、玄関に飾る場合が多くなっています。
マンションも共有の門やエントランスではなく、自分で飾る場合は各家庭の玄関に飾るようにしてください。
また、門がある家の場合は、門に松飾りを飾り、玄関にしめ飾りを飾るというのが一般的です。
しめ縄や破魔矢などは神棚や床の間などに飾ることが多いですが、松飾りは外から見える場所になるので注意してください。
風が強い地域はしっかりと倒れないように飾るように注意してくださいね。
松飾りの正しい飾り方
松飾りを飾る時にまず確認したいのが、松には雄雌があるということです。
雄松は黒く太く硬く、さらに長いのが特徴です。
一方雌松は赤っぽい茶色をしており、短柔らかい、さらに短いのが特徴です。
松飾りは松に和紙を巻き、水引きと呼ばれる蝶結びの紐をつけて完成です。
この時、門や玄関を正面に見て左に雄松、右に雌松を飾るようにします。
さらに門松の場合も雄雌の位置は同じです。
門松は二対一体とされていますが、一体でも問題はありません。
また、牡丹を飾る場合は牡丹にも雄雌があるので注意してください。
この場合、白い牡丹である男雛は左に、赤い牡丹である女雛は右にくるように飾ります。
また、門松には2種類あります。
長い竹が玄関から見て最も外側にあるものを「迎え飾り」といい、お嫁さんや赤ちゃんなどを呼び込みたい場合に飾ります。
さらに2本目に長い竹が最も外側にあるものを「出飾り」といい、子供の独り立ちなどを願う場合に飾ります。
一般的にはこの出飾りが多くなっています。
どちらの門松を飾りたいかはそれぞれの家庭の状況で合わせてくださいね。
片付けた後の処分方法は?
では松飾りは松の内が終わったのち、どのように処分すればよいのでしょうか。
最も良いのは小正月である1月15日に神社などで行われる「どんど焼き」に出すことです。
どんど焼きはお守りや正月飾りを焼き、正月に来て下さった年神様を火と共にお見送りする行事です。
この時にお願いするのが最も良い方法になります。
先ほど1月15日に行われると書きましたが、これは地方差があります。
自分の住んでいる地域のどんど焼きがいつ行われるかは神社に問い合わせてみてください。
しかし、このどんど焼きに出すのを忘れてしまったり逃してしまうこともありますよね。
そんな場合は塩などで松飾りを清め、他の物とは別にしてゴミに出すこともできます。
しかし、これもゴミ収集所によって収集日や方法が異なるので問い合わせをしてみるのが安心です。
どの場合も年神様への感謝を込めて処分させていただくことを忘れないでください。
松飾りに関するよくある質問まとめ
松飾りとは具体的にどのようなもので、どんな意味がありますか?
松飾りは、日本の正月飾りの一つで、主に松の枝を使用して作られます。
この飾りは、新年を祝うための装飾品であり、松が長寿や繁栄を象徴するとされることから、家庭や事業の発展と長寿を願う意味が込められています。
松飾りは、玄関や居間など家の中に設置され、新年の祝福の気持ちを表現します。
松飾りはいつからいつまで飾るのが適切ですか?
松飾りを飾る適切な時期は、一般的には12月の末から新年の初めまでです。
多くの家庭では、大晦日の前に飾り付けを行い、正月三が日が過ぎた後に片付けます。
しかし、地域によっては飾る期間に若干の違いがあるため、地域の習慣に従うのが一般的です。
松飾りの作り方や必要な材料にはどのようなものがありますか?
松飾りを作るためには、主に松の枝や竹、熨斗(のし)、絵馬などが必要です。
松の枝は飾りの基本となる部分で、竹はその支えとなります。
熨斗や絵馬は飾り付けを美しく見せるためのアクセントとして使用されます。
松飾りの作り方は、これらの材料を組み合わせて飾り立てることが基本ですが、創造性を発揮して独自のデザインを加えることも可能です。
松飾りを飾る際の注意点はありますか?
松飾りを飾る際の注意点としては、松の枝が家の中で場所を取り過ぎないようにすることや、松の葉が乾燥して火災の原因にならないように注意することが重要です。
また、松飾りは神聖な意味を持つものなので、飾り付けをする際は敬意を持って丁寧に扱うことが望ましいです。
松飾りを処分する際の適切な方法は何ですか?
松飾りを処分する際には、地域の習慣や規則に従って行うのが適切です。
一般的には、どんど焼きや地元の神社での処分が推奨されています。
これは、松飾りを神聖な火で焼くことにより、一年の厄を払い、新しい年を清々しく迎えるための伝統的な方法です。
自宅で勝手に処分せず、地域の慣習に従った方法で処理することが大切です。
松飾りと門松の違いは何ですか?
松飾りと門松はどちらも正月飾りですが、その形状と設置場所に違いがあります。
松飾りは比較的小さめの装飾で、屋内や玄関内に飾られることが多いです。
一方、門松は大きな松や竹を使い、家の外や玄関口に立てる大きな飾りです。
門松は家や事業所の繁栄を願うシンボルとして、迎える神様への目印として設置されます。
松飾りに用いる松の枝は、どのように選ぶべきですか?
松飾りに用いる松の枝を選ぶ際には、新鮮で緑が鮮やかな枝を選ぶことが重要です。
枝先がしっかりとしていて、枯れていないものを選びます。
また、形状が美しく、飾る場所に合った大きさのものを選ぶこともポイントです。
購入する際には、専門店や花市場で適切に手入れされた松の枝を選ぶと良いでしょう。
松飾りを自宅で手作りする際のアイディアはありますか?
松飾りを自宅で手作りする際には、オリジナリティを出すために独自のアイディアを取り入れると良いです。
例えば、伝統的な松の枝に加えて、色とりどりのリボンやクリスマスオーナメントを使って飾り付けをするのも一つの方法です。
また、手作りの小物や子供たちの手形などを取り入れて、家族全員で作る松飾りも特別な思い出になります。
松飾りを飾ることの文化的な意義は何ですか?
松飾りを飾ることの文化的な意義は、新年の到来を祝い、家族の健康と繁栄を願うことにあります。
松は強さと長寿を象徴し、新しい年の始まりにこれらを家庭にもたらすとされています。
また、松飾りは日本の伝統的な年中行事の一部であり、世代を超えて受け継がれる文化的な価値も持っています。
松飾りの現代的なアレンジやトレンドにはどのようなものがありますか?
松飾りの現代的なアレンジやトレンドとしては、伝統的なスタイルにモダンな要素を取り入れることがあります。
例えば、LEDライトを使った照明効果を加えたり、自然素材以外の装飾品を使用するなどの方法があります。
また、小さくてシンプルなデザインの松飾りも人気があり、限られたスペースでも飾りやすいため、現代の住宅事情に合わせたトレンドとなっています。
まとめ
松飾りについてご紹介してきました。
松飾りが飾られていると正月がくるなぁという気分になりますよね。
気分を厳かにするだけでなくしっかりとした意味がある松飾り。
これまで飾ったことがない方もぜひ今度の正月は取り入れてみてくださいね。
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