八十八夜は、旧暦の立春を起点として数えると、ちょうど5月初旬にあたり、この時季はお茶の新芽が最も良い状態にあるため、新茶を摘むのに最適な時期とされています。
そこで本稿では、八十八夜に摘まれるお茶の背景や意義、その新茶が持つ独特の風味とその楽しみ方、さらに新茶を祝う祭りに関する豆知識を丁寧に解説いたします。
この内容を通じて、八十八夜と新茶の豊かな関連性についての理解を深め、お茶を楽しむ文化に対する知識を拡張していただけることを願っています。
八十八夜の意味と由来
ここまで八十八夜とお茶の関係について紹介しましたが、そもそも八十八夜とはどういう意味があるのでしょうか?
八十八夜とは二十四節気以外の季節以外を示す雑節の一つで、立春から88日目のことを指します。
雑節には八十八夜の他に節分や土用、二百十日などが挙げられます。
この頃から霜が降りなくなり茶摘みや稲の種まきの目安にされてきたので、農業をする人にとって大切な日なのです。
八十八夜の頃の霜を「八十八夜の別れ霜」というのですが、これ以上霜が降りなくなって穏やかで暖かな気候になるといわれています。
八十八夜に摘むお茶の意味
八十八夜とは雑節の一つで、その名の通り立春から88日目のことをいうので、毎年5月2日前後となります。
この八十八夜とお茶にどんな関係があるのかというと、この日に摘んだお茶を飲むことで1年間病気にならず健康的に過ごせると言われているのです!
後ほど詳しくお伝えしますが、文部省唱歌「茶摘」では「夏も近づく八十八夜」と歌われるくらいなので、八十八夜は新茶の芽を摘む時期なのでしょう。
また、稲の種まきどの農作業の準備を始める目安にもなっているのです。
2024年の八十八夜はいつ?
2024年の八十八夜は5月1日となっています。
ということは、立春はその88日前なので2月3日という計算になるので、立春の日も同時に覚えることができますよ。
新茶の特徴とおいしい飲み方
八十八夜である5月初旬はちょうど新茶の時期になります。
この時期の新芽を摘んで作られたお茶を新茶もしくは一番茶といい、それから50日前後に摘んだものを二番茶、お茶を摘む地域によって三番茶や秋冬番茶を摘むところもあります。
八十八夜に摘まれた新茶を飲むことで病気にならず健康で過ごせたり、長生きすることができると言われています。
新茶は二番茶に比べてテアニンという旨味成分が多く含まれているので、心身ともにリラックス効果が期待できるといいます。
旨味や渋み、美味しさや栄養満点の新茶を味わうことができますよ。
次に新茶のおいしい飲み方の手順を紹介します。
2.蓋をして1分前後待つ
3.濃さが均一になるように注ぐ
これでおいしい新茶を飲むことができます。
茶葉の目安の量は1人分で3〜4g程度で、他のお茶より気持ち多めに茶葉を入れた方がいいでしょう。
八十八夜に行われる新茶まつり一覧!
八十八夜には新茶を楽しむための新茶まつりというお祭りが各地で開催されます。
ここでは新茶まつりがどこで開催されるのかを詳しくみていきましょう。
・新茶まつり(栃木県|佐野市)
・袋井市新茶祭り(静岡県|袋井市)
・新茶祭り(愛知県|西尾市)
・水沢新茶まつり(三重県|四日市市)
・新茶祭り(三重県|松坂市)
・新茶まつり 宮崎(宮崎県|宮崎市)
・佐伯市 新茶まつり(大分県|佐伯市)
ネットで調べただけでこんなにも新茶まつりが出てきました。
八十八夜に新茶を飲むことで病気にかからないと言われているので、今年1年健康に過ごしたいという人は行く価値ありですよ!
八十八夜の歌「茶摘み」について
【歌詞】
〈1番〉
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠
〈2番〉
日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本(にほん)の茶にならぬ
八十八夜に歌われる「茶摘み」は初夏に見られる茶摘みの光景を歌った歌です。
この「茶摘み」という歌は1912年(明治45年)の『尋常小学唱歌(三)』という小学3年生の歌の教科書に掲載されたのが初めてです。
この歌の作者名は公表されておりません。
現代の教科書では「春の小川」、「うさぎ」、「ふじ山」と並んで小学3年生が必ず歌う歌として共通教材として1992年(平成4年)に指定された歌として、今でも多くの人に親しまれています。
八十八夜とお米の関係は?
「八十八」という字を組み合わせると「米」という字になります。
この「米」という字になるということから、八十八夜に種まきをすると秋頃には美味しいお米ができ、たくさん収穫することができるとされていました。
農作業に関する言葉で「八十八夜の忘れ霜」と「八十八夜の別れ霜」がありますが、これらの意味は八十八夜の頃に降りる霜のことをいいます。
霜は農作物に悪影響を与えるので注意しましょうという意味の言葉です。
八十八夜以降はほとんど霜が降りることはないので、八十八夜を目安に農作業をスタートするのです。
八十八夜の季語としての意味
八十八夜は春の季語ですが、5月初旬のことを指すので晩春から初夏にかけて使うといいでしょう。
ここで八十八夜が詠み込まれた俳句を22つ紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
八十八夜に関するよくある質問まとめ
八十八夜とは具体的に何の日で、どういった意味があるのですか?
八十八夜は、立春から数えて88日目のことを指し、日本の伝統的な暦の上では春の終わりと夏の始まりを告げる重要な節目です。
この日は特に茶の世界で重要視され、新茶の摘み取りが始まる時期として知られています。
新茶はこの日以降に摘まれたものが最も良いとされ、農家にとっては一年で最も繁忙な時期の始まりを意味しています。
八十八夜に行われる行事や風習はありますか?
八十八夜には特定の行事や風習がいくつかありますが、最も有名なのは「新茶摘み」です。
多くの茶畑では、この日を迎えて初めての茶摘みが行われ、特に質の良い「初摘み茶」を生産するための儀式的な作業となっています。
また、農業に関連して、この日に種まきをすると作物がよく育つとされ、縁起の良い日として農家によって大切にされています。
八十八夜は毎年同じ日になるのですか?
八十八夜は立春から数えて88日目にあたりますが、立春の日は毎年変動するため、八十八夜の日付も毎年少し変わります。
通常は5月2日前後になることが多いですが、閏年などの影響を受けて1日程度の前後することがあります。
八十八夜の期間に摘んだ茶葉の特徴は何ですか?
八十八夜の期間に摘んだ茶葉は「新茶」と呼ばれ、一年の中で最も香り高く、栄養価が高いとされています。
この時期に摘まれる茶葉は、冬の間にゆっくりと成長しており、アミノ酸を豊富に含んでいるため、甘みと旨味が強いのが特徴です。
新茶は抗酸化物質も多く含まれており、健康や美容に良いとされています。
八十八夜の新茶はどのようにしてお茶として楽しむのがおすすめですか?
八十八夜に摘んだ新茶を最も楽しむためには、正しい湯温と淹れ方が重要です。
一般に、新茶は熱いお湯よりも少し低めの温度(約70〜80度)で淹れると、デリケートな香りと味わいを引き出すことができます。
一煎目は特に短めの時間(約30秒程度)で、茶葉の素朴な味と香りを楽しむことができます。
八十八夜の新茶はどこで購入することができますか?
八十八夜の新茶は、日本全国の茶専門店やオンラインショップ、スーパーマーケットで購入することが可能です。
新茶の販売シーズンには、産地直送を謳う茶農家のオンラインストアや、全国の有名茶園からも直接購入することができます。
また、新茶発売時期には、各地で新茶祭りやイベントも開催されることがあり、そこで購入するという楽しみ方もあります。
八十八夜に行われる新茶祭りに参加するにはどうしたらいいですか?
新茶祭りに参加するためには、主にその祭りが開催される地域の情報をチェックすることが重要です。
地元の観光協会のウェブサイトや、茶園が主催するイベント情報をオンラインで調べると良いでしょう。
また、SNSや茶業界のニュースをフォローすることで、最新のイベント情報を得ることができます。
事前に入場券が必要な場合もあるので、早めの準備が推奨されます。
八十八夜の新茶を長持ちさせる保存方法はありますか?
新茶を長持ちさせるには適切な保存方法が必要です。
新茶は鮮度が命なので、開封後はできるだけ早く消費することが理想的ですが、保存する場合は密封できる容器に入れ、直射日光、高温、多湿を避けた冷暗所に保管します。
また、開封後は空気に触れることで酸化が進むのを防ぐため、冷蔵庫での保管をおすすめします。
しかし、冷蔵庫から取り出した後は、結露を防ぐために室温に戻してから開封してください。
八十八夜に関連する慣用句やことわざはありますか?
八十八夜に関連する慣用句やことわざとしては、「八十八夜を過ぎてからの霜には当たらぬ」というものがあります。
これは、八十八夜を境にして気候が安定し、霜が降りにくくなるという意味で、農業において作物を霜害から守る目安として用いられています。
また、人生や事業における安定した時期の到来を表現する際にも引用されることがあります。
八十八夜の期間中に気をつけるべき農業上のポイントは何ですか?
八十八夜の期間中は、種まきや苗の植え替えなどの農作業に最適な時期とされています。
この時期に種をまくと、夏の成長期を最大限に利用して作物がよく育つと言われています。
まとめ
以上、八十八夜に摘むお茶の意味や新茶の特徴やおいしい飲み方などを詳しくお伝えしていきました!
八十八夜には新茶まつり各地で行われているので、今年1年は病気をせずに健康に過ごしたいのであればぜひ当日に新茶を飲みに行ってみてください。
2024年の八十八夜はお茶を堪能しましょう。
コメント