今回は、日本の伝統的な暦の中でも特に知られざる「二百十日」にスポットを当ててみましょう。
この日に関連する食べ物や行事食、それらの由来と意味を深掘りしています。
二百十日は農業社会で重要視されていた期間で、特定の食べ物を食べることで災害から身を守るとされていました。
では、現代においてこの風習にどのような意味があるのか、またどのような食べ物が関連しているのかを紹介します。
二百十日の背景にある文化的な側面も含め、興味深い洞察をお届けするので、ぜひ最後までお読みください。
二百十日の食べ物と行事食まとめ!
まずは今回の議題である雑節の二百十日の食べ物と行事食をまとめて行きましょう。
筆者もハッキリ言って名前ぐらいしか聞いたことがなかった雑節だったので、いろいろと調べてきたものをここでまとめてきます。
風穴ふたぎ(団子)
この二百十日の意味と由来について詳しくは後述しますが、基本的には台風被害に気をつけていろいろとする日と考えてください。
その中の一つが『風祭』というお祭りです。
地域によっては『風日待ち』や『風鎮祭』といった呼ばれ方をしています。
これらのお祭りは関東地方から東北にかけて行われていたのですが、そういった風習の中から誕生したのが『風穴ふたぎ』です。
この『風穴ふたぎ』はお団子のことで、神様に捧げる団子となっています。
ただし、地域によってこの捧げ物がちょっと異なるとのことなので、ここが違いと言えるでしょう。
きのこご飯と焼き味噌
稲穂とキノコ飯と焼き味噌! #二百十日
— BR。 (@BrBrurnyrainy) September 1, 2014
これも書いている人が非常に少なかった情報なのですが、一部地域で神様にきのこご飯を捧げるところもあるという情報がちょっとだけありました。
SNSでもごくまれに見るレベルなので、こういった風習がある地域は少ないと思います。
二百十日の意味と由来は?
次は、そもそもこの二百十日とは何なのか、意味と由来はどうなっているのかを調べていきましょう。
二百十日の意味
二百十日は雑節の一つで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)となります。
基本的に立春は2月4日か2月5日となっているので、この二百十日は9月1日頃が当てはまるでしょう。
基本的に雑節は農作業にまつわるものが多いのですが、この二百十日も例にもれずその類いの一つなのです。
雑節になっている理由は当時の人達がこの日付を台風が来て天気が荒れやすい農家にとっての『三大厄日』としているからです。
また、稲の開花時期でもあり秋の収穫前の大切な時期でもあったために、米農家にとって注意喚起をする日として設定されたのでした。
二百十日の由来
こういった雑節は戦国時代の頃には存在しており、江戸時代にはまとめられて正式な形になったというパターンが非常に多いです。
しかし、正式な由来についてはわかっておりません。
中国由来のものなのか、農家独自の考えが広まったのか、陰陽道にまつわる何かなのか、憶測推測はいろいろありますが結局は不明のままなのです。
それでも、1634年に安田茂兵衛尉重次が著した『全流舟軍之巻』では『野分と云ふ風の事。是は二百十日前後七日の内に吹くもの也』と二百十日に関する記載があったので、この頃にはこの二百十日という考え方は存在していたと言われています。
少なからず江戸時代の頃には存在していた雑節ということはわかっています。
二百十日はいつのこと?
二百十日とは先ほど記載したように雑節の一つで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)となります。
基本的に立春は2月4日か2月5日となっているので、この二百十日は9月1日頃が当てはまるでしょう。
二百十日に行われる行事や風習
二百十日に行われる行事や風習はいくつかありますのでまとめて行きましょう。
風祭(風日待ちや風鎮祭)
二百十日で有名な風習はやはり『風祭(風日待ちや風鎮祭)』でしょう。
この祭りは風神信仰から始まる仕事や生活を脅かす台風被害をさけ、必要な風が上手く吹いてくれるように願う儀式となります。
ただし、今現在日本に住んでいる方ならわかると思いますが、台風は8月中頃から10月頃までくるものなので、この風習は二百十日以外にも当てはまっているようです。
具体的には『八月朔日』と『二百二十日』も該当します。
二百十日は天気が荒れやすい農家にとっての『三大厄日』と紹介しましたが、『八月朔日』と『二百二十日』もその『三大厄日』に入っているのです。
なので、地方にある風祭は二百十日以外に八月朔日と二百二十日に行われているケースがあります。
風祭系の行事はいろいろとあるので探ってみると面白いですよ。
風切り鎌
こちらは台風よけのまじないとして用いられた風習です。
やり方は地域によって異なるようですが、有名なものは竹竿の先端に鎌を取り付けた物となっています。
このように作った風切り鎌を軒先に立てたり屋根の上に取り付けるといった風習になります。
この風習が見られる有名な建物が現存しており、それが奈良法隆寺五重塔の頂に設置された雷よけです。
あれは台風避けの意味も込められています。
よく見ると鎌が取り付けられることがわかるのですが、あれが風切り鎌なのです。
団子やきのこご飯を食べる
これも先述した行事食であり、風祭の風習が残っている地域はこういった行事食を食べる習慣がノコッチえる可能性があります。
行事食は一度神棚に添えてから下ろして食べるというスタンスになるので、こちらも同じでしょう。
二百十日の時効の挨拶
いくつかパターンがありますので、例文を箇条書きでまとめましょう。
二百二十日との違いは?
二百十日と二百二十日の違いはシンプルです。
日にちにすると10日ずれているかどうかとなります。
二百十日とは先ほど記載したように雑節の一つで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)で具体的には9月1日頃でしたが、二百二十日ならば9月11日頃となるでしょう。
現代日本の天気予報的な考え方をすると、9月11日の方が若干涼しくて台風が来やすい時期と言えるかもしれません。
ただし、現代の日本は世界温暖化の影響で夏場の気候が昔とは大きく変わっているというのもあるため、今の天候に当てはめての表現は難しいかもしれません。
二百十日に関するよくある質問
「二百十日」とは何を意味しますか?
「二百十日」は、立春から数えて210日目にあたり、日本の伝統的な暦の中で特に風が強いとされる日です。
この日は台風や強風が多く発生する季節の変わり目にあたり、農作業や漁業に従事する人々にとって注意が必要な日とされています。
二百十日はいつ頃ですか?
二百十日は毎年8月末から9月初旬にかけての日にあたりますが、年によって若干の違いがあります。
立春の日付によって変動するため、正確な日付は毎年異なります。
二百十日に関連する風習や行事はありますか?
二百十日には特定の風習や行事が全国的に行われるわけではありませんが、地域によっては農作業や漁業の安全を祈願する祭事が行われることがあります。
また、自然災害に対する備えとして、家の修繕を行うなどの習慣がある地域もあります。
二百十日に注意すべきことは何ですか?
二百十日は強風や台風が発生しやすい時期であるため、農作物や家屋への被害を避けるための準備が必要です。
具体的には、窓や戸の補強、飛散物の確認と固定、避難準備などが推奨されます。
また、最新の気象情報をチェックし、必要に応じて行動を変更することが重要です。
二百十日を過ぎると天候はどのように変化しますか?
二百十日を過ぎると、一般的には秋へと移り変わる時期とされ、気温が徐々に下がり始めます。
しかし、この時期はまだ台風の影響を受けやすいため、気象状況には注意が必要です。
秋の訪れと共に、天候は安定し始める地域も多いですが、地域によって差があります。
二百十日に特別な食べ物や料理を楽しむ習慣はありますか?
二百十日に特定の食べ物や料理を楽しむ全国的な習慣はありませんが、地域によっては収穫期を迎えるこの時期に旬の食材を使った料理を楽しむ文化があります。
例えば、秋の味覚を先取りする形で、新米や根菜類、秋鮭などを使った料理が家庭で作られることがあります。
二百十日を過ぎた後に気をつけるべき自然現象はありますか?
二百十日を過ぎた後も、台風や秋雨前線による大雨など、引き続き気をつけるべき自然現象があります。
特に台風シーズンはまだ続いているため、最新の気象情報に注意を払い、必要な準備と対策を行うことが重要です。
「二百十日」の由来や歴史的背景について教えてください。
「二百十日」の由来は、古来より農業社会で重要視されてきた季節の節目に根ざしています。
立春から数えて210日目にあたるこの日は、過去に多くの自然災害が発生した記録があることから、特に注意が必要な日とされてきました。
日本の暦の中で、自然のリズムと農作業の周期を重視する文化の一環として位置づけられています。
二百十日の日に行うと良いとされる行動や習慣はありますか?
二百十日の日に特に行うと良いとされる行動や習慣は、自然災害への備えを見直すことです。
家の安全確認、非常用品の準備、家族との避難計画の確認などを行うことが推奨されます。
また、地域によってはこの日を機に秋の準備を始める習慣もあります。
二百十日の期間中に楽しめる季節の行事や祭りはありますか?
二百十日の期間中に特定の行事や祭りが行われるわけではありませんが、この時期は秋の行楽シーズンの始まりとも重なるため、地域によっては収穫祭や秋祭りなど、季節を感じることができるイベントが開催されることがあります。
自然との関わりを大切にする日本の文化を感じることができる良い機会です。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は二百十日の食べ物と行事食まとめつつ、意味と由来、風習を紹介しました。
○二百十日の有名な行事食は風穴ふたぎ(団子)
○意味は台風による被害を減らすための行われていた風習を行う時期で、由来はよくわかっていないが江戸時代にはあた
○今でも風祭として関東から東北の一部地域で残っている
正直、関東から西の人達にとっては全く馴染みのない雑節だったと思います。
現代では本当に一部の人達しか取り入れていない風習なので、関東や東北住まいの方でもそもそも知らないという人の方が多いでしょう。
それでも、お祭をきちんと開催しているところがありますので、探してみると面白いですよ。
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