日本の暦日の中には二百十日や二百二十日というちょっと特殊な日が存在します。
しかし、今ではこの二百十日や二百十日とは一体何なのか、意味や由来、読み方がよくわからないという人の方が圧倒的に多いですし、台風と関わりがあると言われてもピンとこない人も多いでしょう。
そこで、今回は雑節である二百十日や二百十日とは一体何なのか、2023年はいつなのかをわかりやすく解説して参ります。
二百十日や二百二十日の意味は?
雑節は基本的に季節の移り変りをより適確に掴むために設けられていますが、基本的に五行思想や厄払いか農家の行動にまつわるものが設定されていますので、この二百十日や二百二十日もその3つの内のどれかが当てはまるようになっています。
似たように設定されている八十八夜はいわゆる霜が降りなくなることで種まきや田植えの準備が可能となるひとか茶摘みといった春の農作業を本格的に行うための基準日となっているのです。
この二百十日や二百二十日は農家の三大厄日のうちの二つと言われており、台風が来て天気が荒れやすい時期という意味があります。
わかりやすく記載すれば「農作物に大きな被害を与える台風が発生する可能性が高い厄日だから気をつけるように」という戒めが込められている雑節なのです。
台風は畑以外にも海を大きく荒らしますので、海の仕事に携わっている方々にとっても警戒すべき日という認識がありました。
ただし、どうして二百十日や二百二十日が設定されていたのかは明確な由来ははっきりしていません。
確かに9月は台風シーズンなので台風被害も発生しやすいのは事実ですが、なぜその日なのかは不明なのです。
いくつかの推論ですが、中国では百五日が厄日に設定されていたのでそれをちょうど倍にした二百十日を厄日に指定した結果雑節になったという説や、過去に到来した台風の日が多かったのでこの日に設定されたという説や、品川の漁師から必ず立春から210日に台風が来るという情報を聞いてそのまま暦日に設定したという説もあります。
どうして厄日指定されたのかの由来はこのように定かではありませんが、日本人的な目的は台風シーズンだから被害には気をつけろという警告であることは間違いないでしょう。
二百十日と二百二十日の正しい読み方
二百十日と二百二十日の読み方はそのままで「にひゃくとおか」と「にひゃくはつか」になっているので、初めて見たという人でも読み間違える確率は低いでしょう。
この二百十日や二百二十日は節分や八十八夜といった雑節にカテゴリーされる物で、季節感や大切な時期を忘れないようにするために設定された特殊な暦日となっております。
二百十日と二百二十日に食べる食べ物は?
二百十日や二百二十日に食べるといい食べ物は何があるのでしょうか?
この時期は風や台風の被害が多いので、関東から東北にかけては風穴ふたぎという団子を作って家の神棚にお供えして、家族で食べるという風習があります。
また、この時期は台風が多いですし9月1日は防災の日なので、すぐに食べるわけではありませんが非常食を備えておくのはどうでしょうか?
近年台風の威力も強くなっているので、災害が起きてからでは遅いので非常食を揃えて万全な対策をしておきましょう。
2023年の二百十日や二百二十日はいつ?
2023年における二百十日は9月1日(金)、二百二十日は9月11日(月)になります。
立春から数えて210日目と220日目となりますので、立春がいつなのかがわかれば直ぐにわかるようになっております。
また、立春や夏至は二十四節気における太陽の位置からきているので、日本ではそれらを正確に観測することができる国立天文台が公式発表を毎年行っております。
ここで記載している二百十日がいつ頃なのかもこのサイトに記載されているのです(二百二十日はそれから10日ほど追加しただけ)。
ただし、閏年や太陽の位置次第で二百十日も9月1日ではなく8月31日だったり9月2日だったりしますので注意しましょう。
これらの暦日がいつになっているのかをチェックしたいという方々は先ほど紹介した国立天文台からの公式発表をご覧ください。
二百十日と二百二十日の風習や行事
台風による警告を促す日となっている二百十日や二百二十日は稲の開花時期にもなっているので、台風によって台無しにされることは絶対にさけなければいけません。
そのため、昔の人達はこのシーズンになると風鎮祭や風祭りといったお祈りや祈祷を行って台風被害が発生しないようにいろんな儀式をしていました。
これは明確なルールが無いので、それぞれの地方で独自の進化を遂げており神社に篭って祈願する風篭りをする地域もあれば、風日待(かざひまち)という名前で休日にして村の人達が集まって宴会をするという地域もあったのです。
今の日本ではこのような地方の風習よりも防災の日にまつわる何らかのイベントの方が先に立っているので目立たなくなってしまいましたが、富山県八尾町で行われている「おわら風の盆」や福岡県の貴船神社で行われる「風鎮祭」のように今でもこの二百十日や二百二十日にまつわるイベントは日本全国で行われているのです。
二百十日と二百二十日は台風が多い?
二百十日や二百二十日はいわゆる台風シーズンであり、農家にとっての厄日として設定されています。
先ほど説明したように由来については諸説ありますが、台風被害は陸地以外にも海に大打撃を与えますし、建物被害も相当な物となりますので、日本に住んでいる方々ならば最大級に警戒する日だったのでしょう。
また、1923年に発生した関東大震災も実は9月1日に発生しているので、現代人にとってこの9月1日は二百十日という認識よりも「防災の日」というイメージが圧倒的に強いでしょう。
日本人にとって大きな台風被害としてものすごく有名になった伊勢湾台風も9月頃に発生しているということもありますので、9月1日の防災の日はそれらの災害に対してどのような行動をするのがベストなのかを周知させる日となっています。
昔の人達も様々な台風などの災害による被害から二百十日や二百二十日を雑節に設定したのでしょうが、このような考え方は今も昔も変わっていないことがよくわかります。
防災の日との関係は?
9月は台風による被害も圧倒的に多いのですが、関東大震災の発生が9月1日だったということもあり防災の日が9月1日に設定されております。
防災の日に設定される前までは関東地方では9月1日は慰霊祭が中心に行われていたのですが、防災の日認定からその日のありようがかなり変わったのです。
元々、この9月1日は二百十日という雑節にされて台風が多いという警告が古くからなされていたので、この日に設定するのはある意味ちょうど良かったのでしょう。
同じように防災を徹底させる日として設定されている9月1日は昔の人達の考え方の流れを汲む日にもなっているのです。
また、9月1日を含む週は防災週間と命名されて防災グッズの準備や点検を行うことをあらゆる報道機関や政府から促される日にもなっております。
日本人の防災に関する考え方はかなりのレベルにありますが、防災グッズの進化具合もかなりのものとなっているので、しばらく防災関連の装備を新調していないという方はどのような商品が登場しているのかも改めて確認するのも良いでしょう。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は二百十日や二百二十日について解説しました。
今では防災の日という認識が圧倒的に強くなっていますが、昔ながらの風鎮祭も行われている地方もありますので、このイベントに参加することもできるでしょう。
8月下旬から9月一杯は台風が一杯上陸する季節になりますので、万が一に供えてすぐに行動できるようにすることが本当に大切なのです。
昔の人達の考え方は今でもしっかりといかされています。
ただし、それは祈祷やお祈りという形では無く防災訓練や防災グッズをそろえるという現実的なものへとシフトしているのです。
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