今回は、関西地方でよく作られる白味噌を使ったお雑煮のレシピについて紹介します。
お雑煮は京都発祥で、元々は白味噌仕立てが主流でした。
関東地方で醤油ベースのすまし煮が一般的になった背景には、武家社会が中心だった地域で武士が味噌を好まなかったという説があります。
この記事では、そんな白味噌を用いた伝統的なお雑煮レシピを掘り下げ、その味の特徴や作り方を詳しく解説します。
白味噌を使った絶品お雑煮のレシピ!
白味噌で作るお雑煮のレシピをご紹介します。
白味噌仕立てのお雑煮は「京都風」「京風」とも呼ばれていることがあります。
白味噌は具材の香りや味の影響を受けやすいため、具材は基本的に白味噌の風味に強い影響が出ないものが選ばれています。
また、白味噌で作る場合は昆布だしのみを使うことが推奨されています。
これも白味噌が出汁の影響も受けやすいからというのが理由と考えられます。
レシピによっては昆布だしとかつおだしを使っているものもあります。
材料
2人前
・大根…50g
・金時人参…50g
・里芋…2個
・昆布…5g
・水…600ml
・白味噌…200g
・みりん…大さじ2
・料理酒…大さじ2
・かつお節…2g
具材は白味噌仕立てのお雑煮でよく使われている大根・人参・里芋を、出汁には昆布だしを使った関西では代表的な材料となります。
こちらのレシピではみりんと料理酒が味付けに使われているようです。
作り方
・大根と人参は皮を剥き5mm幅の輪切りにする。
・里芋も皮を剥いて5mm幅の輪切りにする。
・鍋に水と昆布、切った具材を入れ中火にかける。沸騰する直前に昆布を取り出しておく。
・大根に火が通ってきたら味噌を入れ、料理酒とみりんを加えて味噌を溶かしながら混ぜ、味がなじんだら火を止める。
・丸餅はオーブントースターで焼き目が付くまで5分程焼く。
・お椀に丸餅と汁を盛り付け、かつお節を添えて出来上がり。
こちらは丸餅を茹でるのではなく焼いて食べるタイプのレシピになります。
丸餅を焼いてお雑煮を作る地域は、一部の関西地方と一部の九州地方のようです。
注意点
白味噌を使ったお雑煮を作る時の注意点は煮立たせ過ぎないようにすることもそうですが、もう一つの注意するべきポイントは白味噌の量です。
白味噌は塩分が低い甘口のものがほとんどとなっているため、通常の味噌より多めに入れなければなりません。
通常の味噌と同じ量だと味が薄く仕上がってしまいます。
なので、白味噌でお雑煮を作る時は白味噌を多く入れるようにしましょう。
また、白味噌は賞味期限が短いため、白味噌をどのくらいの間保存していたのかにも注意する必要があります。
簡単にできる白味噌を使ったお雑煮レシピ5選!
ここからはその他の白味噌で作るお雑煮のレシピを5つご紹介していきます。
白味噌で作るお雑煮も使う具材や調味料がレシピによって違ってきます。
例えば、白味噌仕立てのお雑煮は基本的には昆布だしが主流ですが、中にはかつおだしを使ったレシピや昆布だしとかつおだしの両方を使ったレシピ、他の味噌も一緒に使ったレシピなどがあります。
レシピごとに使われている具材や調味料の違いも一緒にチェックしてみてください。
白味噌雑煮のレシピ
材料
・大根…150g
・人参…飾り切りにしたものを6枚
・里芋(下茹で済みOr冷凍の物)…200g
・かまぼこ…6枚
・水…800cc
・和風だし…2パック
・ほんだし…顆粒タイプのものを4g
・白味噌…160g
・かつお節…たっぷり
作り方
・大根はいちょう切りにし、人参は6枚輪切りにして花型の型で型抜きにする。
・型抜きにした人参の花びらの部分に切り込みを入れて飾り切りにする。
・大根と人参を下茹でし、茹で終わったらザルにあけて水を切る。
・鍋に水を入れ、ほんだしと和風だしを加えて5分煮る。
・5分経ったら火を止めて、和風だしのパックを取り出す。
・白味噌をだし汁で溶きのばしてから、鍋の中に溶き入れる。
・下茹でされている里芋を入れて火を点け、里芋に火を通す。
・大根と人参を加える。
・丸餅は別の鍋で沸騰させたお湯に入れて茹でる。
・お椀に丸餅がくっつかないように大根をお椀の底に敷き、その上に丸餅を乗せる。
・具材と汁を盛り付け、切ったかまぼこを乗せ、その上にかつお節を添えて出来上がり。
料理の特徴
恐らくはオーソドックスな白味噌を使ったお雑煮のレシピになります。
こちらのレシピではほんだしと和風だしの二つを使っているのが特徴です。
レシピを見る限りそれほど難しくは感じなかったので、ある程度料理に馴れている人ならば作りやすいかと思われます。
あん餅お雑煮のレシピ
【お正月の定番】 とろっと食感の あん餅 雑煮 のレシピ 作り方
調理時間:20分
材料(2人前)
・大根…30g
・金時人参…40g
・煮干しだし…500cc
・白味噌…100g
・青のり…適量
作り方
・大根は皮を剥いて5mm幅の輪切りにし、丸型の型で型抜きにする。
・金時人参は皮を剥いて5mm幅の輪切りにし、花型に飾り切りする。
・鍋に煮干しだしと大根、金時人参を入れて火にかけ、柔らかくなるまで3分煮る。出てきた灰汁は取り除く。
・弱火にして始祖味噌を溶き入れ、丸餅(餡入り)を加えて柔らかくなるまで煮る。鍋底に丸餅がくっつかないように時々かき混ぜる。
・お椀に丸餅と具材を先に盛り付けてから汁を注ぎ入れ、青のりを振って出来上がり。
料理の特徴
餡入りの丸餅を使ったちょっと珍しいお雑煮のレシピです。
このお雑煮はどうやら香川県で食べられているお雑煮で、香川県の郷土料理としても有名です。
ちなみにレシピで使われている出汁は煮干しだしになります。
あん餅のお雑煮には煮干しだしを使うのが主流のようです。
洋風アレンジした白味噌のお雑煮レシピ
材料
・鶏もも肉…150g
・かぶ…1個
・人参…1/2本
・蓮根…1/2個
・ゴボウ…1/2本
・水…400cc
・白味噌…50g
・牛乳…200cc
・固形チキンコンソメ…1個
・酒…大さじ1
・水溶き片栗粉…小さじ1
作り方
・かぶは皮を剥いてくし形切りにする。
・蓮根と人参は皮を剥いて乱切りにし、ゴボウも乱切りにする。
・鶏もも肉は一口大に切り、酒をかけて下味をつける。
・鍋に水を入れ、固形チキンコンソメを加えて溶かす。
・鍋にかぶ・蓮根・人参・ゴボウを加え、柔らかくなるまで煮る。
・野菜が柔らかくなってきたら鶏もも肉を加える。
・牛乳を加えてひと煮立ちさせてから白味噌を溶き入れる。
・水溶き片栗粉を回し入れ、丸餅を加えて柔らかくなるまで煮る。
・お椀に盛り付けて出来上がり。
料理の特徴
こちらのレシピはアレンジを加えたものになります。
洋風に仕上げるので出汁に使うのは固形のスープの素1個のみです。
お雑煮を洋風にアレンジするのは初めて聞きましたが、これはこれで美味しそうですね。
いつものお雑煮に飽きてきたらこちらに挑戦してみるのもありかもしれません。
関西風お雑煮のレシピ
材料(2人前)
・大根3cm
・人参…1/2本
・シイタケ…2個
・里芋…2個
・水…500ml
・白味噌…100~150g
・だしの素…大さじ1
・かつお節…適量
・柚子の皮…適量
作り方
・大根は皮を剥いていちょう切りにする。
・人参は輪切りにし、シイタケは軸を取って飾り切りにする。
・里芋は皮を剥いて半分に切る。
・鍋に水を入れ、大根・人参・里芋を投入してだしの素を加えて煮る。。
・煮立ってきたらシイタケを加えてさらに煮る。
・具材に火は通ったら丸餅を入れて煮る。
・丸餅が柔らかくなってきたら白味噌を溶き入れる。
・お椀に盛り付け、柚子の皮とかつお節を添えて出来上がり。
料理の特徴
こちらのレシピは典型的な関西風のお雑煮のレシピになります。
なので、作り方は普通の関西のレシピのものと大差ありません。
このレシピではだしの素で出汁を取っています。
初めて白味噌仕立てのお雑煮に挑戦するという人は、まずはこちらのレシピのようなものからチャレンジしてみるのはどうでしょうか。
餅巾着のお雑煮レシピ
餅巾着入り♪関西風お雑煮/マルコメオリジナルレシピ動画
調理時間:20分
材料(2人前)
・油揚げ…2枚
・人参…20g
・三つ葉…4本
・水…300cc
・液みそ 白みそ…大さじ6
作り方
・人参は幅7mmの輪切りにして、花型の型で型抜きにする。
・三つ葉は葉の部分を取り、茎を長いままサッと湯にくぐらせる。
・油揚げは熱湯をかけて油抜きする。
・油抜きした油揚げを半分に切って袋状にする。
・油揚げの大きさに合わせて切ったお餅を袋状にした油揚げの中に入れ、三つ葉の茎で縛って閉じる。
・鍋に水を入れてお湯を沸かし、人参と餅巾着を入れ、「液みそ 白みそ」を加えて人参が煮えてお餅が柔らかくなるまで煮込む。
・お椀に餅巾着を先に入れ、汁を盛り付けて三つ葉の葉の部分を添えて出来上がり。
料理の特徴
マルコメの「液みそ 白みそ」という商品をを使ったレシピになります。
お雑煮のメインであるお餅を餅巾着にするというアレンジが加えられています。
使われている具材は餅巾着を作るための油揚げと人参、三つ葉の身ですがお好みで大根やシイタケなどを加えてもいいかもしれません。
レシピでは液みそが使われていますが、普通の白味噌を使っても作れそうですね。
お雑煮に関するよくある質問まとめ
お雑煮とは具体的にどのような料理ですか?
お雑煮は、日本の伝統的なお正月料理で、主に餅を煮込んだ汁物です。
地域によって異なりますが、一般的には餅の他に野菜や魚介類などが入り、出汁で味付けされます。
新年を祝う特別な食事として、家族で楽しまれます。
お雑煮の具材にはどのようなものが使われますか?
お雑煮の具材は地域によって大きく異なります。
例えば、関東では醤油味のスープに煮込んだ餅や野菜が使われることが多いですし、関西では白味噌ベースのスープに焼いた餅を入れることが一般的です。
具材としては、鶏肉、大根、人参、かまぼこなどがよく用いられます。
お雑煮の由来や意味は何ですか?
お雑煮は、新年を祝う行事食として古くから日本に存在しています。
もともとは神々への供物として作られたものが、次第に一般の家庭でも食されるようになりました。
お雑煮には、新年の祝福や家族の健康と繁栄を願う意味が込められています。
お雑煮の作り方にはどのようなバリエーションがありますか?
お雑煮の作り方は地域によって大きく異なります。
関東風のお雑煮は、醤油ベースのスープに煮込んだ餅を使い、関西風では白味噌ベースのスープに焼いた餅を入れます。
また、東北地方では、醤油味の澄まし汁に餅を入れることが多いです。
さらに、具材や出汁の種類によっても味わいが変わります。
お雑煮はいつ食べるのが一般的ですか?
お雑煮は通常、お正月の期間、特に元日に食べられることが一般的です。
この時期には、家族が集まり、新年の幸運を祝って一緒にお雑煮を楽しむのが日本の伝統です。
地域や家庭によっては、お正月の前後にもお雑煮を食べることがあります。
お雑煮に使用する餅は、どのような種類が適していますか?
お雑煮に使用する餅は、基本的にはどのような種類でも適しています。
しかし、地域によっては丸餅や角餅を好む場合があります。
丸餅は一般的に関西地方で好まれ、角餅は関東地方でよく使われます。
餅の種類によって食感や見た目が変わるため、お雑煮のスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
お雑煮のスープの味付けにはどのようなバリエーションがありますか?
お雑煮のスープの味付けは、地域によって異なります。
関東では醤油ベースが主流ですが、関西では白味噌や赤味噌ベースのスープが一般的です。
また、東北や九州では、出汁のみで味付けをし、シンプルな味わいにすることもあります。
各地の食文化や好みに合わせて、さまざまな味付けが楽しまれています。
お雑煮の具材で、伝統的なものと現代的なものの違いはありますか?
伝統的なお雑煮の具材には、鶏肉、大根、人参、かまぼこなどがありますが、現代ではバリエーションが広がっています。
例えば、シーフードや豆腐、根菜類などが加わり、より多様な味わいが楽しまれています。
また、健康志向の高まりにより、野菜を多く使ったレシピも人気を集めています。
お雑煮を美味しく作るためのコツはありますか?
お雑煮を美味しく作るコツは、まず良質な出汁を取ることです。
昆布やかつお節、鶏ガラなどを使って丁寧に出汁をとることで、深みのある味わいが生まれます。
また、具材は大きめに切り、食感を楽しめるようにするのもポイントです。
餅を入れるタイミングにも注意し、煮過ぎないようにすることが大切です。
お雑煮は地域によってどのように異なりますか?
お雑煮は日本全国で食べられていますが、地域によって大きく異なります。
例えば、関東では醤油ベースのスープに煮込んだ餅を使い、具材には野菜や鶏肉が入ります。
関西では白味噌や赤味噌を使ったスープに焼いた餅が特徴です。
まとめ
白味噌で作る雑煮のレシピ紹介は以上になります。
調理過程に大きな違いこそありませんが、レシピによっては使う具材や出汁が微妙に異なるものがあるのが面白いですね。
個人的に興味を持ったのは香川県のあん餅お雑煮です。
意外な組み合わせでしたが、レシピ動画を見ていると美味しそうに思えたので機会があれば食べてみたいです。
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