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俳句季語としての二百十日の意味と由来、正しい使い方を解説!

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二百十日は、日本の伝統的な季節の目安としても知られていますが、俳句では重要な季語としても扱われます。

この雑節は、特に夏の終わりを感じさせる重要な時期を象徴し、多くの古典作品にも登場します。

今回は、二百十日が俳句でどのように用いられるのか、その文化的な意味と由来に深く迫ります。

また、名高い作家、夏目漱石がどのようにこの季語を取り入れたのか、その文学的な背景も探ります。

俳句愛好家だけでなく、日本文化に興味のある方にも楽しんでいただける内容です。

この機会に、二百十日の豊かな意味合いを深く掘り下げてみましょう。

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俳句季語としての二百十日の意味と由来!

俳句の季語として用いられる二百十日ですが、基本的な意味や使い方は雑節の二百十日ほとんど同じです。

それを踏まえた上で、内容を確認していきましょう。

二百十日の意味

二百十日は雑節の一つで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)となります。

基本的に立春は2月4日か2月5日となっているので、この二百十日は9月1日頃が当てはまるでしょう。

基本的に雑節は農作業にまつわるものが多いのですが、この二百十日も例にもれずその類いの一つなのです。

雑節になっている理由は当時の人達がこの日付を台風が来て天気が荒れやすい農家にとっての『三大厄日』としているからです。

また、稲の開花時期でもあり秋の収穫前の大切な時期でもあったために、米農家にとって注意喚起をする日として設定されたのでした。

俳句として用いるときは、シンプルに9月1日頃を表現するために用いることもあれば、台風にからめて用いることもあります。

二百十日の由来

こういった雑節は戦国時代の頃には存在しており、江戸時代にはまとめられて正式な形になったというパターンが非常に多いです。

しかし、正式な由来についてはわかっておりません。

中国由来のものなのか、農家独自の考えが広まったのか、陰陽道にまつわる何かなのか、憶測推測はいろいろありますが結局は不明のままなのです。

それでも、1634年に安田茂兵衛尉重次が著した『全流舟軍之巻』では『野分と云ふ風の事。是は二百十日前後七日の内に吹くもの也』と二百十日に関する記載があったので、この頃にはこの二百十日という考え方は存在していたと言われています。

少なからず江戸時代の頃には存在していた雑節ということはわかっています。

季語としての二百十日の正しい使い方

意味については解説しましたが、使い方については触れませんでした。

筆者が見た限りだと、この二百十日を俳句で使っている人はどちらかというと9月1日頃という事を伝えるための表現として用いていることが多く感じられます。

これは言葉では非常に説明しにくいので、実際に俳句として使われている一文を見ていきましょう。

・火の国の厄日過ぎたる陸稲(をかぼ)の香:大島民郎
・菜大根に二百十日の残暑かな:李由
・風少し鳴らして二百十日かな:尾崎紅葉
・荒れもせで二百十日のお百姓:高浜虚子
・大厄日西広々と暮れにけり:松村浪山
・小百姓のあはれ灯して厄日かな:村上鬼城
・十日過ぎ二百二十日の萩の花:横山蜃楼
・ひらひらと猫が乳呑む厄日かな:秋元不死男
・空ふかく二百十日の鳥礫(とりつぶて):青木泰夫
・二百十日も尋常の夕べかな:与謝蕪村
・いつのまに降つて止みゐし厄日かな:岸田稚魚
・おほぞらは桔梗色の厄日かな:糟谷青梢

夏目漱石の『二百十日』について

雑節の二百十日は知らないという方でも、本が好きという方は夏目漱石の作品としての『二百十日』は知っているという人もいるでしょう。

こちらは夏目漱石の中篇小説で、1906年に雑誌『中央公論』に発表されました。

中身は阿蘇山を登る圭さんと碌さんの2人の会話体で終始する小説で、その途中で二百十日の嵐に出くわし道に迷って目的を果たせぬまま宿場に戻ってしまうという内容です。

ここで登場する二百十日は紛れもなく、雑節の二百十日のことで台風が直撃したという意味も、元々の意味にマッチしています。

また、この中篇小説『二百十日』はどうやら夏目漱石の実体験を元に描かれているとのことです。

友人の山川信次郎とともに阿蘇各地を巡って9月1日に登頂しようとしたら嵐に遭って断念したとのことでした。

二百十日を使った時効の挨拶(書き出し)

次は、この二百十日を使った時効の挨拶(書き出し)について見ていきましょう。

・二百十日もことなく過ぎ、皆々様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・二百十日もことなく過ぎ、皆様にはますますご活躍のことと拝察いたしております。
・二百十日もことなく過ぎました。ご家族の皆様、お元気でいらっしゃいますか。
・二百十日もことなく過ぎ、穏やかな好季節となってきました。皆様お変わりございませんか。
・二百十日も穏やかに過ぎ心地よい秋へと季節が変わりました。お元気でご活躍のことと存じます。
・二百十日も無事に過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか。
・二百十日も無事過ぎまして○○様にはご清祥のことと存じます。
・二百十日も無事に過ぎましたが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。

二百十日に行われる行事と風習

次は二百十日に行われる行事と風習についてまとめましょう。

風切り鎌

こちらは台風よけのまじないとして用いられた風習です。

やり方は地域によって異なるようですが、有名なものは竹竿の先端に鎌を取り付けた物となっています。

このように作った風切り鎌を軒先に立てたり屋根の上に取り付けるといった風習になります。

この風習が見られる有名な建物が現存しており、それが奈良法隆寺五重塔の頂に設置された雷よけです。

あれは台風避けの意味も込められています。

よく見ると鎌が取り付けられることがわかるのですが、あれが風切り鎌なのです。

団子やきのこご飯を食べる

これも先述した行事食であり、風祭の風習が残っている地域はこういった行事食を食べる習慣がノコッチえる可能性があります。

行事食は一度神棚に添えてから下ろして食べるというスタンスになるので、こちらも同じでしょう。

風祭(風日待ちや風鎮祭)

二百十日で有名な風習はやはり『風祭(風日待ちや風鎮祭)』でしょう。

この祭りは風神信仰から始まる仕事や生活を脅かす台風被害をさけ、必要な風が上手く吹いてくれるように願う儀式となります。

ただし、今現在日本に住んでいる方ならわかると思いますが、台風は8月中頃から10月頃までくるものなので、この風習は二百十日以外にも当てはまっているようです。

具体的には『八月朔日』と『二百二十日』も該当します。

二百十日は天気が荒れやすい農家にとっての『三大厄日』と紹介しましたが、『八月朔日』と『二百二十日』もその『三大厄日』に入っているのです。

なので、地方にある風祭は二百十日以外に八月朔日と二百二十日に行われているケースがあります。

具体的にお祭りを紹介すると、以下のお祭りが風神様に関係するお祭りとなっています。

・富山県富山市八尾町『おわら風の盆』
・山形県朝日町『大谷風神祭』
・新潟県弥彦村・弥彦神社『風鎮祭』
・新潟県加茂市・青海神社『秋季大祭』
・新潟県糸魚川市・日吉神社『秋の大祭』
・石川県加賀市・山代温泉『八朔祭り』
・山梨県都留市『八朔祭り大名行列・屋台巡行』
・奈良県天理市・大和神社『風鎮祭』

二百十日はいつのこと?

二百十日は雑節の一つで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)となります。

基本的に立春は2月4日か2月5日となっているので、この二百十日は9月1日頃が当てはまるでしょう。

二百十日に関するよくある質問

「二百十日」とは何を意味しますか?

「二百十日」は、立春から数えて210日目にあたり、日本の伝統的な暦の中で特に風が強いとされる日です。

この日は台風や強風が多く発生する季節の変わり目にあたり、農作業や漁業に従事する人々にとって注意が必要な日とされています。

二百十日はいつ頃ですか?

二百十日は毎年8月末から9月初旬にかけての日にあたりますが、年によって若干の違いがあります。

立春の日付によって変動するため、正確な日付は毎年異なります。

二百十日に関連する風習や行事はありますか?

二百十日には特定の風習や行事が全国的に行われるわけではありませんが、地域によっては農作業や漁業の安全を祈願する祭事が行われることがあります。

また、自然災害に対する備えとして、家の修繕を行うなどの習慣がある地域もあります。

二百十日に注意すべきことは何ですか?

二百十日は強風や台風が発生しやすい時期であるため、農作物や家屋への被害を避けるための準備が必要です。

具体的には、窓や戸の補強、飛散物の確認と固定、避難準備などが推奨されます。

また、最新の気象情報をチェックし、必要に応じて行動を変更することが重要です。

二百十日を過ぎると天候はどのように変化しますか?

二百十日を過ぎると、一般的には秋へと移り変わる時期とされ、気温が徐々に下がり始めます。

しかし、この時期はまだ台風の影響を受けやすいため、気象状況には注意が必要です。

秋の訪れと共に、天候は安定し始める地域も多いですが、地域によって差があります。

二百十日に特別な食べ物や料理を楽しむ習慣はありますか?

二百十日に特定の食べ物や料理を楽しむ全国的な習慣はありませんが、地域によっては収穫期を迎えるこの時期に旬の食材を使った料理を楽しむ文化があります。

例えば、秋の味覚を先取りする形で、新米や根菜類、秋鮭などを使った料理が家庭で作られることがあります。

二百十日を過ぎた後に気をつけるべき自然現象はありますか?

二百十日を過ぎた後も、台風や秋雨前線による大雨など、引き続き気をつけるべき自然現象があります。

特に台風シーズンはまだ続いているため、最新の気象情報に注意を払い、必要な準備と対策を行うことが重要です。

「二百十日」の由来や歴史的背景について教えてください。

「二百十日」の由来は、古来より農業社会で重要視されてきた季節の節目に根ざしています。

立春から数えて210日目にあたるこの日は、過去に多くの自然災害が発生した記録があることから、特に注意が必要な日とされてきました。

日本の暦の中で、自然のリズムと農作業の周期を重視する文化の一環として位置づけられています。

二百十日の日に行うと良いとされる行動や習慣はありますか?

二百十日の日に特に行うと良いとされる行動や習慣は、自然災害への備えを見直すことです。

家の安全確認、非常用品の準備、家族との避難計画の確認などを行うことが推奨されます。

また、地域によってはこの日を機に秋の準備を始める習慣もあります。

二百十日の期間中に楽しめる季節の行事や祭りはありますか?

二百十日の期間中に特定の行事や祭りが行われるわけではありませんが、この時期は秋の行楽シーズンの始まりとも重なるため、地域によっては収穫祭や秋祭りなど、季節を感じることができるイベントが開催されることがあります。

自然との関わりを大切にする日本の文化を感じることができる良い機会です。

まとめ

以上、いかがでしたか。

今回は俳句季語としての二百十日の意味と由来についてまとめつつ、正しい使い方を解説きました。

○二百十日は雑節の一つで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)のこと

○江戸時代には使われていた雑節だった

○正しい使い方はいくつか俳句で実際に使っているものを紹介したのでそちらを参照!

いろいろと知名度が低い雑節になってしまった二百十日ですが、昔の農家の方々にとっては重要な暦日だったのです。

こういった風習を調べると、当時の文化を知られて面白いですよ。

二百十日をもっと深掘りしよう!

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