今回のテーマは、日本の季節の節目を示す雑節「入梅」について深掘りしていきます。
「入梅」の読み方や意味、由来から、梅雨の始まりとどのように関連しているのかを詳しく解説します。
また、入梅にちなんで食べられる伝統的な食べ物や、この期間に行われる特別な行事も紹介。
入梅という言葉がどのように使われ、どのような文脈で用いるのが正しいのか、具体的な例文とともに解説します。
知名度は高くないかもしれませんが、日本の文化としての重要性を見ていきましょう。
興味がある方は、この機会に入梅の奥深さを探ってみてください。
入梅の正しい読み方!
入梅の正しい読み方は『にゅうばい』です。
他の読み方は『つゆいり』『ついり』になります。
入梅の意味と由来は?
次は入梅の意味と由来についてまとめましょう。
入梅の意味は?
入梅とは日本の雑節の一つです。
意味は梅雨入りの時期なのですが、実は定義づけされており基本的には太陽黄経が80度になったとき、すなわち6月11日の事を入梅としているのです。
ただし、使い方が地域によって異なります。
明確にその日が定義づけされているので、世間の梅雨入りタイミングとはずれることも多々あります。
しかし、西関東方言では、梅雨の季節全体を『入梅』と表現しているとのことで、いろいろと厄介な言葉の1つになってしまいました。
入梅の由来は?
入梅という言葉の由来ならば『梅の実が熟す頃に降る雨』という意味から、6月の雨を梅雨と表現するようになり、その梅雨に入ることを入梅を表現したというお話がありました。
他には『カビが生えやすい時期の雨』という意味から転じたという説です。
カビは漢字で『黴』と読むのですがこれは『ばい菌』の『ばい』を漢字にしたものであり、6月の雨を『黴雨』と読んでいたというお話を聞きました。
そこから節にあった果物である『梅』の漢字を当てて『梅雨』に転じて、梅雨に入ることを入梅を表現したとの事でした。
ただし、この言葉をいつから使うようになったのかはわからなかったです。
明確な発生タイミングについては不明ですが、江戸時代の頃にはすでに存在しておりおそらく戦国時代からあったと思われます。
入梅が明確に暦に記載されるようになったのは1685年頃と言われており、今のような使われ方がされるようになったのはここからと言われております。
それ以前にも梅雨入りという意味で入梅という表現をしていたとのことですが、厳密な定義は一定していなかったため由来と言えるかどうかも怪しいです。
ただし、この1685年頃の入梅は芒種後の最初の壬の日とのことで、6月4日から6月16日と今の定義とはずれています。
しかし、平均すれば6月10日なので近いと言えば近いでしょう。
明確に今のような使われ方をするようになったのは、1844年の天保暦からでありここで太陽黄経80度の日と定義され、今の形になったのでした。
今の入梅という意味で明確に使われるようになったのは1844年からと言えるでしょう。
入梅の正しい使い方は?
入梅は先ほど記載したように意味は梅雨入りの時期ですが定義づけされており基本的には太陽黄経が80度になったとき、すなわち6月11日の事です。
この入梅の使い方としては時候の挨拶でしょう。
つまり『入梅の候』となります。
こうなると意味は『今年も梅雨入りの時期になりました』となり、6月ぐらいに使う仕事上の文章となるでしょう。
入梅を使った例文を紹介!
先ほど時候の挨拶として紹介したので、具体的な時候の挨拶を交えた例文を紹介します。
・拝啓 入梅の候、いかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 入梅の候、〇〇様におかれましてはその後お変わりなくお過ごしのことと存じます。
・入梅とはいうものの、天気が良い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
・拝啓 入梅の候、雨降りの日が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
・拝啓 入梅の候、梅雨明けが待ち遠しい今日この頃となりました。
・拝啓 入梅の候、梅雨冷えが肌寒い季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
入梅と梅雨入りの違いは?
次は入梅と梅雨入りの違いについて解説します。
これはそれぞれの意味をまずはチェックして考えましょう。
入梅
暦上は太陽黄経が80度になったとき、すなわち6月11日の事。梅雨入りという意味もある
梅雨入り
梅雨の季節に入ること。南北に長い日本では実際の梅雨入りは地域で大きくずれる
このようにかなり近い意味であることがわかります。
そのため、気象上では入梅という言葉は使わずに梅雨入りという表現で統一しているという意見がありました。
これは『「入梅」と「梅雨入り」、使い分けは? | ことば(放送用語) – 放送現場の疑問・視聴者の疑問 | NHK放送文化研究所』というページで詳しく解説しているのでチェックして見るといいでしょう。
入梅の時期に食べる食べ物
入梅の時期に食べる食べ物についてまとめましょう。
入梅は6月11日なので、この頃が旬の食べ物を選ぶのが正解です。
具体的に見ていきましょう。
いわし
入梅の頃のいわしは入梅いわしと呼ばれており脂がのってうまいと評判です。
1年のうちでもっとも脂がのっていておいしいいわしが食べられるタイミングとしても有名でしょう。
日本一マイワシ水揚げができる港のある千葉県銚子では新鮮ないわしを刺身といった『いわし料理』がいろいろとあるようで、この時期は活発にいわし料理が並ぶと言われております。
オクラ
粘り気のある食べ物としても有名なオクラですが、旬の時期は6月から9月なのでいろいろとオススメできます。
というのも、オクラは胃腸の調子を整える役割があり、夏バテ防止にも効果的だからです。
昨今の夏はびっくりするぐらい暑くなるので、夏バテ防止の食べ物はこの頃から摂取した方がいいと思います。
枝豆
夏といったらビールに枝豆というイメージを持っている人がいると思いますが、枝豆は旬が6月から8月なのです。
なので、入梅のタイミングで旬になっています。
お酒を飲むときにセットのように出される枝豆ですが、アルコールの分解を促す酵素を含んでいるのでどうしてもお酒を飲む必要があるときはこちらも摂取することをオススメします。
豆類なので大豆同様、良質なたんぱく質やカルシウムが含まれているというのもいいですね。
トマト
フルーツトマトの旬は春ですが、普通のトマトの旬は6月から8月です。
入梅のタイミングと旬になるタイミングが被っていますね。
丸みがあり重いものが、糖度が高くおいしいのでよりおいしいトマトを探しましょう。
さくらんぼ
サクランボの旬は6月から7月上旬までです。
追熟できない果物なので、このタイミングで栽培した物をおいしくいただきましょう。
味がかなり落ちやすい果物なので、2日程度で食べることがオススメです。
入梅に関するよくある質問
「入梅」とは具体的にどのような意味がありますか?
「入梅」(にゅうばい)は、日本の伝統的な暦において梅雨の始まりを表す雑節です。
この期間は、一般的に湿度が高く、断続的な雨が特徴的で、農作業や日常生活に影響を与える時期とされています。
入梅の時期はいつ頃ですか?
入梅の時期は地域によって異なりますが、日本では一般的に6月初旬から中旬にかけてとされています。
具体的な日付は年によって変動し、気象状況によっても異なります。
入梅に農作業や庭仕事で注意すべきことは何ですか?
入梅期間中の農作業や庭仕事では、適切な雨対策が必要です。
植物の過剰な水分吸収を防ぐための排水対策、土壌の湿度管理、雨具を用いた作業、そして病害虫への対応が特に重要となります。
入梅期間中におすすめの活動はありますか?
入梅期間中は屋内活動がおすすめです。
例えば、美術館や博物館の訪問、読書、室内スポーツ、映画鑑賞など、雨天にも楽しめるアクティビティを計画すると良いでしょう。
また、梅雨の時期に特有の風情を楽しむために、雨の中の散歩や庭園の鑑賞も特別な体験になります。
入梅期間の健康管理で気をつけるべきことは何ですか?
入梅期間の健康管理では、高湿度による体調不良に注意することが重要です。
湿度が高いと不快指数が上昇し、睡眠不足やカビの発生、食品の保存状態にも影響を及ぼす可能性があります。
適切な室内の換気と除湿、身体の保温、健康的な食事と水分補給に留意することがお勧めです。
入梅の期間中に特に注意すべき天候の変化は何ですか?
入梅の期間中には、突然の激しい雨や雷雨に特に注意が必要です。
この時期は、不安定な気象条件が発生しやすく、局地的な大雨や洪水のリスクが高まります。
外出時には最新の気象情報を確認し、必要に応じて防水対策を行うことが推奨されます。
入梅期間中の室内環境を快適に保つためのヒントはありますか?
入梅期間中の室内環境を快適に保つためには、除湿器の使用や適切な換気で湿度をコントロールすることが重要です。
また、カビの発生を防ぐために定期的な掃除と、湿気の多い場所では空気を循環させることが効果的です。
入梅期間中に行うべき庭の手入れや植物のケアはどのようなものですか?
入梅期間中の庭の手入れや植物のケアには、過剰な水分が植物に溜まらないように排水対策を行う、梅雨特有の病害虫に対する予防と対策を実施する、強風時の植物の保護策を準備するなどがあります。
また、日照不足に対応して植物の成長をサポートする方法も考慮すると良いでしょう。
入梅期間中のアウトドア活動での服装の選び方はどのようにすれば良いですか?
入梅期間中のアウトドア活動では、防水性と通気性を兼ね備えた服装を選ぶことが重要です。
レインコートやレインブーツ、速乾性のある衣類を用いることで、雨天でも快適に活動することが可能です。
また、気温の変動に対応できるように、重ね着をすることも考慮に入れましょう。
入梅期間中に家で過ごす際のおすすめの過ごし方は何ですか?
入梅期間中に家で過ごす際は、読書、映画鑑賞、室内での趣味の時間、家族や友人とのゲームや料理などがおすすめです。
また、この時期は自宅でのリラクゼーションやインドアホビーに時間を費やす絶好の機会と言えます。
雨音を聞きながらのんびりと過ごすのも、入梅期間ならではの楽しみ方です。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は入梅の読み方、意味や由来についてまとめつつ、正しい使い方と例文も紹介しました。
○入梅の読み方は『にゅうばい』で、他の読み方は『つゆいり』『ついり』
○入梅という言葉の由来は『梅の実が熟す頃に降る雨』という意味から6月の雨を梅雨と表現するようになったから
いろいろと意味や読み方を紹介しましたが、梅雨入りと非常に似た意味も持っているため言葉としてはかなり使いにくいようです。
そのため、天気予報ではあえてこの入梅という表現を使わないようにしているとのことですが、これにはちょっと驚きました。
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