その日の吉兆を表す暦注もカレンダーに記載されるモノが少なくなっていますが、それでも比較的知名度があり意識しなければいけない暦注も存在するのです。
今回は暦注や選日に興味が無いという方にとっても意識してもらいたい三隣亡とは何かを解説し、意味や由来や読み方などを記載して参ります。
引っ越しや結婚式といった慶事、または吉日と重なったときの考え方も見ていきましょう。
三隣亡の意味や由来
三隣亡とは選日の一つで現代では「屋立てあし」や「蔵立てあし」という意味がある日です。
もっとわかりやすく記載すると「家を建てるのに都合の悪い日で、建築事を行うと三軒隣まで火事で亡ぼす凶日」が三隣亡となります。
そのため、建築関係者にとって最大の大凶日とされているので、建築業界では今でも意識している人が多い選日なのです。
この三隣亡の由来ははっきりとしておりませんが、江戸時代の書物には記載してあったのでその頃から使われていたと思われます。
ただし、この書物には三隣亡が「三輪宝」と記載してあり、説明文には「屋立てあし」や「蔵立てあし」ではなく「屋立てよし」や「蔵立てよし」と記載してあります。
つまり、三隣亡とは建築に最適な「良し」とされる日だったのですが、いつの間にか「悪し」とされる日になってしまったということになります。
由来や過去の意味を調べてみると色々と移り変わっている選日であることがわかりますので、迷信と一周する人も多いでしょう。
しかし、建築業界では信じている人もまだまだいますので、信じている人もいるという事実は受け止める必要があります。
三隣亡の読み方は?
三隣亡の読み方は「さんりんぼう」です。
三隣亡は先ほど記載したように今でも建築業界で使うことがある言葉で、一般的なパソコンやスマートフォンでも一発変換できる言葉となっております。
今ではカレンダーに記載されなくなった三隣亡なのですが、建築業界などの一部ではやはり通用するワードなので、単語登録もしっかりとされているのでしょう。
2023年の三隣亡はいつ?
2023年の三隣亡は以下のとおりです。
2月:10日、22日
3月:9日、21日
4月:2日、6日、18日、30日
5月:17日、29日
6月:13日、25日
7月:11日、23日
8月:8日、9日、21日
9月:2日、17日、29日
10月:15日、27日
11月:13日、25日
12月:10日、22日
三隣亡の日にちを決めるルールは二十四節気を元にした節切りと日の十二支の組み合わせにあります。
具体的に記載すると、旧暦の1月亥の日、旧暦の2月寅の日、旧暦の3月午の日、旧暦の4月亥の日、旧暦の5月寅の日、旧暦の6月午の日、旧暦の7月亥の日、旧暦の8月寅の日、旧暦の9月午の日、旧暦の10月亥の日、旧暦の11月寅の日、旧暦の12月午の日となっているのです。
日の十二支は12日サイクルでまわっていますので、1年間に30回ほどこの選日が発生することがわかります。
2023年だと28回ほど三隣亡が発生しますが、例年と比べる少し多い年と言えるでしょう。
吉日と重なるとどうなる?
元々は吉日だった三隣亡ですが、今では建築関係の方々からすると厄介な凶日となってしまいました。
結論から記載すると吉日と重なった場合でも凶日と思って行動している人もいるので注意が必要という回答になるでしょう。
基本的にこのような日の吉凶に対する考え方の答えというものはないので、自分が正しいと思った考え方をそれぞれがバラバラに行っているのです。
吉日と凶日が重なったときの考え方は大きく分けて2つで、1つ目は「吉と凶がぶつかり合ったら相殺される」というモノで2つ目は「吉と凶がぶつかり合ったらより強い力を持っている暦注が勝つ」というモノです。
しかし、この「より強い力」という部分が厄介なところで、この力を判断する基準が明確ではなくばらばらな状態なのです。
そのためこれらの日の吉凶を信じている人で「吉と凶がぶつかり合ったらより強い力を持っている暦注が勝つ」という考え方を持っている人の判断基準は、「こちらの方が強力と聞いたから」とか「ネット上でその力が強いと聞いたから」といったモノになりがちで、その人の判断基準にゆだねられることが多々あります。
個人的な意見ですが、三隣亡は圧倒的なまでの破壊力があるというイメージはそこまで無いので、友引や大安や天赦日といった吉日とセットになった場合は打ち消されるような気がします。
それでも確かな情報の元に判断しているのではなく、なんとなくそんな気がするといったとっても不確かな判断なので、なんとも言えないのです。
これらの吉凶を有効活用したいという方は、凶日になったら「今日は○○に気をつければ大丈夫!」とポジティブにとらえて、吉日になったら「今日はついている日だから積極的に動く!」とこちらもポジティブにとらえればいいのです。
わざわざマイナスイメージをもってメンタル的にマイナス方向に持っていく必要はありません。
結婚式や入籍は避けるべき?
基本的にこの三隣亡は建築業界ではアウトとなっているワードですが、実は「○○を築く」といくワードに連なるモノもアウトという意見があります。
これは結婚や入籍が「家庭を築く」という考え方に結びつきますので、アウトになるという考え方です。
ただし、これらの考え方よりも六曜を意識した人の方が多くなっていますし、そもそも六曜を全く意識しない人も出ていますので、そこまで三隣亡と結婚や入籍を意識する必要は無いでしょう。
個人的な見解ですが、仏滅と三隣亡のどちらを避けた方がいいのかという意見があった場合、六曜の方が知名度が高いと感じておりますので、仏滅を避けた方がいいと考えてしまいます。
やはり最終的にはその地域の風習次第になりますので、それらの情報を精査してから判断して行動した方がいいでしょう。
引っ越しはしてもいい?
建築関係のNGとなる三隣亡は、棟上げや土起こしとも相性が最悪と言われていますが、引っ越しとも相性が悪いと言われております。
建築業界では忌み嫌われている三隣亡が一般家庭に影響をもたらすことが多いのがこの引っ越しの部分で、三隣亡という凶日を強く信じている人はその日の引っ越しを快く思うことは少なく嫌な顔をされる可能性があるのです。
その日の吉凶に興味が無いという方でも、三隣亡に引っ越しをすると嫌われる可能性があるということを覚えてください。
まとめ
以上、いかがだったでしょうか。
今回は三隣亡について詳しく解説しました。
この三隣亡は今でも知名度が高い凶日ですので、その日の吉凶を迷信として全く信じていない人でも覚えておいてもらいたい情報をなっています。
自分が信じていなかったとしても周りで信じている人は出てくる可能性があるので、トラブルを避けるためにも火種になりそうな行動を前もって理解してさける事が重要になるでしょう。
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