十日戎は、正月10日に西日本を中心に行われる伝統的な祭礼です。
この行事では、商売繁盛を願って七福神の一柱である恵比須神を祀ります。
起源は豊臣時代、戦国時代の末期にさかのぼり、恵比須神信仰が根強かった時期です。
今回の記事では、十日戎の歴史的背景やその意義を深く掘り下げ、また、祭りで使われる熊手や福笹の飾り方についても詳しく解説します。
十日戎の伝統を理解し、その魅力に触れてみましょう。
十日戎飾りの意味や由来
戦国時代末期頃は商人たちが躍進し出したころでもありました。
そのため、七福神の一柱で商売繁盛の神様である恵比須神を信仰している商家の多い町がどんどん発展していったそうです。
江戸時代に突入すると、関西では商人が一番栄えるようになったとされます。
そのため、恵比須神に商売繁盛の祈願をする十日戎は関西では盛んに行われるようになったようです。
そんな十日戎は1月10日、もしくは1月9日から1月11日の三日間の間に開催されています。
三日間で開催する場合は1月9日を「宵えびす」、1月10日を「本えびす」、1月11日を「残りえびす」と呼びます。
いずれにしても1月10日をメインとしているのは諸説ありますが、1月10日が恵比須神の誕生日だからという説があります。
福笹や熊手の意味や由来
十日戎では福笹や熊手が売られています。
福笹は商売繁盛のご利益がある縁起物とされています。
また、福笹を恵比須神が持つ釣り竿に見立てて飾るという説もあるようです。
熊手はものをかき集めることから「福や金運をかき集める」縁起物として知られていますよね。
そのため、商売繁盛を祈願する十日戎でも縁起物の一つとして売られているそうです。
福笹
十日戎で福笹が縁起物とされているのは、笹の大元である竹の性質に由来します。
竹は真冬でも枯れることなく青々とした葉をつけ、真っ直ぐに伸びることから生命力の強い神聖な植物と考えられてきました。
その真冬の寒さにも耐える生命力の強さを苦難や逆境にも耐えられる商売人魂と結び付け、「商売をする上で訪れる困難を乗り越えよう!」という意味をこめて福笹を縁起物としたようです。
そんな福笹に米俵や小判、鯛を模した縁起物を付けて飾ることで福を招くとされています。
また、十日戎では祭事の際に「商売繁盛で笹を持ってこい!」という掛け声がかけられるようです。
熊手
酉の市などでも売られている熊手は十日戎でも招福の縁起物として売られています。
熊手は穀物や落ち葉などをかき集めるための農具で、物をかき集めるために使われることから「福や金運をかき集める」縁起物として酉の市などで販売されるようになったようです。
福笹と同じように米俵や小判、鯛などを模した縁起物の飾りが付けられています。
酉の市や十日戎で買った熊手や福笹を家に持ち帰り飾ることで商売繁盛を祈願したと言われています。
また、熊手の場合は昨年買ったものよりも大きな熊手を購入することで商売繁盛に繋がるとも言われています。
福笹や熊手の正しい飾り方は?
十日戎で購入した福笹と熊手はどこに飾ればいいのかと言うと、福笹は本来、神棚に飾るのだそうです。
神棚がない場合は頭より高い位置で清らかな場所が良いとされています。
これだと少し分かりづらいですが、要するに頭より高くてきれいな場所に飾ればOKだと思われます。
玄関やリビングなどの人が集める場所がベストのようです。
ポイントは福笹が落ちないようにしっかり固定することです。
熊手も神棚に飾るものですが、神棚がない場合は福笹と同様に高い位置に飾るのが基本とされています。
特にベストな場所は玄関の高い場所です。
熊手を玄関に飾っておくと福を取り込みやすいと言われています。
熊手を玄関に飾る際には入り口に向けて飾ると良いとされています。
福笹と熊手の飾り方への注意点としては、
2.他の開運グッズと一緒に置かない。
3.トイレやゴミ箱の近くは避ける。
4.置き方に注意する。
この四つを守れば大丈夫なようです。
飾る方角について
飾る方角にもベストな場所があるようです。
十日戎の福笹と熊手を飾るのに良いと言われている方角は、太陽が昇る東の方角か、もしくは太陽が通過する南の方角と言われています。
ここで注意しなければならないのは、東側や南側に飾るということではないということです。
福笹と熊手を東側か南側に飾るのではなく、福笹と熊手が東の方角か、もしくは南の方角を向くようにして飾らなければなりません。
つまり、東の方角に向くように飾るのなら西側に、南の方角に向くように飾るのならば北側に飾るというわけです。
十日戎飾りの処分の仕方!
福笹と熊手の処分の仕方はお守りと一緒です。
購入した神社に返納しなければならないので、福笹と熊手を購入した神社に返納するのが処分の仕方になります。
購入した神社が遠い場合は近場の神社でも大丈夫なようです。
また、どうしても忙しくて神社に返納しにいく暇がない人は自宅で処分する方法があります。
福笹と熊手をお清めの塩と一緒に新聞紙に包み、ゴミとして処分してしまってもOKだそうです。
熊手の場合は神社で作るものではないので、神様の御魂が入っていないという扱いになるようです。
ちなみに、福笹と熊手はどのくらいで処分するのかと言うと、購入にしてから1年とされます。
これは福笹と熊手の効果が1年であることが理由になります。
1年経った福笹と熊手は神社に返納しに行くか、もしくは塩で清めて新聞紙に包んで処分するようにしてください。
十日戎飾りに関するよくある質問まとめ
十日戎飾りとは何ですか?
十日戎飾りは、毎年1月10日に行われる日本の伝統的な行事、十日戎(とおかえびす)に関連する飾りつけです。
商売繁盛や家内安全を祈願するために、特に商店や企業が神棚や店先に飾るものです。
縁起物の飾りや、戎様(えびす様)の像が含まれることが多いです。
十日戎飾りに含まれる主なアイテムにはどのようなものがありますか?
十日戎飾りには、福笹(ふくざさ)や縁起の良い飾り物が含まれます。
福笹には、小さなだるまや破魔矢、金運を象徴する小物などが飾られ、これらは一年の商売繁盛や家庭の幸福を願う象徴です。
また、戎様の像もよく用いられ、福を招くとされています。
十日戎飾りの飾り方に特に注意すべき点はありますか?
十日戎飾りの飾り方には、特に大きな決まりはありませんが、縁起を担ぐ意味で清潔で整った状態で飾ることが重要です。
また、飾りつけるアイテムは、その年の願いや目標に応じて選ぶと良いでしょう。
福笹は立てて飾り、戎様の像は神棚や目立つ場所に安置するのが一般的です。
十日戎飾りを設置する期間はどのくらいですか?
十日戎飾りを設置する期間は、地域や個々の習慣によって異なりますが、一般的には1月10日の十日戎の日から始まり、数日間から1週間程度が目安です。
飾りつけは、祭りが始まる前に行うことが多く、祭りが終わった後には適切に片付けます。
十日戎飾りを終えた後の処分方法について教えてください。
十日戎飾りを終えた後の処分方法は、地域の風習や神社の指導に従うのが一般的です。
多くの場合、使用した福笹や飾り物は、次の年の十日戎で行われる「どんど焼き」などの行事に持参して焼き払うことが推奨されています。
これにより、前年の福が感謝され、新たな福を迎える準備が整います。
十日戎飾りに使われる福笹の意味や由来は何ですか?
福笹は十日戎飾りに欠かせないアイテムで、商売繁盛や福を招くシンボルとされています。
笹は成長が早く、直立する姿から繁栄や成長を象徴すると考えられています。
また、緑の葉が常に新鮮であることから、永続的な若さと健康を意味し、福を呼び込む力があるとされています。
十日戎で戎様にお参りする際のマナーや心得はありますか?
十日戎で戎様にお参りする際は、まずは心を清めることが大切です。
手水舎で手と口を清め、心静かに神前に進みます。
お参りでは、商売繁盛や家族の幸福を祈り、感謝の気持ちを伝えることが重要です。
また、混雑する場合が多いので、他の参拝者に配慮しながら行動することが求められます。
十日戎飾りを自宅で飾る場合、どのような位置や場所が適切ですか?
十日戎飾りを自宅で飾る場合、家の入り口やリビング、神棚など目立つ場所が適切です。
入り口に飾ることで、福を家に招き入れる意味があります。
また、清潔で明るい場所を選び、他の飾り物と調和するように配置すると良いでしょう。
十日戎飾りに関連して行われるイベントや祭りはありますか?
十日戎飾りに関連して、多くの地域で特別なイベントや祭りが行われます。
特に大阪の今宮戎神社で行われる十日戎は有名で、福笹の配布や、福引き、露店などが出て賑わいます。
これらのイベントは地域の商売繁盛を願う大切な行事として、毎年多くの人々が参加します。
十日戎飾りはどのようにして手に入れることができますか?
十日戎飾りは、十日戎の時期になると、神社や商店街、一部の店舗などで販売されることが多いです。
特に十日戎を大々的に祝う地域では、神社の境内や周辺で福笹や飾り物を購入できます。
また、手作りすることも可能で、自分の願いや目標に合わせて飾り付けをすることができます。
まとめ
十日戎は関東住まいだとあまり聞きなれない行事ですね。
毎年恒例の福娘や福男選びが十日戎の行事だそうですが、他に何をする祭事なのかは知りませんでした。
酉の市は聞いたことはあるのですが…。
どうやら、関西から西日本を中心に広まったようです。
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