八十八夜、この言葉をどう読むかご存じですか?
正解は「はちじゅうはちや」と読みます。
日本の伝統的な季節の節目であり、お茶の摘み始めとしても知られています。
本記事では、八十八夜の正しい読み方とその文化的背景、さらには俳句の季語としての使い方について深堀りしていきます。
また、八十八夜とお米との意外な関連性も紹介します。
言葉の響きだけでなく、その背後にある日本の美しい文化や伝統に触れ、新たな発見をしていただける内容となっています。
ぜひ、この機会に八十八夜の深い魅力に迫ってみましょう。
八十八夜の正しい読み方!
八十八夜の正しい読み方は『はちじゅうはちや』です。
「夏も近づく八十八夜」の歌い出しで知られる『茶摘』という古い日本の唱歌を知っているという方ならば聞いたことがあると思います。
八十八夜の正しい使い方
八十八夜の使い方としては『八十八夜の別れ霜』といった言葉で使うことぐらいでしょう。
辞書で調べても例文は特にないといった書かれ方をするレベルなので、通常の一単語として用いるのが正解だと思われます。
八十八夜を使った例文まとめ
ハッキリ言って日常的にはなかなか使わない言葉なので、例文も非常に少ないです。
辞書で調べてもなかなか出てこないでしょう。
筆者が考えた例文をここではいくつか並べておきますので、ちょっとした参考にしてください。
俳句の季語としての八十八夜の意味
八十八夜は立春から八十八日目にあたる日のことであり、ギリギリで春に該当します。
そのため、八十八夜は春の季語なのです。
言葉の意味としては『立春から数えて八十八日目にあたる日』ということで5月上旬となるので、晩春から初夏を表現するときに使うといいでしょう。
実際に八十八夜を用いた俳句は以下の通りです。
桂信子:音立てて 八十八夜の 山の水
石田波郷:雨風の 八十八夜 すべもなし
平畑静塔:鯉のぼり 泳ぎて八十八夜 越す
太田秋峰:あかんぼに 皺なき 八十八夜かな
藤田湘子:逢ひにゆく 八十八夜の 雨の坂
鈴木六林男:八十八夜 都にこころ やすからず
大野林火:偕老の 八十八夜の 茶もともに
八十八夜の数え方は?いつから数える?
八十八夜とは立春を第1日目としたときに八十八日目が該当します。
つまり、立春の87日後が八十八夜ということです。
これはちょっとややこしいので注意してください。
ちなみに、立春はだいたい2月3日から2月4日になっているので、そこから87日飛ばした日が八十八夜となります。
八十八夜とお米の関係について
八十八夜とお米の関係はそもそも八十八夜がどういった意味を込められているのかで見えてきます。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
そもそも八十八夜って何?
ここではそもそも八十八夜とは一体何なのかを解説します。
八十八夜とは二十四節気・五節句などの暦日以外に、季節の移り変りをよりわかりやすくするために用いられた暦日の一種『雑節』の一つとなります。
ポイントは『季節の移り変りをよりわかりやすくするために用いられた暦日』という部分で、もれなくこの八十八夜もそういった意味が込められているのです。
そして八十八夜とは立春を第1日目としたときに八十八日目が該当します。
つまり、立春の87日後が八十八夜ということです。
立春がだいたい2月3日から2月4日になっているので、そこから87日飛ばした日が八十八夜となります。
なので、ある程度八十八夜も固定されておりほぼ5月1日から5月3日がこの雑節となるのです。
さらに注目すべき点はこの言葉だけではただ単に立春を目安にしてどれだけ日をまたいだかを知るための指針に過ぎないということになります。
こういった雑節がわざわざもうけられているという事は、5月1日から5月3日に何かやるべき事があるという意味を持っているのです。
お米との関係性は?
立春から87日後の八十八夜が雑節として設けられている理由は、農家にとっていろいろと縁起のいい日とされているからです。
実家がちょっとした地方にある方なら「八という数字は末広がりで縁起がいい!」という意見を聞いたことがあるでしょう。
そして、この末広がりで縁起がいい八が重なる八十八という数字は非常に縁起がいいとされているのです。
八十八を組み合わせると『米』という字になるというのも、農家としては見過ごせないのでしょう。
究極的な験担ぎがしやすい日となっているのです。
そのため、農家の方々は夏へ向けての準備を本格的に初めて、田に籾まきを始めるタイミングとなっています。
八十八夜は農家にとって非常に重要だったのは縁起だけ?
この八十八夜は八が重なること、また組み合わせると『米』から縁起がいいとされていますがお米農家以外、農業に従事している方にとっては非常に重要だったようです。
というのも、太陰暦をベースとしている日本の旧暦では、暦日と季節が時期によっては半月もずれるということがありました。
農家にとってこの半月のずれはなかなかに致命的だったので、古代中国人が発明したのが二十四節気の立春を基準としてそういったずれが発生しないように昔から調整していたのでしょう。
ちなみに、日本で太陰暦を廃し、太陽暦を採用するようになったのは1872年11月9日のことであり、それまでは農家にとってこの八十八夜の考え方は重要だったということが見えてきます。
さらにおまけですが、日本の国立天文台でも公式な太陰太陽暦の計算はどうやら行われていないらしく、「今日は旧暦の何日か?」と言われても正確な日にちは答えられないようです。
八十八夜とお茶との関係性は?
この八十八夜は『八十八夜の別れ霜』という言葉があるように、この頃から霜が降らなくなると言われているのも農家さん的には覚えておきたかったポイントなのでしょう。
さらに、このタイミングで摘んだ茶は上等なものとされており、この日摘み取ったお茶は縁起物として重宝されます。
縁起がいいこのお茶を飲むと無病息災で過ごせるという言い伝えもあり、こちらも験担ぎとして重要視されていたのでしょう。
実際に、新茶になるこのお茶は二番茶に比べるとカフェインやカテキンが少なくなりやすいという情報もあり、さらにテアニンという旨味成分が豊富とのことなので味に違いが出て、人によってはリラックス効果も体験できると言われていました。
八十八夜に関するよくある質問まとめ
八十八夜とはいつのことを指しますか?
八十八夜は、旧暦の立春から数えて88日目のことを指し、新暦では大体5月2日前後になります。
この日は日本の農業において重要な節目とされ、春の訪れと農作業の始まりを告げる日です。
八十八夜にはどのような風習がありますか?
八十八夜には、茶の摘み始めが行われることが有名です。
この時期に摘まれる茶葉は「初摘み茶」と呼ばれ、特別な価値を持つとされています。
また、農作業の安全や五穀豊穣を祈る行事も各地で行われます。
八十八夜の茶はどのような特徴がありますか?
八十八夜に摘まれる茶葉は、冬の間にゆっくりと成長するため、栄養が凝縮されています。
このため、初摘み茶は香りが高く、味も濃厚で、新鮮な風味が特徴です。
八十八夜に関連する行事やイベントはありますか?
いくつかの地域では、八十八夜を祝う祭りやイベントが開催されます。
これには、新茶の試飲会、茶摘み体験、地元の農産物を使った市場やフェスティバルなどが含まれます。
八十八夜に摘んだ茶葉を購入することはできますか?
はい、八十八夜に摘まれた茶葉は、多くの茶店やオンラインショップで購入することができます。
初摘み茶は新鮮さと品質が高く評価されるため、早めに購入することをお勧めします。
八十八夜の由来は何ですか?
八十八夜の由来は、古来より農業が盛んな日本において、この時期が農作業のスタートとされていたことにあります。
特に、立春から数えて88日目は気候が安定し始めるため、農作業に適した時期とされてきました。
八十八夜に関することわざや言い伝えはありますか?
八十八夜には「八十八夜の霜は馬をも殺す」ということわざがあります。
これは、この時期までに霜が降ると非常に寒いことを意味し、作物にとって危険なサインであるとされています。
八十八夜に特別な食べ物はありますか?
八十八夜には特定の食べ物が定められているわけではありませんが、新茶を楽しむ文化があります。
また、新茶に合わせて和菓子を味わう習慣もあります。
八十八夜に行われる農作業は何ですか?
八十八夜は稲の田植えや他の作物の播種が始まる時期とされています。
また、茶畑では新茶の摘み取りが最も重要な作業の一つとなります。
八十八夜に気をつけるべきことはありますか?
八十八夜は農作業の始まりを意味するため、農家では作業の計画を立て、畑の準備に気をつける必要があります。
また、霜や急な気温変化にも注意が必要です。
茶摘みに関わる人々は、最高品質の茶葉を摘むための準備が重要です。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は八十八夜の正しい読み方、使い方や例文や俳句の季語についてもまとめました。
○八十八夜の正しい読み方は『はちじゅうはちや』です!
○例文や使い方は『八十八夜は日本独自の風習の一つである』のように一単語として用いる
○俳句としての意味は『立春から数えて八十八日目にあたる日』ということで5月上旬という事で日付を表す
八十八夜は日常会話ではなかなか登場しないため、例文を見てもあまりしっくりこない人が多いと思います。
ぶっちゃけ、筆者も日常会話で使ったことはありません。
メールなどの仕事文書でもなかなか登場しない単語なので、会話文の中に盛り込むといった使い方は無理にしない方がいいでしょう。
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