八十八夜は、春から夏へと移り変わる重要な節目であり、この時期に特に食べられる推奨される食べ物があります。
特に、新茶との結びつきは深く、新茶の初摘みが行われるのが八十八夜とされています。
この時期に新茶を味わうことは、その年の豊作を願う日本古来の風習です。
しかし、現代ではこの伝統的な節目が忘れ去られがちです。
本記事では、八十八夜の由来と意味を掘り下げ、どのように現代の食生活に取り入れるか、具体的な食べ物として何を選ぶべきかを解説します。
八十八夜を知り、季節の変わり目を美味しい新茶と共に感じてみませんか?
八十八夜の食べ物には何がある?
八十八夜は立春を1日目としたときの88日目です。
つまり、5月1日か2日あたりが該当します。
このタイミングで推奨される食べ物と言えば、この日に摘み取られた新茶を摂取するぐらいでしょう。
というのも、お茶を飲むと無病息災で過ごせるという言い伝えもあり、験担ぎとして重宝されていたのです。
ただし、この新茶が私たちの口に入るのが八十八夜かというと、そんなこともなく実際はずれてしまいます。
なので、強いて言うのなら端午の節句が近いので柏餅とお茶をセットでたしなむというのがいいのではないでしょうか。
八十八夜と新茶との関係は?
八十八夜は『八十八夜の別れ霜』という言葉があるように、この頃から霜が降らなくなると言われており、農家さん的には本格的に行動を開始するための日にちとして覚えておきたかったのでしょう。
そして、このタイミングで摘んだ茶は上等なものとされており、この日摘み取ったお茶は縁起物として重宝されます。
縁起がいいこのお茶を飲むと無病息災で過ごせるという言い伝えもあり、験担ぎとして重要視されてきました。
実際に、新茶になるこのお茶は二番茶に比べるとカフェインやカテキンが少なくなりやすいという情報もあり、さらにテアニンという旨味成分が豊富とのことなので味に違いが出て、人によってはリラックス効果も体験できると言われていたのです。
新茶の風習は今でも続いている!
この風習は現代でも残っており、お茶で有名な場所(静岡など)ではこの八十八夜の新茶を今でも大切にしています。
例えば、こちらの『静岡茶通信直販センター / 八十八夜』では静岡県名物のお茶の新茶を取り扱っており、『「一芯三葉」の頃に収穫する、最高級品です。』と売りに出しているのです。
この『一芯三葉』はお茶にまつわる専門用語で『先端から新芽のついた3枚目までの葉』という意味です。
これは茶葉の摘採のときに、先端から新芽のついた3枚目までの葉をつむと良いとされている昔ながらの風習で、お茶農家やお茶屋では古くから使われている言葉となっています。
2023年の発送時期を見てみると5月3日から5月10日までだったため、本当に短期間でしか味わえない名物品とも言えるでしょう。
こちらのサイトにある以下の画像も、八十八夜とはお茶を扱うところでどういった扱い方をされているのかがよくわかるため大変参考になります。
お茶の専門家の方々Jにとって、新茶の魅力は『香り』であり、それが引き立てられるようなお茶を用意してくれていました。
現代日本人にとって遠いものと感じやすい八十八夜ですが、こういった販売方法を見るとかなり身近にあると感じられるので、是非とも見てもらいたいサイトの一つとなっています。
新茶を飲むことでどんな効果がある?
八十八夜の頃の新茶は無病息災の願いが込められており験担ぎのために昔から愛用されていたのです。
冬の眠りから芽吹くその姿からそういった願掛けがされるようになったとのいわれがあります。
江戸時代はとにかく語呂合わせとか縁起がいいものを重宝する傾向があったため、初物を食べると75日長生きするという考え方が発生し、非常に重宝されていたという情報もありました。
八十八夜の意味と由来は?
次はこの八十八夜の意味や由来を調べていきましょう。
八十八夜の意味
八十八夜とは二十四節気・五節句などの暦日以外に、季節の移り変りをよりわかりやすくするために用いられた暦日の一種『雑節』の一つとなります。
ポイントは『季節の移り変りをよりわかりやすくするために用いられた暦日』という部分で、もれなくこの八十八夜もそういった意味が込められているのです。
そして八十八夜とは立春を第1日目としたときに八十八日目が該当します。
つまり、立春の87日後が八十八夜ということです。
俳句などで用いられる言葉としての意味の八十八夜は『立春から数えて八十八日目にあたる日』ということで5月上旬となるので、晩春から初夏を表現するときに使われています。
立春がだいたい2月3日から2月4日になっているので、そこから87日飛ばした日が八十八夜となります。
なので、ある程度八十八夜も固定されており5月1日から5月3日がこの雑節となるのです。
八十八夜の由来
八十八夜の由来を探りましたがハッキリとわかりませんが江戸時代より前からあったと思われます。
江戸時代には新茶の考え方があったと言われていたので、その頃より前にはこの考え方は浸透したはずですがいつ頃から使われていたのかは謎となっています。
いろいろと調べた限りだと、1539年ごろの京の盆踊唄に『亭主亭主の留守なれば 隣あたりを呼び集め 人 ごと言ふて大茶飲みての大笑い 意見さ申そうか』という歌があったので、この頃には京童たちの自宅ではお茶を日常的に飲む文化があったはずです。
お茶を飲む文化があったのなら八十八夜の文化もあった可能性が高いでしょう。
戦国時代はとにかく人の命が軽い時代であり、武士になればなるほど験担ぎを非常に重視していました。
八十八夜の新茶なんかはまさにその験担ぎに該当するので、戦国時代にあったとしても不思議ではありません。
また、昔から末広がりで縁起がいい八が重なる八十八という数字は非常に縁起がいいとされているので、八十八夜への意識は非常に高かったことが予想されます。
八十八夜に何をしたらいいの?
農家であれば新茶を摘み取るとか、田に籾まきを始めるタイミングとかいろいろと意識して行動したいところですが、そういった仕事に従事していない方は特にこれといってするべき事はありません。
強いて言うのなら、ゴールデンウィークが始まっているか本格的に始まる前がこの八十八夜になるのでお休みの計画をいろいろと立ててみてはいかがでしょうか。
または、夏本番になる前に模様替えをするとかエアコンの掃除をするといった行動もオススメです。
八十八夜を使った時候の挨拶
八十八夜を使った時候の挨拶は見つかりませんでしたが書き出し例文はありました。
以下に記載します。
時候の挨拶と結びつけたいという方は八十八夜にまつわる『新茶の候』を使ってみてはいかがでしょうか。
『新茶の候』は八十八夜を迎える5月の初めに使うと良いとされている時候の挨拶です。
例文を一つ紹介します。
八十八夜に関するよくある質問まとめ
八十八夜とはいつのことを指しますか?
八十八夜は、旧暦の立春から数えて88日目のことを指し、新暦では大体5月2日前後になります。
この日は日本の農業において重要な節目とされ、春の訪れと農作業の始まりを告げる日です。
八十八夜にはどのような風習がありますか?
八十八夜には、茶の摘み始めが行われることが有名です。
この時期に摘まれる茶葉は「初摘み茶」と呼ばれ、特別な価値を持つとされています。
また、農作業の安全や五穀豊穣を祈る行事も各地で行われます。
八十八夜の茶はどのような特徴がありますか?
八十八夜に摘まれる茶葉は、冬の間にゆっくりと成長するため、栄養が凝縮されています。
このため、初摘み茶は香りが高く、味も濃厚で、新鮮な風味が特徴です。
八十八夜に関連する行事やイベントはありますか?
いくつかの地域では、八十八夜を祝う祭りやイベントが開催されます。
これには、新茶の試飲会、茶摘み体験、地元の農産物を使った市場やフェスティバルなどが含まれます。
八十八夜に摘んだ茶葉を購入することはできますか?
はい、八十八夜に摘まれた茶葉は、多くの茶店やオンラインショップで購入することができます。
初摘み茶は新鮮さと品質が高く評価されるため、早めに購入することをお勧めします。
八十八夜の由来は何ですか?
八十八夜の由来は、古来より農業が盛んな日本において、この時期が農作業のスタートとされていたことにあります。
特に、立春から数えて88日目は気候が安定し始めるため、農作業に適した時期とされてきました。
八十八夜に関することわざや言い伝えはありますか?
八十八夜には「八十八夜の霜は馬をも殺す」ということわざがあります。
これは、この時期までに霜が降ると非常に寒いことを意味し、作物にとって危険なサインであるとされています。
八十八夜に特別な食べ物はありますか?
八十八夜には特定の食べ物が定められているわけではありませんが、新茶を楽しむ文化があります。
また、新茶に合わせて和菓子を味わう習慣もあります。
八十八夜に行われる農作業は何ですか?
八十八夜は稲の田植えや他の作物の播種が始まる時期とされています。
また、茶畑では新茶の摘み取りが最も重要な作業の一つとなります。
八十八夜に気をつけるべきことはありますか?
八十八夜は農作業の始まりを意味するため、農家では作業の計画を立て、畑の準備に気をつける必要があります。
また、霜や急な気温変化にも注意が必要です。
茶摘みに関わる人々は、最高品質の茶葉を摘むための準備が重要です。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は八十八夜の食べ物には何があるのか、新茶との関係とは何かを探ってきました。
○関係ある食べ物はやっぱりお茶
○新茶は縁起物として昔から重宝されていた
○農家の方なら関係ある八十八夜だけど、現代人は特に関係ないかも・・・
いろいろと八十八夜については調べましたが、ハッキリ言って現代人にはあまり馴染みのない雑節になっています。
しかし、お茶が産地の場所は八十八夜にまつわる特殊なお茶を売り出すので、気になった人は覗いてみるといいでしょう。
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