社日と聞いてピンと来ない方も多いかもしれませんが、実は日本の伝統的な雑節の一つであり、神社と深い関係があります。
今回の記事では、「社日に神社を訪れる理由や関係性は?参拝者のための準備とマナー」と題して、社日について詳しく解説していきます。
多くの地域で忘れ去られつつあるこの風習を、もう一度見直し、どのような行事が行われているのか、またその意味や由来についても深掘りしていきます。
社日にちなんだ神社での行事や風習を知ることで、新たな発見があるかもしれません。
興味を持った方は、ぜひこの機会に社日について知識を深めてみてください。
社日と神社との関係性とは?
社日と神社の関係性を知るには、そもそも社日とは何なのか、その意味と由来を知る必要があります。
そこからまずは解説していきましょう。
社日の意味と由来
社日とは簡単に説明すると雑節の一つで生まれた土地の守護神である『産土神』を祀る日になります。
産土神の読み方はいくつかあり『うぶすながみ』『うぶしなのかみ』『うぶのかみ』といろいろあるので注意しましょう。
その日は『春分または秋分に最も近い戊の日』であり、1年に2回あります。
春と秋では意味合いがちょっと異なる点も要注意です。
春の社日は春から秋にかけての厄災を祓って春の田植えが成功することを祈ります。
秋の社日は収穫をもたらしてくれた神々へ感謝して、お供え物や初稲を用いておもてなしをするのです。
由来についてですが、古代日本ではそこで産まれた人は生まれる前から死んだ後まで守護する神がいるという考え方がありました。
この考え方の対象となったのが、先ほどから登場する『産土神』であり、その神様への信仰を産土信仰と呼んだのです。
そういった信仰から生まれたものがやがて形を変えて各地の神社では社日祭という神事に変わっていきました。
つまり、地域ごとの産土信仰こそ、社日の由来と言えるしょう。
神社との関係性
先ほど述べたように、元々が土着の『産土神』への信仰が社日という雑節を形作っています。
この産土信仰が神を奉る神社に赴いての行事となり、今でも一部地域で残っているのです。
そもそも社日における『社』とは、『土地神』や『国の神』という意味があるため、『社日』という言葉は『土地神をお参りする日』という意味になります。
名前の意味を掘り下げるとわかるように、土地神様へお参りすることがこの社日では重要な事だったのです。
そのお参りする場所がどこかといったら、もちろん神様を奉っている神社になります。
ここでポイントとなる産土神社なのですが、これは『赤ちゃんが生まれた土地やご自宅から近い場所の神社』になります。
社日に行われる行事
社日はその地域の文化及ぶ風習と密接に結びついていることが多いので、その地域限定のルールやお参り方法が設けられることがしばしばあります。
例えば、信州地方では御社日様と称され、四国の阿波では御地神様と称され、九州の筑前では社日潮斉と称されている特殊な神様への感謝となるので、地域のやり方に合わせて行動してください。
ほかには社日にお酒をお供えしていただくと耳の病気が良くなる『治聾酒(じろうしゅ)』になるというお話も聞きました。
社日の具体的なお供え物について
神様へのお参りをするのが通例の社日ではどういったお供え物を用意すればいいのでしょうか。
お供え物とは?
社日はまず春と秋の2回あります。
そして、春の社日は五穀豊穣を祈るために麦やお米をお供えするとのことです。
次に、秋の社日は収穫したばかりのお米やおはぎやお酒をお供えするとのことでした。
ただし、この社日はかなり地域の風習や文化が取り込まれている傾向があるとのことで、地域オリジナルのお供えがあると聞いたことがあります。
地域によっては最初に刈り取った稲、つまり『初稲』をお供えするといった風習もあるとのことなので、初めて参加するという方は、その地域での社日におけるお供え物はどうなっているのかを地元の方に聞いてみて判断した方がいいでしょう。
お供えにオススメの食べ物
基本的にこの時のお供え物とは五穀にまつわる物が基本となります。
五穀とは米・麦・粟・豆・黍(きび)または稗です。
これらの穀物から作られた物が社日のお供え物としては最適となっています。
お米ならばお米でできた酒だって選択肢に入りますし、豆なら豆であずきから大豆までいろいろと種類があるでしょう。
あずきがOKならば選択肢だって増えてくるのは間違いなしです。
社日はなんども記載しているように、その地域の特殊な文化や風習が出る行事となっているので、地元の誰かと行動をするのならばこういった風習に詳しい人に何がいいのかを確かめてからお供え物を決めて下さい。
家で誰かに見られることなくお供えするのなら何をやってもいいでしょう。
社日にしてはいけないこと
社日にしてはいけないことは土いじりです。
この日は土に関する神様の産土神(生まれた土地の守護神)へのお供え物をする日なので、土いじりといった行動全般を避けるべきと言われております。
農作業はまずできない日であり、ガーデニングなどもNGな日と考えておけばいいでしょう。
社日稲荷神社での風習
社日はその地域の文化及ぶ風習と密接に結びついていることが多いので、その地域限定のルールやお参り方法が設けられることがしばしばあります。
例えば、信州地方では御社日様と称され、四国の阿波では御地神様と称され、九州の筑前では社日潮斉と称されている特殊な神様への感謝となるので、地域のやり方に合わせて行動してください。
ほかには社日にお酒をお供えしていただくと耳の病気が良くなる『治聾酒(じろうしゅ)』になるというお話も聞きました。
他にも有名なのが福岡県の『筥崎宮(はこさきぐう)』で行われる『お潮井取り』という行事です。
筥崎宮前の海岸の真砂を『お潮井』と呼び、『でぼ』という言う竹のかごに入れて玄関に備えます。
そして、備えた『お潮井』で外出の時に身を清めて災いを払うという風習です。
これは田畑に撒くことで、豊作を祈りつつ虫除けを行うという使われ方をしていたと言われております。
他には群馬県の社日稲荷神社では『探湯神事』と呼ばれる社日向けの行事があるとのことです。
神前に供えられた大釜で沸かした熱湯を被るというとんでもない儀式なのですが、小笹を使って全身に浴びることで家内安全や厄難除けなどの祈願をするちょっと変わったイベントになっています。
社日に関するよくある質問まとめ
「社日」とはどのような意味がありますか?
「社日」(しゃにち)は、日本の旧暦における雑節の一つで、特に神社への参拝に適した吉日とされています。
この日は神々の恩恵を受けやすいとされ、神社での祈祷やお祓いなどの宗教的行事に適していると考えられています。
社日に行うと良いとされる行事や活動はありますか?
社日には、神社への参拝や祈願、神事、お祓いなどが推奨されます。
また、新しいことを始めるのにも良い日とされており、結婚式や事業の開始、重要な契約の締結などにも適しているとされています。
社日はどのようにして決定されますか?
社日は、旧暦の特定の日に設定されます。
具体的には旧暦の1月、5月、9月の1日、および2月、6月、10月の1日に社日が設定されることが多いです。
ただし、年によって多少の変動があります。
社日は他の六曜とどのように関連していますか?
社日は六曜(先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口)とは異なりますが、同じく吉日としての性質を持っています。
六曜は日々の吉凶を表すのに対し、社日は特定の吉日として、特に神事や新しい始まりに適した日とされています。
現代の生活において、社日を意識することにはどんな意義がありますか?
現代の生活において社日を意識することは、日本の伝統文化への理解を深めるという意義があります。
また、重要な行事や決断をする際に吉日を選ぶことは、精神的な安心感や幸運を感じることにつながるかもしれません。
しかし、現実の効果には個人差があり、一つの参考として考慮するのが適切です。
社日に特定の食べ物や行事食はありますか?
社日に関連して特定の食べ物や行事食が定められているわけではありません。
社日は神社への参拝に適した日とされているため、食事よりも神事や祈願に重点が置かれています。
ただし、地域によっては社日に特有の風習や行事が存在するかもしれません。
社日に参拝する際のマナーや注意点は何ですか?
社日に参拝する際のマナーとしては、清潔な服装で訪れる、参道を歩く際には真ん中を避けて端を歩く、拝殿での二拝二拍手一拝の作法を守るなどがあります。
また、静かに行動し、他の参拝者への配慮を忘れないことも重要です。
現代のカレンダーで社日を確認する方法は何ですか?
現代のカレンダーで社日を確認するには、六曜や雑節が記載されている暦を参照する必要があります。
多くの日本のカレンダーには六曜が記されていますが、雑節を含むものは少ないため、専門の暦やオンラインの暦サービスを利用するのが良いでしょう。
社日に関連する伝統行事や風習は日本各地で異なりますか?
社日に関連する伝統行事や風習は日本各地で若干の違いがあります。
一般的には神社への参拝が中心ですが、地域によっては特有の祭りや行事が社日に行われることもあります。
これらはその地域の歴史や文化に根ざした独自の風習と言えます。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は社日と神社との関係について解説しつつ、どんな行事が行われるのかを見ていきました。
○『社日』という言葉は『土地神をお参りする日』という意味で、社日の由来は地域ごとの産土信仰である
○そのため、社日での神社へのお参りというのは昔ながらの風習であった
○行われる行事は地域によって大きく異なる
簡単にまとめましたが、いろいろと面白い情報がありました。
特に、社日は神道の考え方が強い行事ですので、神社がそばにあるという方ならば積極的にその日にお参りしてみてはいかがでしょうか。
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