今回は節分の豆まきの正しいやり方はどうなっているのか、鬼に向かって豆をまく理由は何なのかを解説いたします。
節分を大人になってから全くやっていないという人でも「鬼は外、福は内」と叫びながら豆で鬼を撃退するのが節分という行事と言うことは覚えていることでしょう。
しかし、あの行事および行為は一体どんな意味があるのでしょうか。
今回は節分の豆まきの正しいやり方についてまとめつつ、そもそもこの行動の意味はどうなっているのかを調べていきましょう。
節分の豆まきの正しいやり方を解説!
節分の豆まきにおける正しいやり方はその地域および風習によってかなり変わってきます。
ここで紹介するやり方は、一般的といわれているやり方です。
それを踏まえた上で確認お願いします。
○邪悪なものが再び蘇らないように、芽が出ない煎り豆(福豆)を使う
○豆をまくという行為は可能なら年男か家長が行う
○「鬼は外、福は内」というかけ声で行う
○豆まきをした後は自分の年+1つぶんの豆を食べて厄除けを願う
○鬼が夜にくるので基本的に夜に行う
○玄関から遠い部屋から豆をまき、順番に鬼(煩悩)を追いやっていく
○「鬼は外」のかけ声で豆をまくときは玄関や窓を開ける
○「福は内」のかけ声で豆をまくときは玄関や窓は閉める
あくまでも一般的な風習ですが、こういったルールがあります。
これらのルールを全部必ず守れとは言いませんが、日本で広まっている節分豆まきルールとして一般的なものなので覚えておくと役に立つ日が来るかもしれません。
もちろん、一部地域の風習ではこれらが異なっているものも多々ありますので、そのエリアのイベントとして節分の豆まきをするという時はルールの確認を行ってから行動しましょう。
具体的に「鬼は外、福は内」ではないというパターンもあれば、豆をまく人で推奨される人が異なるというパターンもあるので、油断なりません。
なぜ節分に豆まきをするの?
節分に豆まきをする理由はその場所に住まう人や環境そのものにとっての『悪いもの』を追い出すためです。
節分はいわゆる季節の変わり目を意味しており、昔はその季節の変わり目に邪気(鬼)が発生すると考えられており、それを追い払う儀式が行われていました。
昔の方が豆まきといった風習および文化に直結するものがよく行われていたのは、そういった理由もあります。
鬼に向かって豆をまくのはなぜ?
節分における鬼という存在が病気や煩悩といった『悪いもの』の概念的存在として用意されており、そういった『悪いもの』を追い出してその年の健康祈願や無病息災を願うからです。
この鬼を追い出すことができれば、今年1年病気にならないとか煩悩に負けないといった考え方が昔はされていました。
平安時代からこの鬼を追い出す儀式は行われていましたが、平安時代になると寒い時期は病気で亡くなる人も多く、そういった人達を少しでも減らすために行われていた儀式でもあったのです。
そもそもなんで豆なのか
古代の日本では言霊の存在や米・麦・粟・豆・黍(きび)といった五穀には穀霊が宿るという考え方があり、五穀に該当するものには邪を払う力があるとされていたのです。
実際に、遙か昔は豆ではなく米を鬼を追い払う追儺の儀式で使っていたという情報もありました。
豆も五穀に加えたれており、邪気を払う力があるとされていましたが、語呂的に魔を滅する『魔滅』に通じると言われており五穀の中でも邪気を払う力が強いと考えられるようになったと推察します。
そもそも“鬼”ってなんなの?
鬼とはものすごくざっくりと説明してしまうと人にとっての『悪いもの』の総称です。
ここでは、鬼を病気などの悪いものを一派一絡げにした概念と解説しましたが、基本的にはこの考え方で間違いないでしょう。
藤原頼長も鳥羽法皇の病は祖父白河法皇の“鬼”に憑かれたことで発症したといった描かれ方としており、はるか昔から病と鬼を結びつける風習は根付いていたことがわかります。
また、“恐ろしい物“の代名詞として用いることも多く、日本各地の山には鬼が住んでいたといった伝承があちこちにあるのも特徴でしょう。
平安時代から中世にかけて登場する鬼はいわゆる怨霊の化身であり、一言で表せば妖怪の類いになっていますが、人にとっての『悪いもの』というカテゴリーからはそれていません。
豆まきに大豆を使うのはなぜ?
節分で豆を使う理由は、古代の日本では言霊の存在や米・麦・粟・豆・黍(きび)といった五穀には穀霊が宿るという考え方があり、五穀に該当するものには邪を払う力があるとされていたからです。
さらに、豆には語呂的に魔を滅する『魔滅』に通じると言われており五穀の中でも邪気を払う力が強いと考えられるようになったと言われております。
豆まきは何時にするの?
一般的に推奨される時間帯は20時から22時ぐらいと言われています。
このように夜に実行することが推奨されていますが、個人的に寒い地域で夜にやるのははっきり言って不便なので、そこまで時間帯にこだわらなくてもいいと思います。
これは鬼が夜の時間帯に訪れるという考え方があったからであり、その地域によって風習が違うのならば変えるべきでしょう。
仮に、外で豆まきをするとなると夜では投げた豆がどこにいったのかわからなくなってしまうので、個人的に推奨できません。
豆まき以外の節分の風習は?
節分にまつわる風習はかなりいろいろとあるので、筆者が調べ入手した情報をまとめて紹介します。
柊鰯
『柊鰯』は『節分いわし』や『焼嗅(やいかがし)』という呼ばれ方もしています。
まず、いわしは焼くときに煙が出るのでその煙を鬼が嫌うとされています。
そしてその臭いも強烈なので、それもまた鬼が嫌うとされているのです。
セットで用意されている柊の葉っぱは尖っているので鬼の眼を刺すという魔除け・厄払いの効果があるとされているようです。
また、いわしは漢字で『鰯』と書くように魚として傷みやすいため、むしろ体内の『陰の気を消す』効果があるという情報もありました。
このように厄払い・厄除けといった意味がふんだんに込められているのが『柊鰯』なので、縁起物を多く好む昔の日本では重宝されていたのでしょう。
この『柊鰯』の風習は一部地域限定ではありますが、鰯を何らかの形で節分で用いるという風習は日本各地でありましたので、節分が本格的に始まったとされる室町時代には鰯が厄除けに良いという考え方が全国レベルで広まったのだと思われます。
鬼ぐい
これは愛媛県に残っているといわれる風習で、タラノキに鰯の頭とトベラをはさむ『鬼ぐい』と呼ばれるものを戸口につるすという風習になります。
ネットで検索すると節分の鬼ぐいではなく別のものがヒットする可能性がかなり高く、知名度としてはかなり低めです。
地域によっては『鬼バラ』と呼んでいるようですが、意味としては魔除けとなっています。
由来については正直不明ですが、かなりの歴史があるのではないでしょうか。
目籠
目籠とは昔の人が持ったり背負ったりする竹かごの事です。
この竹かごを逆さまにして竹竿につるし、そこに鰯の頭を大豆の枝に刺したものとヒイラギ・グミの枝を束ねたものを玄関にさして近寄らせなくさせるという情報がありました。
他にも、竹かごにハナノキとビンカを結び付けて竹竿に吊るして軒先高くに掲げて鬼を払うとか、竹かごにまつわる節分の風習が日本国内にあちこちあるようです。
これは竹かごに意味があるというよりは、それに用いるもの達に厄除けや魔除けの効果があると考えた方がいいでしょう。
由来も残念ながらわかりませんでした・・・
護符
いわゆるゲームにもよく登場するあの『護符』を節分になったら用意する地域もあるようです。
長野県上伊那での護符は5cm角程度の紙片に『かにかや』と書いた護符で、この護符を家や便所・土蔵・納屋等の出入口の戸などの貼り付けると鬼が迷ってこれなくなるという効果があるとされていたようです。
他にも岐阜県では五芒星を描いた『鬼札』を用意するとか『十三月』と書いた護符を用意するとかいろいろな風習がありました。
護符も基本的には邪を払うというよりもよこしまなものを近寄らせなくするという意味合いが強いと思われますので、こちらもカテゴリー的には魔除けや厄除けとして用いられていたのでしょう。
これも由来がわかりませんでしたが、おそらくは室町時代ぐらいから続いていると思われます。
節分に関するよくある質問まとめ
節分とはどのような意味がありますか?
節分は、日本の伝統行事で、季節の変わり目、特に冬から春への移行を象徴する日です。
もともとは立春の前日を指し、新しい季節の到来を祝い、悪い霊を追い払い福を呼び込むための行事とされています。
現代では、特に豆まきや恵方巻きを食べることで知られています。
豆まきの正しいやり方はどのようなものですか?
豆まきでは、まず家の中で、福は内、鬼は外と唱えながら豆(大豆)をまきます。
これは、福を家に招き入れ、悪い霊を追い払う意味があります。
一部の地域では、家族の年齢の数だけ豆を食べる習慣があり、これには一年の健康を願う意味が込められています。
恵方巻きとは何ですか、また、どのように食べるのが正しいのですか?
恵方巻きは、節分に食べる太巻きのことで、その年の恵方(吉方位)を向いて、無言で一本まるごと食べると良いとされています。
恵方は毎年変わるため、事前にその年の恵方を調べておく必要があります。
この習慣は、無言で食べることにより、願い事が叶うという信仰に基づいています。
節分の日に食べるものとして他にどのようなものがありますか?
節分の日には、豆まきの後にその豆を食べるのが一般的です。
また、恵方巻き以外にも、その年の恵方を向いて食べると縁起が良いとされる各種の料理やスイーツがあります。
地域によっては独自の節分料理があり、例えば関西地方では節分の日にお神酒やイワシの頭を飾った料理を食べる習慣があります。
節分にはどのような飾り付けをするのが一般的ですか?
節分には、家の入り口にイワシの頭とヒイラギの葉を飾ることが一般的です。
これは、悪い霊がイワシの頭のにおいやヒイラギの葉の尖った形に怯えて近づかないという古い信仰に基づいています。
また、一部の地域では、福豆や恵方巻きなどを飾ることもあります。
これらの飾り付けには、家族の健康や一年の幸運を願う意味が込められています。
節分の豆まきで使う豆はどのような種類が適していますか?
節分の豆まきには、一般的に乾燥した大豆を使用します。
これは「福豆」とも呼ばれ、収穫した豆を翌年の節分まで保管して用います。
市販の節分用の豆もあり、これらは通常、焙煎されているため食べやすくなっています。
豆まき後に豆を食べる習慣があるため、食用に適したものを選ぶことが重要です。
節分における豆まきの由来は何ですか?
豆まきの由来は古く、鬼や悪霊を払い、福を呼び込むための儀式として行われてきました。
豆はその生命力の強さから「魔除け」の意味を持ち、これをまくことで邪悪なものを追い払い、家庭に福をもたらすとされています。
また、豆を食べることで健康や福を身につけるという意味合いも込められています。
節分で恵方巻きを食べる風習はいつ頃から始まったのですか?
恵方巻きを食べる風習は、もともと関西地方の特定の地域で行われていたものが、1990年代にコンビニエンスストアの販促活動を通じて全国に広まりました。
恵方巻きはその年の「恵方」を向いて無言で食べることで、その年一年の幸福を願うという意味が込められています。
子供に節分の意味を教える良い方法はありますか?
子供に節分の意味を教えるには、実際に豆まきの儀式に参加させることが効果的です。
また、節分に関する絵本や物語を読むことで、楽しく学べます。
子供たちが参加する豆まきイベントや、地元の神社での節分祭りへの参加も、節分の意味を理解するのに役立ちます。
節分の日に特別な祈りや儀式を行うことはありますか?
節分の日には、豆まき以外にも特別な祈りや儀式が行われることがあります。
多くの神社では節分祭が開催され、福を呼び込むための祈祷やお祓いが行われます。
また、家庭内で節分の日に特定の祈りを捧げる習慣を持つ家庭もあり、家族の健康や幸福を願う言葉を唱えることが一般的です。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は節分の豆まきの正しいやり方について、鬼に向かって豆をまく理由も解説しました。
○豆まきの正しいルールはかなりいろいろある
○節分の豆まきにはかなりの歴史があり大豆にも意味がある
○豆まきは夜にするけど、そこまでこだわらなくてもOK!
いろいろと情報がてんこ盛りでしたが、気になる部分はどこだったでしょうか。
豆まき以外の節分の風習はいろいろとありますが、これらは地域によってかなりの違いがありますので、気になる方は調べてみることを強く推奨します。
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