今回も節分にまつわるお話をしていきます。
議題は節分で食べる豆の数は数え年なのか、それとも満年齢なのかです。
また、なぜ年の数だけ食べるのか、その理由も探って行きましょう。
年の数だけ食べるという伝統は若い時ならいいですが、これが30代40代と高齢になるとめっちゃキツくなります。
このように年の数だけ食べるのが苦痛になってしまったら、食べないという選択肢を選ぶのはありなのかも探って行きましょう。
節分で食べる豆の数は数え年?満年齢?
まずは今回の本題である節分で食べる豆の数は数え年なのか、満年齢なのかを探って行きましょう。
答えは『数え年の数だけ豆を食べる』となります。
現代的な考え方だと『今の年齢にプラス1個食べる』とすればいいでしょう。
つまり、10歳ならば11個、50歳なら51個です(無理では?)。
一つ目の疑問を解消したところで次に行きましょう。
節分に年の数だけ豆を食べるのはなぜ?
豆を食べる数についてですが、どうやらこれは節分の由来となった宮中行事の『追儺』からきているようです。
この『追儺』は元々新年の行事であり、その行事が変化して節分にも行われるようになったのです。
最初はお米を使って鬼退治をしていたのですが、そこからさらに変化して無病息災を願って『現在の年齢に新年の分を足した数の豆を食べる』という行事が行われるようになったと言われています。
現代の節分の時期で考えると違和感を覚えますが、お正月のタイミングで行うと考えると納得しやすいのではないでしょうか。
昔の暦では1月1日に全国一斉に年を取ると考えられていました。
これが『数え年』と呼ばれるもので、『信長の野望』をやっている方ならわかると思いますが、あらゆる武将が新年を迎えると1歳プラスされるようになっています。
この数え年の考え方に結びついているのが追儺の行事であり、豆を食べる数となっているのです。
豆を年の数だけ食べきれないときは?
10歳や20歳ぐらいならまだ『今の年齢にプラス1個食べる』も可能ですが、40代や50代など年を重ねるとキツくなります。
そもそも豆を食べるのが好きではないという人にとっては軽い拷問でしょう。
ここでポイントとなるのが全部食べるのではなく、食べ物や飲み物という形で消費してしまえば良いというところです。
そこでオススメされているのが、湯飲みなどに食べきれなかった福豆を入れお湯を注ぎ『福茶』にしてしまうというやり方になります。
お茶にも好き嫌いはあると思いますが、大量の豆を消費するのがキツいという方にとっては一気に消費できるわかりやすいやり方なので、まずはお試しで実行してもらいたい方法です。
福茶の作り方についても掲載しておきます。
福茶の作り方
材料
・残った豆(香ばしく炒ったほうが美味い)
・塩昆布、または昆布の佃煮・・・適量
・梅干・・・1粒(種は捨てない)
・熱湯・・・180cc(緑茶でも可)
作り方
①先ほど用意した材料でお湯以外を湯飲みに入れる
②熱湯を注いで完成
豆まきの豆の種類は?
豆まきで使う豆は基本的に大豆です。
ただし、地域によっては落花生を使ったり黒豆を使うといった情報もありました。
節分はその地域独特の風習が根付いている文化なので、豆の違いにも注目して見るといいでしょう。
ちなみに、大豆にもいろんな種類があると言われています。
日本では豆まき用の豆には『黄大豆』が選ばれるのですが、探してみると白や黒、赤、緑などいろんな色が存在しているようです。
また、サイズもかなりばらけており、大粒種、中粒種、小粒種の大豆が存在しております。
他の特徴としては、節分の豆には鬼払いや厄除けの願いが込められているため、その効果をアップさせるためにも芽が出ない炒った豆を使う必要があるのです。
これは拾い忘れた豆から芽が出るのは縁起が悪いからとも言われていますし、豆を『炒る』ことは『魔目(まめ)』を滅ぼす力を持つ『魔滅』の力で鬼の目を『射る』という意味にも通じるため縁起が良いとされているとも聞いたことがあります。
正しい豆まきのやり方・仕方!
正しい豆まきのやり方はその地域のよって異なりますが、一般的にこうやった方がいいとされている定説はあります。
その定説も大量にあるので箇条書きで一気にまとめていきましょう。
○邪悪なものが再び蘇らないように、芽が出ない煎り豆(福豆)を使う
○豆をまくという行為は可能なら年男か家長が行う
○「鬼は外、福は内」というかけ声で行う
○豆まきをした後は自分の年+1つぶんの豆を食べて厄除けを願う
○鬼が夜にくるので基本的に夜に行う
○玄関から遠い部屋から豆をまき、順番に鬼(煩悩)を追いやっていく
○「鬼は外」のかけ声で豆をまくときは玄関や窓を開ける
○「福は内」のかけ声で豆をまくときは玄関や窓は閉める
あくまでも一般的な風習ですが、こういったルールがあります。
ただし、これらの一般的なルールも地域によっては違う可能性がありますので、引っ越しして他県に移動したという方はその地域での節分ルールがどうなっているかをまず確認してください。
筆者が確認しただけでも、かけ声が「鬼は外、福は内」ではないというパターンもあれば、豆をまく人で推奨される人が違うルールになっているというパターンもあるので、本当に気をつけてください。
節分で豆まきをするようになったのはいつ?
節分に豆まきをするようになったのは南北朝時代以降と言われています。
筆者が知っている限り、文献としてしっかりと豆まきをしたという情報が残っているのは、1425年1月27日頃とのことです。
これは『看聞日記』や『花営三代記』に記載されているとのことなので、おそらくは正しい情報でしょう。
今から600年前に豆まきをしていたというのはなかなかに面白い情報だと思います。
豆まきではない節分はもっと古い?
節分に豆をまくという行為は先ほど記載したように1425年1月27日頃に行われていましたが、これが豆まきではない鬼を追い出す行事として捉えたとするともっと古い時期から行われていたといえます。
というのも、今回の記事でお話に出てきた鬼を追い出す『追儺』という儀式は平安時代には行われていたからです。
これは年越しに行われていたのですが、節分にも行われるようになり今の形に変化しました。
この節分の儀式に変化したばかりの頃は豆ではなくお米を使っていたようですが、行われている意味は豆まきの頃と変わりません。
そういった意味では、節分で鬼退治をするようになったのは平安時代と言えそうです。
節分に関するよくある質問まとめ
節分とはどのような意味がありますか?
節分は、日本の伝統行事で、季節の変わり目、特に冬から春への移行を象徴する日です。
もともとは立春の前日を指し、新しい季節の到来を祝い、悪い霊を追い払い福を呼び込むための行事とされています。
現代では、特に豆まきや恵方巻きを食べることで知られています。
豆まきの正しいやり方はどのようなものですか?
豆まきでは、まず家の中で、福は内、鬼は外と唱えながら豆(大豆)をまきます。
これは、福を家に招き入れ、悪い霊を追い払う意味があります。
一部の地域では、家族の年齢の数だけ豆を食べる習慣があり、これには一年の健康を願う意味が込められています。
恵方巻きとは何ですか、また、どのように食べるのが正しいのですか?
恵方巻きは、節分に食べる太巻きのことで、その年の恵方(吉方位)を向いて、無言で一本まるごと食べると良いとされています。
恵方は毎年変わるため、事前にその年の恵方を調べておく必要があります。
この習慣は、無言で食べることにより、願い事が叶うという信仰に基づいています。
節分の日に食べるものとして他にどのようなものがありますか?
節分の日には、豆まきの後にその豆を食べるのが一般的です。
また、恵方巻き以外にも、その年の恵方を向いて食べると縁起が良いとされる各種の料理やスイーツがあります。
地域によっては独自の節分料理があり、例えば関西地方では節分の日にお神酒やイワシの頭を飾った料理を食べる習慣があります。
節分にはどのような飾り付けをするのが一般的ですか?
節分には、家の入り口にイワシの頭とヒイラギの葉を飾ることが一般的です。
これは、悪い霊がイワシの頭のにおいやヒイラギの葉の尖った形に怯えて近づかないという古い信仰に基づいています。
また、一部の地域では、福豆や恵方巻きなどを飾ることもあります。
これらの飾り付けには、家族の健康や一年の幸運を願う意味が込められています。
節分の豆まきで使う豆はどのような種類が適していますか?
節分の豆まきには、一般的に乾燥した大豆を使用します。
これは「福豆」とも呼ばれ、収穫した豆を翌年の節分まで保管して用います。
市販の節分用の豆もあり、これらは通常、焙煎されているため食べやすくなっています。
豆まき後に豆を食べる習慣があるため、食用に適したものを選ぶことが重要です。
節分における豆まきの由来は何ですか?
豆まきの由来は古く、鬼や悪霊を払い、福を呼び込むための儀式として行われてきました。
豆はその生命力の強さから「魔除け」の意味を持ち、これをまくことで邪悪なものを追い払い、家庭に福をもたらすとされています。
また、豆を食べることで健康や福を身につけるという意味合いも込められています。
節分で恵方巻きを食べる風習はいつ頃から始まったのですか?
恵方巻きを食べる風習は、もともと関西地方の特定の地域で行われていたものが、1990年代にコンビニエンスストアの販促活動を通じて全国に広まりました。
恵方巻きはその年の「恵方」を向いて無言で食べることで、その年一年の幸福を願うという意味が込められています。
子供に節分の意味を教える良い方法はありますか?
子供に節分の意味を教えるには、実際に豆まきの儀式に参加させることが効果的です。
また、節分に関する絵本や物語を読むことで、楽しく学べます。
子供たちが参加する豆まきイベントや、地元の神社での節分祭りへの参加も、節分の意味を理解するのに役立ちます。
節分の日に特別な祈りや儀式を行うことはありますか?
節分の日には、豆まき以外にも特別な祈りや儀式が行われることがあります。
多くの神社では節分祭が開催され、福を呼び込むための祈祷やお祓いが行われます。
また、家庭内で節分の日に特定の祈りを捧げる習慣を持つ家庭もあり、家族の健康や幸福を願う言葉を唱えることが一般的です。
まとめ
以上、いかがでしたか。
今回は節分で食べる豆の数は数え年なのか、満年齢なのかを調べつつ、年の数だけ食べる理由もまとめました。
○節分で食べる豆の数は『今の年齢にプラス1個食べる』とすればOK!
○年の数だけ食べる理由はお正月に年越しの儀式であった『追儺』が変化したから、そこから無病息災を願って『現在の年齢に新年の分を足した数の豆を食べる』という行事になった
いろいろと節分は面白い風習が多く、知れば知るほどその地域の文化に触れている気分になりたいので、日本の風土記などが好きな方は絶対に面白いと思います。
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